カテゴリ:ELPSでのどを守る( 46 )

ロボット手術

学会に行って来たおさらい。

頭頸部外科領域の経口的切除といえばロボットを使ったTORS

今話題のダビンチを使った手術で、術者は患者さんから離れたところで操作し
ロボットがその動きを真似て口腔内で手を自在に動かし、癌を切除する。

食道のような広い範囲の手術には全然向かないし、コストの無駄だと思うけど

咽頭や前立腺などの狭い範囲では役に立つ

特に欧米ではHPV感染を原因とした頭頸部癌が多く、その治療法も
ロボット手術がかなり普及しているという。

さらにはアメリカでは睡眠時無呼吸症候群への舌根切除術などが適応となっているとか。

最新のガイドラインではT3,T4といった進行癌にも適応されてるっていうから
消化器内視鏡医が「内視鏡治療の適応は、、」なんて言ってるのをあざ笑うかの
ように適応がドンドン拡がってます。

拡大内視鏡で深達度診断しててもな〜んの意味もない。

海外で内視鏡治療といえばTORSのことを指し、

昔T1T2は6割手術、4割放射線治療だったのが今8割が手術、2割が放射線へと
治療がシフトして来ているという。

しかし日本ではまだダビンチ手術は試験段階の治療であり

ESDやELPS,TOVSなど日本独自の負担の軽い治療が普及している中で
TORSが入り込める余地があるかどうか、、、

さらに新しいダビンチシステムが入って、かなり狭い部分でも
取りに行けることがわかって来ると

「消化器内視鏡医の助けなんかいらないもん、俺たちだけで十分だもんね〜」

っていう頭頸部外科医がたくさん出て来てしまうかも。。。

いやいや、この領域、やっぱり消化器の先生を味方につけていた
方が絶対いいって。

食道に病変が浸潤している部分を切るのは消化器内視鏡が得意だし
簡単だもの

臨機応変に使ってもらわないと患者さんに迷惑っ!

てな訳で、robot手術かあ

ケン三郎もかじって見たいわ〜


















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by kenzaburou41 | 2017-06-19 23:50 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

経口的切除、喉頭温存

頭頸部癌学会に参加してきまして

食道癌患者さんには咽頭癌がよくみつかる

だから我々耳鼻科医は食道癌を扱う消化器外科の先生と
連携して耳鼻科領域の診察をする

また耳鼻科の内視鏡では見つからないごく早期の
ものもあるので消化器内科とも連携する

そういう発表が聞かれるようになり

うれしい限りです

全国に少しづつ、ELPSやTOVSが広まって

「内視鏡治療の適応は」

って言ってる消化器屋さんがびっくりするほど、積極的に
頭頸部外科医はチャレンジしてまして

世の流れか、だってこれで治ってんだもん、いいじゃないか。

そうです、食道癌と違い、3領域も郭清しないし

1領域郭清です

照射も効きます

予防的な手術しなくても、転移が判ってからの治療でも間に合います

そういう環境だから、

リンパ節転移があっても局所がちいさいのはELPSで取ってます

っていうのもなんだかありのような風潮で。

いやいやこの業界の目覚ましい進歩を目の当たりにして

そのど真ん中にいることが嬉しいのです

今日はローマに出発して、日本の頭頸部領域へのELPS,ESD、経鼻内視鏡診断を20分
しゃべってまいります〜

がんばっぺ














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by kenzaburou41 | 2017-06-10 06:34 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

第18回頭頸部表在癌研究会

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告知です。

7月1日土曜日 10時から

国立がんセンター中央病院 築地キャンパス
国際研究交流会館3階 国際会議場にて

[第18回頭頸部表在癌研究会」
がひらかれます。

5月31日締め切りですが
演題募集中です。
演題、所属、演者 抄録800字以内で 

都立駒込病院 耳鼻咽喉科頭頸部腫瘍外科
杉本太郎 先生
sugimoto.otohns@cick.jp まで

ふるってご応募ください
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by kenzaburou41 | 2017-05-17 17:54 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

セミナー講師依頼

セミナー講師の記事書いた途端に

セミナー講師の依頼来る!

うっそー

そんなばかな〜

偉い先生がまさかこのブログみてはるんやなかろか〜

でも食道外科医っつうベースがあってのこのお仕事依頼。

食道癌のブログを書き続けてきたからこそのオファー

有難い話ですわ


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by kenzaburou41 | 2017-05-16 06:17 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

ミスターバルサルバ

こないだの学会、サテライトで講演してきたんですわ

さすがにもうなんども講演したんで

もうそろそろ、飽きられて講演にもお呼ばれされなくなるだろうので

路線を外科医に戻そうと思ってたところ。

20分の持ち時間を無事終了。

座長のえらーい先生から

「ケン三郎先生といえば、ミスターバルサルバですよね
食道癌ハイリスク患者さんの経過観察法を大きく変えましたよ」

的なお褒めの言葉をいただきました。

一方でバルサマウスを使った拡大内視鏡+経口で
バルサルバやってる先生が、9割ちかく喉頭よく持ち上がって
見えましたと発表があり

す、、、すごい執念っ

確かに食道にはいっちゃうと
拡大内視鏡のほうがその場で精密な診断できるしなあ

どっちとるか悩ましいとこ

でもきっとそのうちすこ〜し拡大できる経鼻がでてきて
2020年には大きく経口内視鏡が衰退

いまは「口からだけでなく鼻からもできるんです」だけど

あと何年か後には「口から希望のかたは口からもできます」の時代に。

地域によって、鼻からできますよ、と勧めても
患者さんが鎮静して口からを希望する地域もあるというし

常識、というのはなかなか
変えるのが難しい

でも。

一人づつ仲間を増やして
経鼻内視鏡を全国津々浦々にひろめたいっ。







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by kenzaburou41 | 2017-05-14 21:03 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

頭頸部表在癌の追加治療

長期経過のおえた、頭頸部表在癌の治療成績について
発表してきたんですわ

ケン三郎の施設で経験した頭頸部表在癌約350例のうち
内視鏡治療を行い2年以上経過観察が終えた215例、
でケモ先行、ケモラジ後のサルベージをのぞく166例の
検討。

上皮下浸潤癌のうち再発したのは
厚みが1500μm以上の31例に限り、うち13例が転移陽性

脈管侵襲陽性例21例中11例に転移陽性

この厚みと脈管侵襲陽性例にご注意。

その13例も みつかってすぐ頸部郭清、頸部郭清+ケモラジ、ケモラジを
加えて9例はその後制御(約7割)
4例が制御不良

ってことで、全体から見るとかなり成績がいいことがわかり
ほぼほぼ声も残せるってことがある程度わかってきまして

5年生存オーバーオールでEP癌は90%、Sepで75%
cause specificでSepでも93%。EPは100%

食道癌より断然成績がいいっ。

喉頭温存かつ、がんも治せる

頭頸部がんに後から罹患した食道がん患者さん
にとっては大きなアドバンテージです。

内視鏡をうけていればある程度早期に
みつけられますが

口からの内視鏡では非常に見つけにくい
中咽頭癌を発症するかたもいるので

丁寧に丁寧に
後壁だけでなく前壁もみなきゃいかんです。









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by kenzaburou41 | 2017-05-13 23:25 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

経鼻観察法

食道癌の患者さんにValsalvaをやりたい

けどうまくできないのでやり方のコツを教えて下さい。
とのご相談

ありがとうございます。

まずは今まで習った経口内視鏡挿入法へのこだわりを断ち切り、
経鼻を進めていくという強い気持ち、
咽頭がんをみつけたるんだ、という気合いが大前提です。

①まず事前に患者さんによく説明する。

(あとで合図しますから大きく息をすって一気に吐いて(フーではなく、プーっ)
口を結んでできるだけ頬を膨らませ続けてください~)

このとき顔が真っ赤になるまで頸、肩にちからをいれるかたが
いますが、リラックスしてなるべく頬が膨らむように、
しかも口から空気が抜けないように

②鼻から挿入、中咽頭をなめるように観察。
口を大きく開け、ベロを外に大きくつきだし~
ここでエ~っと長く言わせているうちに素早くUターンして舌根~左右側壁を観察~
喉頭蓋谷へすべらせる

③右梨状陥凹でエー

④正中の喉頭でエー

⑤左梨状陥凹でエー

⑥ここで深くお辞儀する

⑦下顎を前に突き出す

この⑦のときに顎を右手で手前に引っ張る=じいさんだとこれだけで喉頭があがる

⑧いよいよバルサルバを指示

息をすって~頬をぷ~っ
といってるうちに入口部が展開します
10秒くらいでしょうか、この間にスコープを右、まんなか、左と
すべらせて観察

NBI経鼻でもこれだけ見えます。

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2~3回やってもうまくいかない場合

⑥のふかくお辞儀にもどる

⑨お辞儀のまま頸を横にひねる(キリヤンの体位)
ここで頬をふくらませる

で終了です。

印象では検診希望の30代、40代の人は上がりにくく

下顎の小さい人もむずかしく

後は練習です、あまりこればかりにこだわると
患者さんもつらかった、、ということになりますので

酒飲み、辞めろといっても辞めない方、フラッシャー、
50-60代男性
声の低い酒飲みの女性

などに絞って検査をしてはいかがでしょう


午前中12人上部内視鏡するとして2人くらいはリスクの高い方がいて
その方には時間をかけて観察。

ピロリもいない、酒ものまない 方は短時間でメリハリをつけて
やるのが良いと思います。

ぽちっとな

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by kenzaburou41 | 2017-04-11 21:53 | ELPSでのどを守る | Comments(1)

論文

ほかでは声とります、放射線です、といわれた
88歳女性にたいするELPS+ESD治療の論文


全国でお困りの食道咽頭接合部がん
のみなさん、おまちしております。

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by kenzaburou41 | 2017-03-25 15:58 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

食道発声

つんく♂さんは、手記の中で、自身を診てくれる医師を過信し、セカンドオピニオンを「診てくれている医師に失礼」だと考えもせずにいたと反省する。治療中には「寛解」と言われて他の病院で検査したら、ガンが消えていなかった、ということもあった。だから、自身の医師を気遣いつつも、一人の医師だけでなく、セカンドオピニオンをもらう大切さを強調する。
 そして声帯全摘出に至ったつんく♂さんだが、今でも、

「もし、いろんな場面で別の選択をしていたら、今はまだ違う結果があったのかなぁ」

 と、考えてしまうという。ただ、

「声帯を失った今、不幸せかというと、決してそうでない」

 とも、つんく♂さんは記す。
 病気を発表したから、世の中に「たくさんたくさんのガンサバイバーの方」がいることを知ったし、術後数ケ月して通い始めた「食道発声の会」では、「人からモノを教わる新鮮さ」を感じた。病気のマイナスの面だけを見ていたわけではないのだ。
 最後につんく♂さんは書く。

「さあ、今日も楽しくいきますか!」

 その声を再びステージやテレビで聞く日も来るのかもしれない。



下咽頭進行癌、手術で声を失うというけれども
その手術成績とやら疾患特異的5年生存率は
ステージ3で78.6%
ステージ4で56.6%
と食道がんにくらべると極めて良好。

かつ95%で食べることに関しては問題なく。

17%のかたに、シャント発声などで音声機能の獲得が可能という。

命をとるか、声をとるかという究極の選択をせまられるけど
も、手術を受けると声を失うけど
予後は半分以上のかたに期待がもてる様子。

喉頭癌はもっと成績がいいことが知られているし

予後は喉頭>下咽頭>食道の順。

それを踏まえて対策をねるべし。









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by kenzaburou41 | 2017-01-17 23:26 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

全国からやってくる

もともと食道外科医だったんですけど

今やのどの入口あたりばかり見る専門家になり

全国から「のどを残せないか」「声帯をとらずに治せないか」

的な相談窓口となりつつあるケン三郎外来。

今日も近隣の病院からちょっと進んだ下咽頭がんってことでご紹介を頂いて

即、内視鏡

うん、このくらいなら残せますよ

と判断。

もちろん限度があるので、リンパ節転移がゴリゴリあるような
腫瘍は対象外だけども

場所がら、残せないんじゃないか?を危惧するところを
なんとか救い出すってんではおそらく日本でも有数の施設ではないか。


もともと大腸専門医をめざしていたのに
なんてこったい。

人生何があるかわからんけど

興味のある方向へ進んでいくと、その先にまた道が開ける。

期待に答えられますよう














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by kenzaburou41 | 2016-11-22 22:58 | ELPSでのどを守る | Comments(0)