カテゴリ:表層拡大型食道癌( 5 )

癌の計画的な残し方

外科手術で癌がとりきれなかった、、
となるとかなり進行していた、予後も悪い
となるけれど

はたして表在癌ではどうか。

病変の周囲にマークして
そのマークから十分距離をとって
切除する

これは胃癌の切除の仕方。

食道では、周りにも予備軍がたくさんある
事が少なくないので

「きれいに取る」重要性は少なく

狭窄が来ないように、なるべく正常粘膜を残して切除する
のが望ましい

全周切除は華々しいけども
後のことも考えるとおいそれと全周は取れない

しかし、一部だけとって
「全部とれなかったので困りました」
と無計画に切除されて相談されるのもまた困りもの。

中心に瘢痕があって周りが全部残ってるほど
腹立たしいものはない。

切除するならば最深部を含む大部分をとる

そして縦一列、取らない部分(正常部を含む)を決めておく。

そうすると二期的に切除する場合に瘢痕でリフティングしない
等の問題がない。


この方法のいいところは
「一度に全部とらないので、強固な狭窄は回避できる」

「病理学的評価を根拠に次の治療の選択肢を提示できる」

「次の治療法として手術、CRT、内視鏡の3つのどれでも速やかに選択できる」

であり、

欠点は

「一回で治療が終わらない」
「もしかすると局所再発のリスクが高いかも」
くらい。


しかし、たとえ内視鏡治療で制御したとしても
「安心してこれでまたうまい酒が飲める」
と酒を減らさなきゃまた新しい癌ができるし


なんどか治療を繰り返すうちにようやく
事の重大さに気づき、
「家族のために、きっぱり酒を断ちました」

という患者さんもいる。

その人それぞれ生き方があり
酒のみの気持ちもよくわかる。

うまく付き合っていけば
毒にもなれば栄養の糧にもなる。


人生思ったより短いし
あっという間。

たのしまなきゃっ


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-06-23 22:28 | 表層拡大型食道癌 | Comments(0)

ESD後の追加治療

表層拡大型食道癌

一部全周

狭窄を危惧し,一部を残して
ESD

大きさ90×50mm 水平断端は計画的に陽性

深達度はほとんどm1だったけど
2切片でT1a-MM

脈管侵襲は陰性

20年前なら
最初から当然
右開胸開腹食道亜全摘
していた
であろう病気。

手術で治る病気は
手術したほうが
よいだろうか。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-04-05 00:54 | 表層拡大型食道癌 | Comments(0)

毎週表拡

ここんとこ毎週のように表層拡大型食道癌の
紹介があって、

「治療をどうするか、悩ましいですね」

検査も広域をスキャンしなきゃいけないし

「どうしてこないだ内視鏡やったのに
また内視鏡なんですか?あれじゃダメなんですか」

ダメじゃないんですけども。

「私は手術や放射線はうけるつもり
ないですから、とにかく急いで取ってもらえません?
内視鏡で」

ごもっとも、我々の診断なんて
食道癌の多様性からして完璧に推測する
ことなど困難。

血管一つで深達度うんぬんなんてわかる
わけがない

そう思っていても、実際は
明らかにESDの適応がないのに
ESDを勧めたり

最初から手術をしたけど実際は手術
しなくてすんだ

という残念な結果を極力避けたいから

診断をきっちりしましょうということで。

全周部分が5cmもあると
ホントに全周とって大丈夫なんだろうか

よく「こんなに筒のようにとれました」
って写真を出してる先生がいるけど
食道屋さんは高度狭窄でつらいおもいを
何度もしてるので、
あんなこと怖くてできない。

「大丈夫なんですよ」と主張するなら
その先生に全部紹介して狭窄後の
フォロウも全部してほしいくらい
全周切除はできれば回避したい。


とはいえ、患者さんの願いは切実で
手術しなくて済むならその方が助かる

その気持ちはよくわかるわけで

毎週、表拡の食道癌はきつい、、、

けれどもやりがいはあるのです。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-03-20 00:04 | 表層拡大型食道癌 | Comments(0)

慣れない施設では

表層拡大型食道癌

症状はないのに

浅く広く広がる食道癌で

MMSM1だと20%の転移がある
と報告されており

内視鏡治療の経験豊富な施設でさえ
治療するかどうかを迷う所


安易に治療して穴があき、全部
取れなかっただの

深いとこだけ一部だけ切除して
大部分残りました

だと後がまた大変。

慣れない施設で
術後の狭窄に充分対応できない
施設や

術後の手術、放射線といった
治療が安全にできない施設



慣れてる施設に送ってもらった
ほうが有り難い


今日はそんな患者さんが外来に
いらっしゃいまして


う、、全周性じゃないか、、


さあどう組み立てるか

腕の見せ所っす。



ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-02-05 00:49 | 表層拡大型食道癌 | Comments(1)

表層拡大型食道癌

診断のコツは

m2とおもったらm3

m3とおもったらsm1

sm1とおもったらsm2


「一つ深く読め」

これが結構当たる。


つまり通常でSM1だとおもったらそれは
内視鏡治療はしないほうがいい

どこかでSM2に入ってる可能性が高く
内視鏡治療だけでは治らない可能性が高いのだ


診断は拡大で全体がB1だったらいい適応


B2が広いのは深い。

深いポイントでEUSを当てるとよい

食道造影ももちろん重要だ。

拡大EUS食道造影

すべてをきれいにそろえるのが理想で


さらに、安全にESDできるかも重要だ。

もちろんESD一括切除が望ましいことは
いうまでもない

慣れないと穿孔して、途中で断念という
こともなりかねない


中途半端に切除して無計画に取り残されると
後からの切除が非常に大変。

できないときは専門家に速やかに
渡すのが患者のためで。

計画的に切除するなら、狭窄に関連しそうな
ごく浅い部分だけを残す


m1~m2癌であれば
「ESD一括切除+ステロイド治療」が間違いなく
今後の標準治療になるだろうし

その最高レベルの治療を提供できなくては・・・
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by kenzaburou41 | 2014-01-29 23:50 | 表層拡大型食道癌 | Comments(0)