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食道癌術後マニュアル

術直後,退院してからは栄養チューブが詰まったり
食事が食べられない、吻合部が狭くなった、ダンピング
を起こした、寝ると明け方に喉に苦い水が上がって来た

などなど様々な愁訴が現れます

2年くらいたつと訴えが減り、その後は
再発がなければ元気になります

脳が細くなった胃になれるまで約3年
かかるといわれていて、それまでは
食べる量、スピードがなかなか安定せず
「わかっちゃいるけど気付かないうちに
早く食べてしまった、よく噛まないで
のみこんだら,詰まって大変だった」

などの症状を時々起こします。

再発ですが、だいたい1年以内に起きること
がおおいです

早い人だと術後3ヶ月目のCTで既に
転移がわかることもあります。

1年以内の訴えの増加は再発の現れ
のことが少なくないので要注意です。

リンパ節転移がなかった症例が転移再発を
来す事は稀ですが

転移リンパ節が多いほど再発しやすく
また
1個でもものすごくでかいリンパ節転移
のあった方や

頸、胸、腹の3つの領域に転移がおよんでいた
かたは再発が起き易いため、要注意です

しかしながら、術後の抗がん剤は再発時期を
送らせるものの、再発を防止できる、とはいえない

また、最終的に長生き出来たかというと、
術後化学療法の有無で生存期間が変わらない

ということもわかっており

これにいまでは術前に抗がん剤をやる
ケースが増えていて

術前もあんまり効かなかった、
という方でリンパ節転移がたくさんあった
方に次の抗がん剤がホントに期待出来るか

というとこれまた難しく

再発を早い段階でみつけて
出来る限りの対策を個別に考える

もちろん手術時にしっかり目に見える癌を
体外に摘出しておくことが大前提です


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-04-21 23:47 | 小ボスの外来診療マニュアル | Comments(0)
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