人気ブログランキング | 話題のタグを見る

吻合部狭窄

ぽちっとな ←応援どーもです

手術後に気をつけることとして
「吻合部狭窄(ふんごうぶきょうさく」

があります。

手術直後、もう食べてもいいでしょうと
医師のお墨付きがでて、恐る恐る
時間をかけてゆっくり食べていた
時期

皆さん、慎重に一口一口を噛み締めながら
食べ始めたと思います。

しかし、しばらく食べて行くと
ちょうど鎖骨の当たりで詰まった
ようになって、それ以上食べてしまうと
吐いてしまう

これは胃袋が細い管になって
頸の方に引き上げられたために

「蓄える容量が減ってしまった」

にも関わらず、それを超える食べ物を
送り込んだ時に起こる容量オーバーです。

「食べているうちにだんだん入らなくなった」

時はこのケースです。食べ過ぎが原因ですので
時間を置いて食べる、あるいはゆっくり時間を
かけて食べる事が必要です。

入院中は大丈夫だったけどもしばらく
(術後2−3ヶ月)経過してから
起きる合併症が「吻合部狭窄」です。

これは、一部残った食道と胃のつなぎ目
が狭くなる現象です。

吻合部狭窄_b0180148_20465696.jpg


もともと直径25mmの自動吻合器を使って
あるいは手縫いで食道と胃をつなぎ合わせますが
しばらくたって傷がなおる
にしたがい、このつなぎ目に膜状の肉があがって
来て、つなぎ目を塞いでしまう

(左のようにもともと白点線の◯の分くらい
あった管腔が、穴が小さくなって
真ん中の黒丸くらいになり、
食事が通らなくなる)

この場合はいくら頑張ってかんでゆっくり
食べても、一口目からつかえます

「食べてしばらくしてからつかえる」のか

「一口目からつかえる」のかで
たべすぎなのか、吻合部が狭いのか
区別がつきます。

こうした症状の場合は、主治医に連絡して
内視鏡で拡げてもらいましょう。

つまり易いのは
「肉(焼き鳥、焼き肉)」「刺身(イカ,タコ)」
「大きめの塊になる野菜=ナス、じゃがいも」
普段あまりかまないでペロッと飲み込むもの
は要注意です。


内視鏡で風船(バルーン)のようなもので拡げる、
あるいは通称「サバリー」と呼ぶ
棒状の拡張用具をつかって拡げます。

バルーンも細径内視鏡を通るものができれば
患者さんが楽なのに、、

と思いつつ、ケン三郎は
もっぱら、経口で細径でサバリーで拡張、
その直後の観察は経鼻ルートの順にしています。

吻合部狭窄_b0180148_20472068.jpg


左が拡張後です、3時側に裂傷ができています
がこれくらいだったらまず問題ありません。

「拡げてもらって通りが良くなった」

と患者さんはおっしゃいますが
またしばらく経つと狭くなるので
何度か通ってもらう必要があります

最近はこれにケナコルトを打って
狭窄がこないようにトライしています


基本は「よくかんで、時間をかけてゆっくり
消化のいいものを」

ですが、吻合部狭窄は早めに医師に
相談しましょう

(できれば夜中に医師を呼ばなくて
すむよう、日中が好ましいです)
by kenzaburou41 | 2012-08-10 21:12 | 手術後のアフターケア | Comments(3)
Commented at 2012-08-11 23:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 看護師目指してます。 at 2021-09-09 09:30 x
こんにちは!
いきなり失礼します。
授業のPowerPointで吻合部狭窄についての自分で調べた内容を発表する課題があるのですが、狭窄部の画像PowerPointに使用させていただきたいのですが可能ですか?
Commented at 2021-09-09 22:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
<< 放射線治療の合併症 術後ダンピング >>