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食道癌の特徴

食道癌には,他の消化器癌、胃癌や大腸がんに
みられない特徴があり

これは「比較的早い段階から転移が起きる」

ことと

「転移の分布が広範囲にわたる」
ということ。

転移とは、もともと癌が発生した場所から
飛び火をして周りのリンパ節や食道から遠い
場所にあたらしく巣を作る事をいいます。

粘膜筋板という、「筋肉の防波堤」
に癌の浸潤が到達すると、すでに10%
近くの転移が生じるといわれており

そのリンパ節転移の起きる場所

第1位

それは左右迷走神経という神経が脳から
下の方に伸びてくるんですが、こいつが
右は鎖骨下動脈,左は大動脈弓をくるり
と回って、また上に戻って行く

この神経を反回神経(はんかいしんけい)
と呼びます。

食道癌の転移はこの反回神経の周りに
もっとも高率におきます。

106番という番号がついています

その頻度=なんと3人に1人。

ついで第2位はなんと、お腹の胃の近くにある
リンパ節 3番リンパ節で4人に1人
といわれています。


リンパ節の番号ですが
場所によって番号が細かくわけられています

胃の周りが1〜20

食道の周りが100番台

大腸の周りが200番台でございます。

食道といえば「106」「3」が
転移しやすいリンパ節です

食道癌は、病気のすぐ近くのリンパ節
ではなく、遠くはなれた106や3に
まず起きる。

近くにまず転移して、
さらに遠くに転移する

というわけではないのです。

これが最大の特徴ですので

放射線をあてる場所を決める場合に
病気の近くだけを当てる

となると、癌がいるかもしれない場所に
放射線があたらない

しかし広く当てれば当てるほど、体の
負担は高度で、後遺症も大変、、、
ということになります。

手術はもちろん大変ですが
それと同じ範囲をカバーする放射線も
同じくらいきつい

と思っていた方が良いと思います。

ぽちっとな

by kenzaburou41 | 2012-08-02 23:04 | 手術と放射線どっちを選ぶ? | Comments(0)
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