カテゴリ:手術の合併症の話( 35 )

縫合不全

消化器外科学会に行ってきて
色々食道外科の先生の発表を聞いてきた。

気になったのは縫合不全率が施設によって
まちまちで

30%台ってとこもあれば

10−15%ってとこもあるし

ほぼ0ってとこもある

え、あの名医のいる施設が
なんでそんなにもれるの??

何が違うのか

そりゃあ胃管の作り方でしょう

細い胃管にすれば、距離は長くなるけど胃の壁内血流が切れちゃう

太い胃管にすれば、胃の壁内血流は使えるけど距離が短くなっちゃう

それを改善するには?

前庭部側は丸〜くカーブを描くように細く切って

上の方はなるべく胃の壁内血流を残すように太くしていき

先の方でカフを作ってさらに距離を稼ぎ

自動吻合器はカフから挿入する

それでがっちゃんと吻合し

盲端は2横指くらい開けて閉じる。

そうするとリーク率0.4%

ほとんどもれない。


ICG蛍光法やらサーモメーターなど
血流を測る機械が開発されてさらに
もれない工夫はされてるものの

胃管の作り方の基本を知らないとイかんです。






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by kenzaburou41 | 2017-07-21 23:46 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

術後1日目の内視鏡

昔は術後7日目に造影検査して、リークないことを確認して食事開始
だったけども

今は術後早期に内視鏡で胃管の色調みて考える

色が悪ければ慎重に見るし

よければパス通り

そもそも、リーク自体がほとんどないのがウリではあるものの。


危ない症例は未然にチェック



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by kenzaburou41 | 2017-06-18 23:41 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

ハイボリュームセンター

手術件数が少ない病院で食道がん手術を受けた患者の死亡率は、件数が多い病院で受けたケースに比べ2倍以上高いことが、日本食道学会研究班の全国調査でわかった。

 病院の診療チームの経験の差が影響したものとみられる。

 食道がんの手術は、近接する肺や心臓など重要な臓器を傷つけないように行う必要があり、難度が高い。体に大きな負担がかかり、手術後に呼吸に支障が出るなどの合併症も多い。

 調査は、国内のほぼ全ての外科手術が登録される大規模データベースから、2011~13年に行われた食道がん手術を抽出。約1000病院で行われた約1万6600件の手術を対象に分析したところ、手術後90日以内に死亡した患者の割合(死亡率)の全国平均は3・0%だった。

 病院の手術件数で見ると、年間30件以上の病院で行われた手術計約6100件の平均死亡率は1・8%だったが、5件未満の病院の手術計約3000件では平均4・7%と2・6倍の格差があった。

 死亡率は、手術件数が多い病院で行われるほど低くなる傾向がみられた。一方、調査期間に限ると、執刀医の手術件数による死亡率の差は見られなかった。

 調査に当たった岡部寛・大津市民病院外科診療部長は「手術技術のみならず、看護師など病院スタッフによる手術前後の患者ケアの熟練度が反映された結果と考えられる。手術を検討する患者は病院に治療実績を聞いたほうがいい」と話す。


「失礼ですけど先生は手術何件くらいされてますか?」

「先生は食道外科専門医をお持ちですか?」

ひや〜っ。 この上から目線の質問が世間に広まるかと思うと

心苦しい。。。。

ますますハイボリュームセンターに患者さんが集約化してしまう、、、

ぽちっとな


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by kenzaburou41 | 2017-03-16 22:46 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

縫合不全

縫合不全がおきたら

頸部吻合であれば頸が赤く腫れてきずを開ければ
唾液がでてくる

などでわかるけど

これが胸くう内吻合だと
胸のなかのフリースペースに消化液が流れ込み

それはそれは重篤な問題になる

痛み、呼吸苦、なんか変。

データーは朝は大丈夫でもCTで胸水が増え、
なぜかあるはずのないairが胸のなかに。

ん?これはなんか起きてるにちがいないと

頭を巡らし

まずは肺の血管がつまる肺梗塞を否定し

心筋梗塞を否定し

胸水を抜いて性状をしらべ

乳び胸がないか

濁ってないか

消化液がもれてないか

もれていたら適切な位置にドレーンをおき

胃菅内にもドレーンをおき

栄養状態をよくして、抗生剤を適切に使う。

外科手術は感染との戦いと

合併症をいかに早く見つけ
早く対応できるかの瞬発力。

たくさんの患者さんのなかから最重要の患者を選別し

適切な治療を最速で










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by kenzaburou41 | 2017-02-09 21:31 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

後出血

食道の手術

扱う領域が首、胸、腹と3つの領域に及ぶので

どこも気をぬけない

当たり前のように手術をして
いろいろ合併症は起こすけどもなんとか
回復して乗り切って無事に退院する

いろいろ怖い合併症ありますよ
と話しても、大抵の問題はクリアして元気になる


しかしながら、
術当日の夜に出血がおき、あれよあれよと
ショック状態に陥るという危険もはらんでいる
のが食道の手術。

胸を閉じるときは、時間がいくらかかってもいいから
じっくり入念に血が出てないことを確認する

ここをおそろかにすると
いっときの気の緩みが一生の後悔を生むことにも
なりかねん

「食道の手術」がうまくいくには
慎重に行くところは慎重に
簡単にできるところは簡単に

緩急自在であることと

ここぞというときのリカバリーショットを打てること


気合ですわ


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2016-08-23 23:17 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

穿孔

食道がん内視鏡治療の穿孔

絶飲食を守り、ときに鼻管を入れ減圧し、IVH管理

「どれくらいで治るんでしょうか」と
きかれたら

2週間かかることを治療の前から話しておく。

「1週間で治ります」というと 1週間で治らないときに
患者さんの不平不満は増強する

これが2週間かかると話しておいて
1週間で治らないときは、まあそういうものだろう
と思うし

かりに1週間や10日で治ったら、
なんだかこっちもうれしくなって
早く治ってくれてホッとする。

合併症がおきたときこそ信頼関係。

今が辛抱のしどころ、がんばりましょう〜


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2016-03-16 23:04 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

胃管気管ろう

外科専門医試験過去問

胃管気管ろうは、後縦隔再建後に認める重篤な合併症である

⚪️? ❌?

答えは〜

⚪️

食道癌の手術後の再建ルートですが


皮膚の下、胸板の下、それから背骨の前

おもに3つ。

もともと食道があった場所に胃を細長い管に
して持ち上げるのが「後縦隔再建」で。

生理的な形に近い、ということで好んで
用いられる施設もございます。

がしか〜し

胃管壊死や、縫合不全、胃管潰瘍など

持ち上げた胃に関するトラブルが起きた場合に
はその腹側にある気管にまで影響が及ぶことも
あり。

胃管気管ろうは、もっとも避けたい合併症の1つ。

「後縦隔再建の1%に胃管気管ろうを認めた」
ともいわれており

縫合不全率が高い施設ではあまり
お勧めではない再建ルートかと
思われます。


さあまた勉強するぞ!


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2016-01-06 22:39 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

術後1日目の内視鏡

食道の手術後1日目

内視鏡で声帯の動きをみたり

吻合部をみたり

胃管の色調をみて、虚血やうっ血がないかを
確認し、縫合不全や胃管壊死がないかの予測を
行う

いまや当科では当たり前にやってますが


まだまだ、術後の縫合不全の有無は
術後透視で診断してます、
っていう施設が大多数で


経鼻内視鏡はそういう状況においても
有効活用できるのに
知らない先生が多い

いままでの非常識を
どうやって常識に変えていくか


普及活動はつづくんですわ


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-11-26 23:51 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

縫合不全に拡張術

名古屋の内視鏡学会参加中のケン三郎。

食道癌の術後合併症、縫合不全。

縫合不全に吻合部狭窄が伴っていることがあって
透視をすると、穴が開いた瘻孔のほうに造影剤が
たまる

これではいくら待っても治らん

っていうわけで、せまくなった吻合部を拡張すると
早く治りますよ

っていう発表がありまして。

たしかに吻合部を広げると、穴のほうより、真の通過ルート
のほうに圧が逃げるので

瘻孔は狭くなり、治る方向に向かう。


なるほど~


あんまり経験はしたくないけど避けては通れない縫合不全。


起きても早く治ります、これはいいぞ~

めもめも~
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by kenzaburou41 | 2015-05-29 22:18 | 手術の合併症の話 | Comments(1)

合併症を0に

外科合併症カンファレンス

毎週、合併症が起きた症例を検討し
なぜ問題が起きたか、その対応は?

などを検討する会。

食道癌の手術は特にいろいろ問題がおきる

起きるけど起きるのは想定内で

稀に想定外のことが起きる

他の病院ではこれ手術は難しんじゃない??

という病気

たとえばサルベージ手術

ケモラジ後に再燃しました、もう手術しかありません

という状況で


合併症が起きる可能性も高いけど、ここで
外科医が頑張れば、元気になる可能性も残されている

しかし、合併症がおきればそれが死に至ることもあり

結果だけをみてマスコミにたたかれ
「どうしてこんな危ない治療をしたのか」

と責められるとなれば

ああ、リスクが高いですし、
手術できません、残念ですが治る手立てはありません

サルベージ手術はよそへ行って下さい

という外科医が増えてしまう

助かるかどうかの瀬戸際にいる患者さんにとっては
外科医が頑張るかどうかにかかっていて

あまりに報道が手術=悪
と偏ってしまうのもどうか。。


厳しいご時世だけど

全国の食道外科医のみなさん

熱いハートでがんばろう、


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-03-25 22:59 | 手術の合併症の話 | Comments(0)