カテゴリ:小ボスの外来診療マニュアル( 3 )

体重を測る

食道癌の患者さんの術後

健康のバロメーターは「体重」で

術後の患者さんはどんな患者さんでも体重がまず減ります。
胃管再建例では1回の食事量は術前の半分が普通です.

「時間が経っているのにお茶碗半分がやっとですよ」
と嘆く患者さんもいらっしゃいますが、 胃の容量は
ちいさいままですし、胃は永久に大きくなることはありません。



無理にたくさん食べるとたちまち下痢したり(ところてん方式),
喉から落ちていかないで「おえっ」とはき出してしまうことがあり

ですので、

体に必須のタンパク質に富む副食を主にたくさん採って
主食(炭水化物)は副(おまけ)と考えましょう

一度に入る食事量がへるわけですので
回数を多くして対応するのがよい対策法です

「先生、しょっちゅう食べていて食べるのが仕事のようです」

毎食事どきには副食を摂って,間食として炭水化物の多い物
(おにぎり,煎餅,スナック菓子,饅頭など)を摂るようにしましょう


熱いもの(常識の範囲で)や辛いものは食道炎を悪化させる
ことや、新しく咽頭癌ができたりする増悪因子になるので、なるべく控える。
とくに夜間にすっぱいのが喉に上がってきてひりひりするような
ときは「逆流性食道炎」を起こしている可能性がたかいです


間食は必須ですが,寝る直前に食べるのは厳禁、
食べてすぐ横になるのも良くありません、なるべく
食べて1時間は体を起こして生活しましょう

術後早期はなかなか食べられませんので、補助栄養として
「経腸栄養」をやる施設が少なくありません。

縫合不全がおきて、消化管になにもものを通せないとなると
免疫を担う小腸の粘膜が萎縮し、感染を引き起こしやすく
なりますので、「腸にものを流しておく」こと
が重要です。


在宅経腸栄養を術後3カ月程度継続する。

(これも個人差があり、食べられる方は1-2ヶ月でやめる方もいらっしゃいます。

50代でまだ働き盛り、というかたは
昼はお仕事して夜間滴下しながら寝て朝終了するというのでOKです。

必ずしもきっちりやる必要はありません。
1日2パックが目標ですが、一日おきにしたり、口からはいれば減らす、
夏場暑い時期で、脱水だったら増やすなど自己調節してかまいません。

ご自身のお食事ですので、好きに調整です、
時にチューブが詰まることがありますので、終わったらよく
チューブ内を洗いながしておきましょう。


体重は最も簡便かつ包括的な全身状態の指標です.

毎週一回条件を決めて測定しましょう(起床時)。

術後患者さんの体重は標準体重より少ないのが普通で,
-10%程度までなら許容範囲でしょう.

術後3カ月までは減少し,その後安定しますが,
増加に転じるには2年以上かかります.

その間前述のように再発や誤嚥性肺炎などの合併症があれば
たちまち減少します.冬場はとくにちょっとした風邪が
命取り、肺炎には十分注意が必要です



「ゆっくりよくかんで、時間をかけて慣らしていく」



ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-04-30 19:02 | 小ボスの外来診療マニュアル | Comments(0)

ゆっくりたべる

食道癌の手術後
どんなことに注意が必要でしょうか?


吸収の早い糖分・炭水化物を一度にたくさんとると、冷や汗をかいたり嘔吐したり
することがあります。しばらく横になって休むなどの休息を取る必要があります。

主食(とくに麺類は最初は難しいです)を控えて吸収のゆっくりした
、たんぱく質や脂肪分を大目にとるようにしてください。


初めのうちは食事してすぐに下痢することが少なくありません、
徐々に食べ方になれる(大食い、早食い禁止)必要があります。

ワカメなどの海藻類やキノコ、しめじなどの消化の悪いものは、はじめは控えた方がよいです。

午後4時頃の脱力感は低血糖発作によるものの事が多いのでその場合は、
速やかに糖分を補給しないと脳に重篤な障害を生じることがあります。

食事をゆっくり取る事を心がけ、食後2時間くらいして脱力感、手足のしびれなどの
低血糖症状がおきたらすぐに飴やキャンディーが取れるように外出の
ときにも持ち合わせておくのが必要です。

おばちゃんの飴です、ぽけっとにいつもしのばせて、、

食間におやつをたべるなど間食の習慣をつけるのもよいでしょう。

自分の体の作りが大きく代わったのを頭がそれを認識していない部分
があり、体力をつけようと無理に食べるとダンピングを起こして一日中
ぐったりということも少なくないようです。


「俺は元気だ、手術前と変わらないだろう?」とがんばりすぎない
ことが大事です。


十分に心とからだが一致するまで3年くらいかかると言われていますので、
焦らずにゆっくりと慣れていくしかありません。

食事の運搬作業していた食道がなくなり
そこにもともと消化の中心であった胃が(小腸、大腸)
その代わりをしています。

胃はのこっているのですが「運搬+消化」の2つの重責を
担うわけです、どこかでそれを補わないと体がこたえます。


胃が細くなった以上、それを代用するためには
細かく食べたものを粉砕し、下に送り込む必要があります。

良くかまないと食道と胃のつなぎ目に食べ物が引っかかり苦しくなります。

よって良くかんで食べる事が重要です。
入れ歯があわずに良くかめないのは術後の回復にとって
致命的ですので、早急に歯医者で良く咀嚼できるような環境を整えましょう。


毎食ごとの歯磨きは肺炎予防に重要です。
欠かさずに生活を整えましょう。
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by kenzaburou41 | 2013-04-28 16:06 | 小ボスの外来診療マニュアル | Comments(0)

食道癌術後マニュアル

術直後,退院してからは栄養チューブが詰まったり
食事が食べられない、吻合部が狭くなった、ダンピング
を起こした、寝ると明け方に喉に苦い水が上がって来た

などなど様々な愁訴が現れます

2年くらいたつと訴えが減り、その後は
再発がなければ元気になります

脳が細くなった胃になれるまで約3年
かかるといわれていて、それまでは
食べる量、スピードがなかなか安定せず
「わかっちゃいるけど気付かないうちに
早く食べてしまった、よく噛まないで
のみこんだら,詰まって大変だった」

などの症状を時々起こします。

再発ですが、だいたい1年以内に起きること
がおおいです

早い人だと術後3ヶ月目のCTで既に
転移がわかることもあります。

1年以内の訴えの増加は再発の現れ
のことが少なくないので要注意です。

リンパ節転移がなかった症例が転移再発を
来す事は稀ですが

転移リンパ節が多いほど再発しやすく
また
1個でもものすごくでかいリンパ節転移
のあった方や

頸、胸、腹の3つの領域に転移がおよんでいた
かたは再発が起き易いため、要注意です

しかしながら、術後の抗がん剤は再発時期を
送らせるものの、再発を防止できる、とはいえない

また、最終的に長生き出来たかというと、
術後化学療法の有無で生存期間が変わらない

ということもわかっており

これにいまでは術前に抗がん剤をやる
ケースが増えていて

術前もあんまり効かなかった、
という方でリンパ節転移がたくさんあった
方に次の抗がん剤がホントに期待出来るか

というとこれまた難しく

再発を早い段階でみつけて
出来る限りの対策を個別に考える

もちろん手術時にしっかり目に見える癌を
体外に摘出しておくことが大前提です


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2013-04-21 23:47 | 小ボスの外来診療マニュアル | Comments(0)