カテゴリ:術後管理( 7 )

術後の反回神経麻痺

術後の合併症について正しいものを選べ

(外科専門医過去問)

反回神経麻痺の診断には嚥下造影が有用である

こたえ



こたえは正しいのですが、、、

(解説)

手術操作、特に反回神経周囲のリンパ節郭清に起因して
反回神経麻痺、声帯麻痺が生じる

その程度に応じて嗄声、誤嚥、切迫窒息、肺炎等の
症状が出現するが

直接的かつ客観的な唯一の診断法は
喉頭鏡による声帯観察である




いえいえ、経鼻内視鏡で声帯観察も
吻合部観察もできますよ

術後1日目から内視鏡やっても
問題ないですよ

むしろ吻合部や胃管の色調を直接的
かつ客観的に評価できますから
術後早期の合併症対策に有用ですよ

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2016-01-10 21:21 | 術後管理 | Comments(0)

感染対策

食道外科手術は肺炎との勝負
であり、感染症との戦い

集中治療部でのケア次第で
大きく変わるかもしれないので

徹底的な感染対策が必要

外科学会でその道のプロの講演を聞いてきた。

食道外科、胃外科、大腸外科が
集う病棟

病棟単位で感染に起因する菌が変化するので
それを横断的に監視する、感染対策委員が必要

気管内挿管

挿管チューブは気道に直接入るもの

清潔操作で渡さなければならない

喉頭鏡も、無造作に救急カートに
入っているが、喉頭鏡こそ喉頭蓋に
あたるものだからも、これも滅菌して
おく?

院内感染を防ぐ対策を十分に立て

ルールを作り、それを皆で共有する

MRSAは腎障害を考えてバンコマイシンを
ファーストチョイスとしない

などなど


敗血症ガイドラインも日に日にアップデイトされてて
勉強せねばとりのこされちまう

ああそういう視点もあるのかと

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-04-19 22:08 | 術後管理 | Comments(0)

胃瘻の声

胃瘻を作った患者さんの声


自分と同じ悩みを持つ患者さんやご家族に、
PEGを正しく理解して生活に役立ててほしいという善意から寄せられたメッセージだそうです。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-09-18 21:02 | 術後管理 | Comments(0)

光療法によるせん妄対策

術後に集中治療室に入った患者さんの
多くは
「うるさくて眠れやしない
チューブにつなげられて生きた心地がしなかった
もう2度と行きたくない
大暴れしたらしいけど覚えていない」

と日常から急に非日常的な
環境に置かれて「せん妄」を引き起こす事があります。

認知症患者のせん妄や睡眠障害にたいして
光を使った治療が有用であることが報告されて
おり

厚生労働省の委託研究で作成された書籍「睡眠障害の対応と治療ガイドライン」( 睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会、じほう)によると、「睡眠障害の原因の1つに生体リズムの乱れがあるが、これは概日リズム睡眠障害の患者だけに限らない。生体リズムの同調因子は多数あるが、光が最も強力である。 」と明記されています。また、高照度光療法は1980年代から知られており、1990年代以降は認知症の方の昼夜逆転・せん妄にも効果を発揮することが多くの文献により報告されています。


これを食道癌の術後急性期にも
応用しようという試みが
集中治療部で行われております。

大型の人工照明を朝7時半から9時半までの
2時間にわたり目の前で約5000ルクスの照度条件で
抜管後から3日間実施。


すると光を与えた方が術後3日目の
せん妄のレベルが有意に低かった、
と報告されてまして

患者さんが「朝起きて夜は寝る」
というリズムを作れない、睡眠の回復が
遅れるかたは術後の身体的回復にも
時間がかかり、より重篤になるという
報告もあります


朝はまぶしい日の光でめざめる

そんな当たり前の環境を整備して
あげることが重要なのだ。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-03-30 23:32 | 術後管理 | Comments(0)

ARDSの呼吸管理

気管食道科学会は
耳鼻科医がほとんど
呼吸器内科医
食道外科医

が母体、食道咽頭の内視鏡治療をする消化器内科医が
入ればもっといろんな議論ができるのに

でも普段聞けない呼吸器内科医の
話も聞けてかなりためになるんですわ

今日は呼吸器内科の先生のARDSの
講演があって

「ARDSの新しい概念」っつーことで
聞いて来たんですわ

ARDSといえば、記憶に新しいのが
中村勘三郎さん

「食道癌の手術=怖い」
ってイメージをつけてしまった
けども、おそらくいろんな事情があって
の結果ですわ

この定義も最近ベルリン基準
というものに変わったらしく。

「発症から1週間以内、
R/F ratioが300−200を軽症
200−100を中等症
100以下を重症

X線で両側の肺浸潤影、心不全や
結核、ニューモシスチスは胃炎、急性好酸球性肺炎、
びまん性肺胞出血等の他の疾患を否定

急性肺障害(ALI)という定義はなくなった。

1980年代、ARDSの治療に
ステロイドパルスが盛んに行われたが
今のコンセンサスは逆に予後を悪くするので
ステロイドパルスは行うべきではない。

有効だと確認されたのは
低一回換気による「肺保護的人工呼吸」のみ

この保護的換気というのは
ARDSになると、潰れた肺には空気が
送られず、健常な肺にたくさんの
空気が送られるために、いいほうの肺も
過膨張してしまう

さらにPEEPをかけないと、肺が虚脱
してしまう

ということで、換気量をふやせばいいって
わけではないことが判明し、

一回換気量を6ml/kg(すくなっ!)程度にして
PEEPは10以上かけて、最大級気圧30以下、
PCO2が溜まるのは大目に見る(80くらいまで)

っつう、ちょっとふくらませてちょっとへこませる
って人工呼吸,low tidal volume+PEEPがいいそうだ。

これにいわゆる逆CPAPであるAPRVや
BiPAPなども有効。
軽症のARDSにはNIPPV(非侵襲的陽圧換気)が有効

さらにさらに、食道癌の術式で最近
注目を浴びている腹這い。

腹這いの人工呼吸、体位変換が大変だけども

ARDSはたいてい背中側の換気が悪くなるので
その換気の不均衡を改善させるには
腹這いがいいとのこと。

ARDS発症早期からやる
1日16時間以上やる
prone position+低一回換気人工呼吸を
専門施設にかぎってやったところ、
背臥位よりも予後が向上したとのこと。

ARDSは鑑別が重要だから
発症時にCTをとる、
さらに気管支肺胞洗浄(BAL)を積極的に行うべき
だとのこと。へえ〜っ。

知らなんだ〜ッ

また「ARDSは集中治療専門医が
治療にあたるのがよく、
ECMO(膜型人工肺)やPMX等の専門治療が
出来る施設にできるだけ早い段階で
送ってもよい、とのこと。



食道癌術後も残念ながらARDSを
発症する方がいて、
ひとたび発症すると死亡率も高い
のですが,懸命にケアをしても
悪化する事があり。

「昨日まで元気だった人が急変」
もあります。

食道癌の手術、昔は半分の方が亡くなった
のが今、全国的にようやく在院死亡3%まで改善
した所。

術前,生還するのが当然、と皆信じて
手術に望むのですが
回復困難なARDSも極稀に経験します。

術前にはご家族とよく話し合って
「もし万が一のことがあったら」
を決めておく。

生還のためにやっておくべきは

禁煙とはみがき、歯科受診
による歯石歯垢除去。

呼吸訓練を真面目にやること。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-11-01 22:56 | 術後管理 | Comments(0)

栄養

栄養

栄養は大事。

食道癌の患者さんは低栄養になりがち

腸をつかって免疫機能を維持し

それが予後にもつながる


栄養は医者まかせにせず

看護師、栄養士さんがしっかり評価して適切な栄養の組み立てをする
チームでたたかう患者さんをサポートする


食道外科っておもえばいろんな分野とつながってて


診断、治療、栄養、周術期管理、
抗がん剤、放射線、頭頸部、
緩和、いろいろ


ひとつのことを始めたら

続けていくとまたその先に道が開ける
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by kenzaburou41 | 2013-03-28 00:20 | 術後管理 | Comments(0)

直ちに否定しなければならない合併症

術後の合併症のうち、状態の悪化がみられたり
悪化が危惧される発熱などがあったにも関わらず
原因がよくわからないときどうするか?

放置してしまうと取り返しのつかない
生命にかかわるような合併症を早く
みつける必要があり、それに応じた
対策をこうじる必要があります


縫合不全、とくに胸腔内吻合で縫合不全が
生じた場合は致死的な状況=膿胸から
敗血症に陥る可能性。

ドレーンを入れる、膿みを外に出す、
といった処置を出来るだけ早く行う必要があります

熱がでる=カテーテルの感染もまた気付かないと
怖い合併症です。速やかに疑わしい場合は抜きましょう

MRSA肺炎、腸炎=これも朝元気だった人が
急に夕方にはショック状態になるという怖い
感染症です。

心不全=肺梗塞、心筋梗塞、心タンポナーデ
これらは起きる確率は非常に低いのですが
0ではない、確率の低い合併症をいかに
あたまの片隅におけるか?

今何が起きていて、これから起きる最悪の結果
はなにかを常に考えて、先回りして手を打つ。

合併症はなるべくなら0に近い
方がいいのですが

いろいろな合併症を経験して
克服してまた医師は強くなる。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-27 00:36 | 術後管理 | Comments(0)