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EMRのコツ

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東京医科歯科大学第一外科で井上晴洋先生(現昭和大学江東豊洲病院)
らが開発したEMR-C法
キャップ法

内視鏡の先端に「キャップ」(短い筒状の構造物)
をテープで巻きつけます

キャップの先端部には爪のような折り返しがついてます
大中小
病変の大きさに合わせて選択します。
EMRのコツ_b0180148_08143620.jpg

1)病変、もしくは病変外の粘膜吸引しやすいところで
粘膜にキャップを密着させます。

2)密着したところで鉗子口から輪投げのわっかを作るために
ワイヤー(スネア)を内視鏡の先端ちかくまでもっていきます。

3)内視鏡の吸引をかけてキャップの中に粘膜が球状になるように
引き込むと同時に、スネアを開いてわっかを作り、そのわっかを
うまく爪の部分にあてて、キャップの先端に装着します。

このわっかが最終的に粘膜を締め上げる根っこになります

4)わっかができたら、いよいよ本番。
< 1)の前に病変のマーキング、および生理食塩水を
粘膜下層に注射して粘膜のかさ上げを行っておきます>

5)マーキングを確認して吸引操作をおこないます。粘膜は肛門側が
たくさんひきこまれますので、少し手前から吸引をかけるのがコツです

6)いきなりキューっと吸うのではなく、少しづつ少しづつ吸引しては
解除をくりかえし、病変がど真ん中に来るようにして微調整
これが「職人」の技でございます。といっても吸引と解除を繰り返すだけ
ですが・・

7)ここでオッケーと思ったらフルサクション(小さい病変は小さく吸引)
して介助者にしめてー----っと声をかけ、一気にスネアを締めることで
ポリープ状になった粘膜の一番根っこが締まります

8)締まったら一度軽く緩めます。(筋層をかんでるといけないので
緩めて緊張がとれたらまたぐっと締め上げます=これはやらなくても
いいのですが、筋層かんでる=穴があく ですので少し緩めてすぐまた
締める、がいいと思ってます)

9)そんで通電して根元が切れて切除完了。キャップの中に病変を
引き込みながら回収します

10)一括切除できていたらキャップを外して内視鏡を挿入
出来ていなければもう一回入れて追加切除
孔があいてないか、チェック。止血を確認し、終了


幕内博康先生のオーバーチューブの中に引き込む方法
門馬久美子先生の2チャンネル法(鉗子で病変をつかんで切る方法)
の合わせて3つの方法がございます。

EMRを知らない先生も増えてきましたけど
残したい伝統です




by kenzaburou41 | 2022-06-25 08:02 | 内視鏡治療 | Comments(0)
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