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食道行きも帰りも

食道の内視鏡診断

内視鏡をいれて、頸部食道から観察するのが理想ですが

一般的にはす~っと内視鏡が咽頭から食道に入ると、胸部上部食道くらいから
内視鏡観察を始めるかたが少なくなく

教育を受けてないと内視鏡一枚目は食道胃接合部なんて方もいてびっくりする
ことがあります。

いくら胃カメラだっていっても食道も見ようよ

とはいえ胃癌の6分の1くらいの症例しかないので胃より食道はおろそかに
なりがち

胃を一生懸命みて

それで癌を見落とさないコツですが

帰り道も食道をよく観察することです。

見落としポイントは食道胃接合部。 

それから下部食道の前壁 心臓のパカパカ動く所が行きでは見えにくいので
ここで内視鏡をぐるっと180度回してよく見てみましょう

NBIでもBLIでもLCIでもなんかまわりと違うぞ、血管途切れてるぞ、点々と血管密になっとるぞ

はい、そこで止まってよくみましょう

左主気管支の圧拝をこえて左壁に水貯まるとこあります。ここも要注意っす

さらに左主気管支 こいつがまたやっかいでNBIで陰になること、ここにも癌が隠れていることがある

抜いてきて大動脈弓の圧拝と左主気管支の間。ここはでっぱってへこんでまた出っ張って

ゆえに癌が隠れやすい、俺が癌ならあそこに隠れるな、ってとこです。 

胸部中部下部食道、日本人の食道癌の4分の3はそこに癌が出来ます

行きではさーっと通り過ぎるもよし、帰りに倍返し、ここで見落としたら大変だよ

そういう気持で,気を抜かない。

そして頸部食道

ココが一番の鬼門、行きよりも帰りで見つかることが多いです。

もう1cmぬいては写真とり

1cmぬいては写真とり

最後咽頭に抜けるまで気が抜けない

行きも帰りも観察しましょう









by kenzaburou41 | 2020-10-10 17:16 | 診断の達人たち | Comments(0)
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