カテゴリ:食道癌診断治療ガイドライン( 12 )

ヨードがきつい

昨日はこのブログをたよりにやってきた患者さんの
経鼻内視鏡検査で

「いつもは口からで完全に寝てやってます」

という方の「初経鼻」

いつもは気がついたら終わってますVS

実際に自分の目で食道や胃や咽頭がどんな状態かを見ていただく
という患者さんへの教育実習。

「Valsalvaも中咽頭反転法も初めてです」

という患者さん

反射もすごくきついと言われてます、というので恐る恐る
万が一のための血管ルートを確保しつつの内視鏡

でも反転法で舌根から舌尖までぐーっと見えたし
Valsalvaもめちゃめちゃうまくて食道入口部が筒抜け

「お上手ですよ〜」と声をかけながら食道へ

実体験では行きの食道は結構辛いのですっと胃に入って
前情報の「ピロリはいない、萎縮なし」によりこのかたは胃より
「口腔咽喉頭、食道をじっくり時間をかけるべき」と次なるいよいよ
の食道に備える。

「鼻大丈夫ですか?寝なくても大丈夫そうですね」と声をかけながら
検査が進み、「ちょっと画面見てみません?」

今日の検査楽だった、と言われるには1分1秒でも早く終わるのが
いいのだけれど

「自分の胃の中を検査を受けてる最中に実際みたのは初めてです」

という体験を通して、患者さんが「咽頭や食道、胃をきらずに一生を過ごせること」
のありがたみを感じていただく

かつ、「ああ、やっぱりこれだけお酒を飲むと食道さんはいたむんや、悪かったなあ〜食道」
と、体験してもらう

これこそ、経鼻内視鏡の真骨頂。

じゃあ最後食道しっかり見せてもらいますよと
念入りによく見て最後にヨード

「うちのヨードは世界で一番薄い濃度です、0.2%」

サーッと撒布して BLIやLCIでもわからない異常を
拾い上げる

患者さん曰く、「思ったよりキツかった、、、でもヨードは薄く
て全然前の病院と違いますね、あれ、濃度が濃いと後が辛いんですよ
全国的に1%なんですか、、どうしてみんな薄くしないんですか、、」

ご、、ご苦労様でした。


こういう生の声を実際にきいて、また明日の診療にいかす

これが鎮静してただ口からサーっと内視鏡いれて出してだと
何も生まれないわな、、あああのとき経口から経鼻にシフトして
よかった〜と2008年の口から内視鏡をやめたときのことを思い出す。


そうだこのブログはもともと2007年から始めてた、
今は完全に消去されてしまったけども

あの頃の熱い思いを知ってる患者さんで。


大変こちらも勉強になりました

また「経口より楽でかつ精密」を極めたいと思います

有難うございました


ぽちっとな

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by kenzaburou41 | 2016-07-20 07:01 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(1)

ガイドラインの先をいく

思えばこの10年

食道がんの治療は大きく変わった

ステージ
4食道癌にはケモラジ?

いやいやまず食道バイパスをおいて、ケモラジでしょう、最後に食道切除

だったり

頸部食道癌のCRT

いやいやまずValsalvaやって下咽頭への浸潤がないこと
確認して頸部食道切除でしょう

食道癌ESD後の局所再発に再ESD
いやいやEPがんならAPCで十分でしょう

全周ESD
いやいや計画的にESDして狭窄をまず回避しながら
病理結果みて治療方針決定でしょう


食道がんの術後スクリーニングに経口内視鏡
いやいや全体をトータルでみるならどうみても経鼻でしょう

食道がんの咽喉頭スクリーニングは耳鼻咽喉科にまかせる?
いやいやとても任せらせないでしょう 自前でやりなさい


数多くの、「困った時」の対策は
徐々にガイドライン信奉者に受け入れられ

新しいガイドライン作りに貢献する

そしていい治療法検査法が残っていく


いまある治療や検査法を疑え

ヒントはそこいらじゅうに隠れてる


ぽちっとな

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by kenzaburou41 | 2016-07-19 23:21 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

サンプリング

外科医が手術するT1a-MMってのは
0-Ⅰ 0-Ⅲ 辺縁隆起を伴う陥凹型食道がん
とか

どうみてもsmにしっかり入ってるやつとか

そういうのを多くいれると転移頻度はあがるし

逆に、内視鏡医がこれESDでいいでしょう、転移もないでしょう、
M2かとおもったらちょっとMMにタッチしてた
っていうのをたくさんいれたら転移頻度は下がります。


サンプリングを均等にしなきゃなんねえですが

本当は消化器外科のNCD登録のように、内視鏡治療やったMMも手術やったMM
もデータセンターに集めて解析したほうが、真の転移頻度がわかるだろうし

あ、この形だったら転移かなりの率ですよ、最初から手術ですよ


なんてのがわかるといいんですが。
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by kenzaburou41 | 2015-03-08 01:22 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

食道癌検診ガイドラインを作ろう

「胃癌検診ガイドライン」があるなら

「咽喉頭〜食道癌検診ガイドライン」を作らなきゃ
と思うのが食道専門家の思う所。

「食道癌診断治療ガイドライン」があるのに
「食道癌検診ガイドライン」は何故無いのだ??

幸い今年は胃癌撲滅元年ということでピロリ菌
の除菌治療が保険適応になったし

地方自治体も中学生や高校生の
ピロリ菌感染チェックを助成しはじめたというし

あと30年もすれば胃癌は日本から消滅し

胃癌検診ガイドラインすら、なにそれ??
若いうちに除菌してるから大丈夫だよ
ってことになる事は明白な未来予想。

そこで俄然注目されるのが咽喉頭食道癌。

今の所、胃癌に比べると少ないからって
胃のことしか考えてないお偉いさんはいうけれど

男性だと胃癌の死亡者32785人
口腔咽喉頭食道癌は15918人が年間亡くなっている

女性を含めると、胃癌で5万人が亡くなり、
口腔咽喉頭食道癌で2万人が亡くなっている

このままピロリ菌の除菌治療が進めば
この数字が変わってくるに違いないのだ。

バリウム検診はいつか辞める時期がくる

そして国民のニーズの高まりに応じ
口腔〜咽喉頭〜食道癌検診ガイドラインが
必要とされる時期がくるのだ。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-08-09 23:11 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

我が国の食道癌の現況

我が国の食道癌の現況

2002年の全国調査にようrと

男性:女性 6:1で男性に多く

年齢は60代、70代に好発し、全体の68%を占める

胸部中部食道が51%、胸部下部が24% 胸部上部が13%
腹部食道4.5% 頸部食道4%

組織型は扁平上皮癌が93%と圧倒的に多く腺癌は2.4%にすぎない

22.7%に悪性腫瘍の家族歴

食道癌症例の他臓器重複癌は同時、異時性をふくめて20%に認められる

胃癌、咽頭癌の順に多い。

我が国でバレット食道癌は増えているか?

食生活の欧米化やピロリ感染の減少により、食道腺癌が増える可能性
が議論されているものの、現在のところは増加の傾向は明らかではない



ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-03-16 13:14 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

ガイドライン

ガイドラインにそって治療するのは

食道癌の経験が少ない施設


食道癌の経験がたくさんある施設は

一筋縄ではいかない、いろんな問題をかかえた食道癌の患者さんに


ときにはガイドラインを超えて、いちばんこの患者さんが
ハッピーになると思われる治療を提供すること

それを積み重ねることで

ガイドラインがあたらしく作り変わる

ガイドラインを守るひとよりも、作る人になってほしい。


いいことをいいます、うちのボスは。
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by kenzaburou41 | 2013-03-02 00:23 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

根治的化学放射線治療の適応

2012年の食道癌
診療ガイドラインにおいて

根知的化学放射線治療の適応は?

まず、内視鏡で治りそうな病気は
内視鏡治療をやりますが、

施設によっては内視鏡治療が弱く
放射線に強い施設

内視鏡が強いけど手術はあまり、、
という施設

逆に手術がものすごく有名だけど
内視鏡がいまいちな施設

施設によって得手不得手があり

また、患者さんが最初にどの科を受診したか
によっても、薦められる治療法が異なる
こともあります。

大きい施設ほど、専門家が集まって
一人の患者さんをどの治療がベストかを
話し合う機会をもつ、科を横断して相談
する「キャンザーボード」なる話し合いの
場を設けることもできますが

食道癌自体はそう頻度が多い疾患では
ないので、各科にスペシャリストが
そろっている、というのはかなり恵まれた
施設です。

さて、どういう場合に抗がん剤と放射線を
使うか?

ガイドラインには内視鏡治療の適応となる
早期癌(T1aN0M0)
と遠隔転移を有する症例をのぞく全ての
症例で適応となりうる

と書いてあります。

我々外科医は

①内視鏡でいけそう
②内視鏡でいけそうだけど
内視鏡だけでは不十分かもしれない
③最初から手術をすすめましょう
④進行しすぎて、手術の適応はない

とだいたいこの4つの群にまず振り分けます

放射線と抗がん剤をまず考えるのは④です

①はまず内視鏡治療が選択されます

②は内視鏡治療の結果、癌が深く浸潤していた
など「転移の可能性がありそう」と判断して
「追加治療で手術を希望しなかったが、
厳重に何もしないで様子を見るよりも
何らかの治療を希望した方」が対象です

この場合は放射線をどの範囲に当てるかが
問題でして、一番頻度の多い#106
2番目に頻度の多い#3
リンパ節転移診断がうんと精密なら
いいのですが、食道癌の転移は3つの領域
に広範囲におよぶことを考えると
当てる範囲の狭い治療でいいか、
しかし広いと余計な照射をするわけで、、、
まだ解決されていない問題です。

③の場合で手術は嫌だ、でもそれに代わる
強力な癌根治治療を受けたい方

が対象になります。

さてその治療効果ですが

国内での臨床試験の結果では
ステージⅠで4年生存率80.5%

T4(局所が進行してとりきれない進行癌)
をのぞく、ステージⅡ、Ⅲで5年生存率
36.8%

所属リンパ節以外のリンパ節転移を
有するT4症例では3年生存率20%
前後


ガイドラインには

「内視鏡治療の適応となる
早期癌(T1aN0M0)
と遠隔転移を有する症例をのぞき
非外科的治療を希望する全身状態が
よい患者さんには根知的同時併用
化学放射線治療を強く勧める」


手術したくない人には
放射線と抗がん剤を勧めましょう

これで食道癌が治ってくれて、
副作用がすくなければベストですが、、、

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-08-13 00:56 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(2)

食道癌手術の歴史

食道は消化器の中でも手術がすごく大変
な臓器で

食道外科の手術の歴史をひもとくと、

1861年のビルロートの頸部食道切除(犬の実験)
に始まり~

人では1877年Czernyによる頸部食道癌切除

1913年Torekらが胸部食道癌切除、この患者さんは
13年間生存したとのことで、

これが本格的な食道外科の幕開け

日本では瀬尾、大澤らが1932年に始まり

でも手術死亡がめちゃめちゃ多く、しばらくは
危険な手術という位置づけ。

1950年中山恒明先生が手術死亡5%(胸壁前再建)
という好成績を報告、

しかしこのころの手術死亡16%! 5年生存はわずか12%
と非常に成績はよくなくて

さらに欧米で同時期の手術死亡は25%と非常に高率であった。

手術は2回か3回にわけて行うのが普通で
一回でつなぐ、ということはなかったそうであります。



患者さんが手術でなくなる、というのが比較的頻繁に
あった、

だからこそ、食道外科医はなんとかしなきゃ、

術後管理もひとたび手術があれば、家に帰るなんて
とんでもない、3-4日泊まり込みはあたりまえで
患者さんの痰をとったり、特に呼吸管理が大変だったそうです。


つづく


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-07-27 21:59 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(4)

推奨グレード

「食道癌診断治療ガイドライン」
は食道癌の治療経験の豊富な先生方が、
経験の少ない先生にこうしたほうがいいですよ

という指針を打ち出したものです

グレードがA~Dまであって

A 強い科学的根拠があり、行うように強く勧められる
B 科学的根拠があり行うよう勧められる
C1 科学的根拠はないが行うよう勧められる
C2 科学的には根拠がなく、行わないよう勧められる
D 無効性、あるいは害があることが科学的に根拠があり
行わないように勧められる


簡単にいうとAが「それ常識やん」
Dが「え、そんなことやっちゃいかんよ」

医者はだいたい、このガイドラインに
沿って治療しますが

治療法は同じステージでも
患者さんによってもまちまち
なのが食道癌治療の特徴ですので

経験のある先生はいくつかの方法
でどれがベストか,ベターかを
計りにかけて方針をたてます

ケン三郎はこんなこといってるけど
そんなこと違うんじゃない?

ということが時々あるのも、
治療に多様性があるという
特徴を示しています。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-07-27 08:00 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)

頸部食道癌の手術

頸部食道癌は、食道癌の中では頻度が少ない
のですが、内視鏡では食道に入ってすぐなので
入るときに見ないで通り過ぎる

抜く時もゆっくり抜かないと簡単に
見おとす所です

胃の観察が終わるとよく、内視鏡に
付いているサスリストさんが

「はいもうすぐ終わりですよ〜」

と声かけしますが

「いらん事言うな」な話で、
頸部食道を見る場合は胃から戻ってきて
じっくり観察する必要があります

一般的に早期発見が難しいので
進行癌で見つかることも多く

よってリンパ節転移もあって。
簡単に周囲臓器、とくに気管、甲状腺
などに浸潤しやすい

けれども転移している範囲は頸部にとどまっている
ことが多いので根治手術に回ることが多い

手術は口側が食道入口部にかからないものは
のどを残す手術が可能ですが、腫瘍が胸部食道に
伸展しているもの、下にもたくさん多発病変があるもの
などは頸,胸、腹までの食道を全部切除する

そうでなければ、頸部食道だけを切除し、
お腹から小腸の一部を持ってきて
それを栄養する動脈と静脈を近くを走っている
血管にそれぞれつなぎます。

ここで形成外科医が顕微鏡をつかって
うまーく血管を目にも見えない糸を
操って縫合しますと、腸に血流が
行き、消化管としてつながる、という
ことになります。


喉頭を残す手術と喉頭,咽頭、まで切除する
手術

なるべく機能は残したい、でも
癌をとりきならいわけにはいかない

ので喉頭を残せるかどうかの評価が必要
です。

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経鼻でValsalva法をつかって
口側にはがんが来てないぞ
ってことを良く見ておくと
参考になりますが

実際は手術のときに、「迅速病理診断」と
いって、口側のはじっこを顕微鏡でみてもらって
癌がいませんよ、と手術中に確認する
(ガイドライングレードB)、
すくなくとも粘膜面にいない事を確認する
のにヨード染色を行って、どこで切るのがよいか、
のどを残せるか?を判断します。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-07-27 07:49 | 食道癌診断治療ガイドライン | Comments(0)