カテゴリ:食道の解剖( 6 )

なぜ食道がんが怖いのか

食道癌は同じ消化管癌のなかで胃や大腸とくらべてリンパ節転移がおこりやすい
ことがしられていまして。

食道粘膜下層癌の転移頻度、JCOG0502付随研究。

m1−2で0%
m3で9%
sm1で16%
sm2で35%
sm3で62%

驚くことに1985−2001年までの当科の成績

m1−m2で0%
m3で8%
sm1で13%
sm2で35%
sm3で65%
とほぼ同じ、そらそうか。

胃癌だとsm癌で20%の転移(分化型15.6%,未分化20.8%)、
大腸癌だと10%(結腸9.1%,直腸11%)

なんで食道の粘膜下層浸潤癌は胃や大腸の進行癌に匹敵する!

こわっ。

かつ胸部中部食道癌は首胸腹の3領域に転移するから
ほんとに内視鏡+抗がん剤+狭い範囲の放射線照射で治るのか?

って疑問が生じ。

腫瘍の上下3cmでいいか。

それとも広範にあてるのがいいのか。










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by kenzaburou41 | 2016-09-03 08:09 | 食道の解剖 | Comments(0)

なぜ大手術になるのか?

食道がんの手術がなぜ大手術になるのか?

開胸にしろ

胸腔鏡手術にしろ

やってることは食道切除+首胸腹のリンパ節郭清
だから大手術には変わりない

なんだよ~2cmくらいの大きさの癌だってーのに
なんでまた頸だの胸だのおなかだの切り刻むんだ!

そう思われるかたも少なくないと思います。

悪い所をとって、その間をつなげればいいじゃねえか

大腸がんなんかはそういうことができるんですが

食道がんはそういうわけにはいきません。

なぜか。

大腸は栄養している血管が、長い。
食道は極めて短い

この違いです。

血管が長ければ長いほど、その向こう側で弧を描いていれば
その弧の一部を切っても、扇子をたたむようにしてつなぐことができる。

ところが食道がんの場合、大動脈から直接短い血管を通して
栄養を受けています

よって扇子をたたむようにしようとしても血管が
短くて届かない=縫ってもつながらない、か、届かない

よって、食道は、正常部分を含めて
進行がんだろうが粘膜下層癌だろうが、
手術は大規模に食道を亜全摘し、
一般的には胃を首まで吊りあげる手術になります。

だから大変で。

内視鏡ですむのか、手術になるのかは大違い。

口を酸っぱくしていいますけど

定年になったら、自分の健康にお金を使いましょう
けちって無料のバリウム検診を受けてないで
人間ドックで内視鏡検査をうけましょう

うけましょうというか受けに来てくださいっ~

って。

個人事業者ならそういえますけど
雇われの身ですと、商売はできんとです。

いやいや、もう押しかけて行きたい気分ですよ
正直。

知らないなら無理やり教えてあげたい

駅前の募金活動みたいに

「みなさん、お酒のんで顔赤くなってそれでも
酒飲んでるかた~いませんか~、飲み続けると
食道癌や咽頭癌になる可能性が高いですよ~
なってから時間もお金かかって大変になるより
なる前の自分に投資しましょう」

50代に啓蒙ですよ

いつまでもうまい酒飲みたいなら
検査受けろっつーの。

JRA馬券売り場に行って
知ってる?知ってる?
馬に金かけてる場合?

もし儲かったら、検査受けてみない?

出張 経鼻内視鏡ですよ

あ~TVがそういう先進的なことやんないかな~

なんとJRA馬券売り場でこんなに
食道癌予備群の方が見つかりましたって。

いつまでも「検診受けましょう」じゃあ
何にも変わんね~ッス

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-05-10 00:30 | 食道の解剖 | Comments(0)

食道粘膜下層の厚さ

食道癌内視鏡治療の相対適応、SM1

手術材料だと粘膜下層を3等分して
上3分のⅠまでがSM1

ESDEMR標本だと、筋層までとらないので
3分のⅠがどこか分からないから粘膜筋板
からどれくらい深いかを計って
決める。これが200μmまでがSM1。

どうやってきめたかというと
食道切除検体の粘膜下層の厚みを計ると
600μm程度だったので
その3分のⅠが200ということで
決まったらしく

しかし粘膜下層の厚みは
食道腺のあるところとない所で
厚さが違うとされ。

食道腺ありのところだと過去の報告では
923μm±341
食道腺なしだと
640±287μm

そのほかにも720だった、600だった
といくつか報告がある

ってことは、900の3分のⅠ、300
はESDだとSM2

手術検体だとSM1

まさにこの辺のことが診断がすごく難しい

拡大内視鏡でSM1とSM2の区別が
つくのか?

が現在の臨床の課題であり

場所によってもSM層に
ばらつきがある

一般的にはこう読むんだけど
粘膜筋板がめちゃくちゃ頑張ってMMどまり
とか

めっちゃくちゃ浅そうだけど筋板が
あっけなく突破されててSM2とか


100%診断できるほうがおかしいわけで

多様な病気と,臨機応変に向き合う
ってのが正解のようでございます


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-02-11 22:09 | 食道の解剖 | Comments(0)

食道壁内の血管系

1994年の気管食道学会認定医大会は
遠藤光夫教授が会長を勤め、そのテキストが
なぜかうちに残ってて。

そのページをぱらぱらと眺めて

「食道の解剖」ってとこの解説がありまして。

食道壁内の血管について。

頸部食道は下甲状腺動脈で栄養され

胸部食道は気管分岐部のやや下方を境として
上部はおもに気管支動脈の食道枝から

下部は大動脈の直接枝である固有食道動脈、
肋間動脈の枝によって栄養されている

腹部食道は左胃動脈、あるいは左下横隔動脈により
栄養される

食道外壁に達した食道枝は外膜内に分布する毛細血管
網への枝をだしたあと、分岐して外縦筋層を貫き
内輪筋層との間で疎な動脈網を形成する。

これから出た動脈は内輪筋に小枝を出しながら
これを貫いて粘膜下層に入る

粘膜下層では動脈が互いに吻合して長軸方向に網目の
のびた不規則な動脈網を形成する

さらにこの動脈から多数の小動脈がのび、
粘膜筋板をつらぬいたあとに、粘膜固有層に
はいり、数枝に分かれて細かく毛細血管網を
形成する

この長軸方向に伸びた毛細血管網からは
多数の毛細血管が上皮直下にわたって延び、
乳頭の先端まで達している

静脈系毛細血管は集合して細静脈となって固有層
内を等間隔で縦走する血管網を形成する

この血管網からでる静脈は粘膜筋版をつらぬき
粘膜下層で静脈網を形成し、近隣のものと
合流しながら筋層を貫き、外膜に至る


b0180148_2321791.jpg



どれが動脈??


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-08-01 23:04 | 食道の解剖 | Comments(0)

胃癌より食道癌

消化管の管腔は内側から
粘膜,筋層、しょう膜(外膜)の3層
構造になっています

食道は頸,胸、腹と3つの領域に縦に
長く25cmの長さの臓器でリンパの
流れはこれら各領域のリンパ節と
関連しています

食道は胃、腸とちがって表層は
重層扁平上皮で覆われており、粘膜
固有層にもリンパ管が豊富です

胃癌の場合は胃粘膜の上層(粘膜固有層表層)
にはリンパ管が極めて少ないので内側から発生
した癌は管腔の深部方向に向かいます

よって内側から浸潤が深まるにつれて
リンパ行性の転移が高まります

ところが食道癌では深さが浅いものでも
リンパ行性に転移しやすい特徴があります

人の食道におけるリンパの流れは縦方向では
横方向の6倍もおおく流れるとされています。

深部方向では粘膜筋版(MM)がバリアとして
発達しているので粘膜固有層内のリンパ管は
縦方向にながれるリンパ管にのって転移を
きたしやすい

よって食道癌はMMでも10%程度の転移が
起きる、胃癌や大腸がんの粘膜下層癌に
匹敵する危なさ、と言われております



なるほど〜6倍もあるのかあ、、、

と勉強した次第でございます。

SM2にESDして
放射線あてて、といっても縦方向に
ひろがっていくわけだから、、
ホントにその照射範囲で大丈夫??

あとからその範囲のぎりぎりのところで
癌が再発することない?

てよく考えねば.


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-07-26 07:36 | 食道の解剖 | Comments(0)

通過障害

食道に入った食べ物は
食道の蠕動運動によって
胃の方へ落ちて行きます。

食道の蠕動は一次蠕動と2次蠕動があり

一次蠕動は延髄の嚥下中枢を介して発生し食道を
上部から下部にむかって順次収縮させる

この蠕動波は上部において急速に新講師、下部食道
では比較的緩やかに進行する

二次蠕動は食道内に残された食塊にたいして
局所的に起きる蠕動で一次蠕動が
飲みこみとして感じられるのに対し
2次蠕動は無意識に進行する


食道に入って胃に到達するまで
8〜20秒程度といわれている!

大食い、早食いの時って食道って
どうなってるんやろうか?

思えば、生きている限り食べ物が
通って行くわけで

そりゃあ年とって何回も何回も蠕動
していれば、表面が影響うけるのも
分かる話で

「食道をいたわらねば」


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-27 00:11 | 食道の解剖 | Comments(0)