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下咽頭癌への咽喉頭手術

リンパ節転移のない下咽頭表在癌への
内視鏡治療は、長期的にも有用である

という報告がちらほらでてきており

その適応も食道癌へのEMRESDよりも
広くていいんじゃなかろうか
という流れになりつつあります。

これまでは放射線や抗がん剤

あるいは咽喉頭摘出して声をうしなう

という治療が行われてきましたが、

腫瘍は内腔から切除して、頸部リンパ節は別に
廓清する、

もしくは抗がん剤でまず小さくしてから治療を考える
などの方針を取る施設もあります。

さて、治療の規模を小さくすれば再発の危険も
高くなりますが、まだどれくらいの病気が内視鏡治療
だけで治るのかが十分に検討されていないので、
施設によってその方針もまちまちです、

声を失う治療をすれば癌は治るけど
実際はそれほど進んでいなかった、
とらずにすんだかもしれない
というのは避けなければなりません。

まだ多数例の集積が始まったばかりですので
「こういう状況なら内視鏡治療を勧めましょう」
「こういうのは手術を勧めましょう、放射線を
勧めましょう」という
ガイドラインもできていません。

もし声の温存の可能性を考えるなら

内視鏡治療もできる、手術もできる施設で
相談したほうがいいとおもいます。
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by kenzaburou41 | 2012-11-30 15:21 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

治療の順番

下咽頭癌で紹介された患者さん
の内視鏡をやったら

表層拡大型食道癌がみつかった

さらに早期胃がんまで見つかった

下咽頭癌を見つけたのに食道癌と胃がんは
見つからなかった

これも「後医は名医」ということがあって

後から見る医者は前の医者よりも条件が
いいわけなのでより詳しい検査ができる
から、その分みつかるわけで

決して前の医者が悪いというわけではない

さて、どの癌から治療するか?


ケナコルトの登場で表層拡大型食道癌の治療も
大きく変わりつつあり、昔は広すぎて内視鏡治療は
無理です、というものでも、浅く広いものに関しては
内視鏡治療をやる時代になりつつあります。


食道は粘膜筋板に到達してから10%の転移がありますから
まずは食道でしょうか?

同時に余裕があれば胃の早期がんの
内視鏡治療もおこない


下咽頭癌は、病気の厚さが1mmなければ
ほとんど内視鏡だけでよさそう、ただし
まだ多数例の検討はこれから

ってことで

急ぐ順番としては


食道、胃、下咽頭の順でしょうか


食道癌患者さんは、食道癌だけを治療
というよりも
そのほかの癌もケアしなくてはなりません

やっかいな病気ですが
それと戦ってるみなさんは
力強く、、


先日も内視鏡はおわって

「麻酔が効いているから1時間はお水飲まないでくださいね」
と患者さんに言ったら

「水はだめかあ、、、じゃあ酒はいいの?」

って聞いてる患者さんがいて


伝えた看護師さんも きょとん


酒と病気とうまくつきあうこと。

が重要のようです
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by kenzaburou41 | 2012-11-28 21:04 | 他臓器重複癌 | Comments(0)

一つの臓器

食道,咽頭、口腔と名がついてますけど

名前をつけたのは私たちで

実際、口腔から咽頭、食道までは同じ扁平上皮で
できています。

お酒やタバコで障害をうける

癌の初期像がものすごく似ている

よって口から咽頭,食道までは
一連の関連のある臓器という
考え

食道癌ができたひとが下咽頭癌が出来るのは
よくあることですし

下咽頭癌ができたひとの食道に癌があるのも
よくあることです

「よくある」のを認識していない
医者が悪いわけで。

5年たっても10年経っても
毎年検査を受けましょう。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-27 23:57 | 他臓器重複癌 | Comments(0)

食道癌術後の下咽頭癌

食道癌手術,その後放射線化学療法を
してその後下咽頭癌がみつかった
とのご相談

ですが定期検査で見つかったということで
おそらくは早期のものと推測します

これまでは放射線治療が
標準的に行われてきましたが

嚥下能の低下,味覚がおちる
唾液がでなくなる、などの
後遺症が永続的に続く
という問題があります

下咽頭表在癌は早い段階で
みつかれば内視鏡的に切除する
ことで治ることが長期的にも
わかっています

地域によって耳鼻科医が主体で
治療する所、内視鏡医が主体で
治療する所まちまちです。

また食道癌で放射線を使ってしまった
場合、これがのどの周囲にあたっていると
下咽頭がんに放射線をあてることが
出来ません

進行具合によっても
できる治療が違いますが

まずはよく調べてもらって
方針を聞いた上で、
専門施設に相談しては
いかがでしょうか?
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by kenzaburou41 | 2012-11-27 06:55 | ケン三郎に聞く質問コーナー | Comments(2)

高齢者の抗がん剤治療

「私のような高齢者の場合は癌は
それほど進まないんじゃないでしょうか?」

と患者さんが質問してきますが

食道癌患者の約半数は70歳以上です。

高齢になると糖尿病や肺気腫、心臓病、腎臓病
アルコール性肝障害、肝硬変

食道癌だけでなくいろいろな余病が
あり潜在的に臓器機能低下がありますので

若い人なら大丈夫という治療でも
障害が強くでる傾向にあります

ステージⅡ,Ⅲの食道癌
への化学放射線治療178例の
解析で71歳以上33名と
70歳以下の145名
を比べた所、CR率(治ったように見える)
率はともに63%と同等だったのに
対し、高齢者の生存期間中央値は
14.7ヶ月だったのに対し、
70歳以下は35、1ヶ月だったとのこと。

治療後に抗がん剤を追加で行っていない
率は高齢者で57%に上り、70歳以下の
17%と有意に差があったとのことで

つまりは高齢者では毒性が出る頻度が
多く、かつ治療を充分に行えないことで
生存期間も短い

ということで

「癌が進まない」どころか
「癌の進行を食い止める治療を
充分に行えない」

若者には強く行ける治療も
高齢者にはその毒性と
続けて行けそうかどうか?
をふまえて戦略を立てなくては
ならないようです。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-27 00:01 | 抗がん剤治療 | Comments(0)

我慢しない

がん治療の効果が得られず
痛みを訴える状況になったばあい

モルヒネの投与が行われます

日本ではモルヒネときくと
イコール死が近い
という先入観のある方が多く

欧米にくらべると先進国のなかでは
一人当たりの
使用量がうんと少ない
といわれています。

癌が進行してくると
様々な症状がでてきて

「痛いですか?」
と聞いても
「いえ,痛くはありません、背中に
なにか棒をいれているような感覚です」
「痛みというより吐き気がする、だるい、
眠れない,気持ちが優れない」

と、いろいろ。

女性だったら、同じような症状
をもった人に聞いて情報を共有
して周りを使って状況が好転する
ように対処するのですが

男性はもともと「痛い」
「苦しい」を口にするのを
かっこよく思わないので

我慢して言わない方も少なくありません

「痛くはありません」と言ったばかりの
患者さんの所に、本人に気付かれないように
戻ってみるとベッドの上で苦痛で
顔が歪んでいたり

「がんが進行していてそれが
体に変調を来している」ということを
認めたくない、という心理もある
のだろうと思います

「我慢しないでいいんですよ」
と伝えて

苦痛をとる専門の麻酔科医の
先生もいますので
頼りにしてはいかがでしょうか


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-22 00:25 | 緩和ケア | Comments(2)

帰国

無事帰国したんですわ

200人くらい入る会場が満席で
日本からきた僕らをものすごく
歓迎して頂いたんですわ

ケン三郎は
「早期咽頭癌,食道癌のスクリーニング」
でお話してきたんですわ

発表時間50分、通訳付き
だったけども結局熱意のあまり
話が脱線して時間を大幅にオーバー
して座長の先生から
ストップがかかったんですわ

中国では咽喉頭食道をよく見ようという
習慣はあまりないらしく、まずは
そこから話さなきゃと、話しているうちに
熱がこもって。。

食道癌、咽喉頭の発癌危険因子

中高齢の男性

飲酒

濃い酒をストレートで飲む習慣

アルコール依存症

喫煙

やせ

野菜不足

最近の研究で
「酒をのんでも赤くなりにくく
多量飲酒翌日に酒臭い体質」


も危険だということがわかって
きたんですわ

ここにいる方で、お酒を飲んですぐ赤くなる
体質の方は?

では若い頃コップ一杯のビールで
すぐ赤くなった方は?

だんだん飲めるようになった方は?

と講演会場を巻き込むほど
時間が超過していく

ああ、またやってしまった

でもそういう体験が心に
刻まれるはず

日本でも中国でもモンゴルでも
医療に国境はないんですわ


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-19 23:45 | 講演録 | Comments(0)

出発

上海に行って参ります

熱意が伝わりますように

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-16 08:49 | ひとり言 | Comments(1)

食道癌を見つける

食道癌を見つけるコツ

まず気合いを入れる

問診をしっかりとる

口腔内メラノーシス
咽頭メラノーシスがあったら
さらに気合いを入れる

食道に挿入する

入ったと思ったら少し引き抜いて
上切歯列だったら20cmから
観察始める

良く洗う

唾液を吸う

NBIやBLIがなければ尚更
1cmくらいづつ進める
つもりで観察する

一度立ち止まって、じーっと
食道を遠くから眺める

ざらざらしてたり、
血管がよく見えない症例
飲酒喫煙歴、フラッシャー
あると思って探す

大動脈弓、左主気管支の裏
影になってるところに癌は
隠れている

良く探す

Mtなら左側の水がたまる所が
死角になりやすい

Ltなら大動脈が蛇行している症例は
観察が難しい

前壁の心拍動があるところは撮影も
難しい

赤い所,白い所、黒い所

メラノーシスの周りに癌がいる

じーっと見て近づく、洗う、

SCJはよく息を吸って息を止める

バレット癌がないかも
もちろんみる

逆食炎に似た食道癌も時々ある


NBIやBLIがなければ
高リスク群の場合はヨードを
かける

ヨードは薄くてもいい

ピンク色に変化する不整形の
ヨード不染を生検する

もしくは精密検査に回す

もっとも見落としやすい
頸部食道は抜くときに
すこしづつ引き抜く

リスクの高い患者さんには
また来てもらう必要がある

苦しい検査をしない

中国でも伝わるだろうか?

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-15 23:03 | 学会奮闘記 | Comments(1)

効能

アルロイドGは1961年発売で
じつに50年が経過している

新しい薬がでるとすぐ既存の薬剤から
切り替えて行く経向があるにも
関わらずGERDの症状は100%
消失する、というものでもなく
NERD患者にその傾向が強い。

50年も発売され続けてると
いうことは
患者さんがその有効性をかなり
認識しているということになる

実に服用者の91%が有効で
80%がこれからも飲み続けたい
というアンケート調査がでている

適応)
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、びらん性胃炎
における止血および自覚症状の改善

逆流性食道炎における
自覚症状の改善

胃生検における出血時の止血

長く使われている、ということは
愛飲者がいるということで

主な副作用は下痢、便秘くらいで
重篤なものはない

アンケート調査によれば

飲んですぐ、あるいは数十分で
効果があり、

毎日飲んでるという人も8割
ちかくいる

一回に飲む量は30ml

症状が軽い場合や
短期間の服用する場合に
手頃

胸焼けだけでなく胃痛、
胃もたれなどにも効く

と書いてあった。

なんだかいい事ばかりだぞ。。。

ケン三郎も飲んでみようかしら



ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-11-14 23:51 | 逆流性食道炎 | Comments(2)