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挑戦する内視鏡医

ESDがようやく安定してできるようになったんで

10cm,半周の表層拡大食道癌に挑戦してみた。

昔だったら、手術。

そうでなければ放射線

患者負担、その後の人生
大きく変わる

それが内視鏡で治療できれば
これほどいいことはない

大きいのは時間がかかり、また
麻酔がきかず、患者さんが動き出すと
もう安全にESDはできないから

全身麻酔でお願いする

麻酔をかけてくれた研修医とオーベンが
雑談してて

「僕は外科医志望ですけど,食道は
大変そうだから、胃とか大腸で」
と話をしている

いやいや、胃も大腸も大変だと思うけど。

この大変そうに見える

が重要で、大変そうに見えるから
飛び込んでみないと分からない
魅力があるんですよ

カモン、食道外科。

と研修医には言わずに,
黙々とESDに向き合う。

前日,当直で2時,4時に起こされ
5時半に起床

そして朝からESD

極めて条件は悪い。 

こんな当直、いつになったら
しなくて済むんだろう。

ああ特許を目指せば良かった,時代は
学位じゃない,特許だよ,特許。
使われる人間んあるな、使う人間になれ

まあ、そうはいうものの、地道こそ王道。

こつこつの積み重ねが10cmの表拡を
倒す切符を手にする、まかせてほしい、
きっと大丈夫

水のたまる方から切開して
Cの字切開

左から右へ横から横から剥離して

手前から奥

右奥に集めてしまえば、最後は重力
でだらんと切る所が垂れ下がる。

コツコツコツコツ

コツコツこそ王道

油断すると,油断を見透かした神様が
降りてくる、ジュワーっと出血

そう来たか,神様、、わかった時間かかって
もいいからゆっくり慎重に行こう

週刊誌にでてくる若き天才内視鏡医
ではないのだ。

地道なオッサンなのだ

地道に帰ろう〜

じみちに〜かえろう〜地道で〜会おう〜

心の中で歌いながら、無事摘出。


と、、とったど〜っ。


病棟に戻って患者さん、ご家族と
握手。

いやあ、無事にとれてよかった、
あとは病理待ちですけど


本来は手術を勧めるのが本職でありつつ
ESDもようやくレベルアップ。

どっちでも最高級の治療を提供できるよう

また明日も地道にいこう。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-09-08 10:38 | 内視鏡治療 | Comments(0)
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