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短時間で手術を終える

手術を終えて無事に退院できるまで

これを第一段階の「手術がうまくいったか?」

の指標で

「再発なく5年経過する事」

「再発してもすぐに見つけて適切な救済が
できること」

「肺炎や他臓器重複癌までケアして
生活の質をできるだけ維持する事」

そして「正月くらいは好きなお酒を
たくさん飲んで、家内安全を祝う事」

外科手術はこれらの患者さんの将来を
導く大事な分岐点。

長時間手術が患者さんに与える
ダメージは計り知れません

できるだけ短時間に

これまで経験して習得してきた
手術技術をぞんぶんに生かして
時間をかけなくてはならないところ
は安全に

時間をかけなくていい所は
最高度のスピードで進められるように

うちのボスがいつも口を酸っぱく
して部下に伝えている外科手術の基本。

来年もまた心に刻んでがんばろう

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-31 08:52 | 手術メモ | Comments(0)

バイパスーCRT

食道癌が進行して見つかり、肺に直接浸潤

この時点で手術適応なし

余命いくばくです、と説明を受け
ながらも食道バイパス手術を行い
食べられるようになってからCRT
をやって,それがまた良く効いて

「手遅れです」という切ない状況から
回復した患者さん

この病院で治療してよかった、
スタッフの皆さんに本当に感謝して
いますと外来で涙ながらに感謝された
とボスから聞いて。

窮地に陥った患者さんを
丁寧に診察し、もっとも
いいと思われる治療法を
手探りで考えて行く事

そこに食道癌診療の醍醐味があり

エビデンスも大事だけど

エビデンスを超越した、臨床医の勘を
研ぎすます事

今年はブログ閉鎖に追い込まれて
一次喪失感がすごかったけども

皆がぽちっと応援してくださる。

来年はもっとがんばろう。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-29 00:03 | 切除不能進行癌 | Comments(2)

仕事納め

無事本日最後の手術執刀で
仕事納めでございます。

咽頭癌のELPS 47件

食道癌のEMRESD 92件

手術は。。。

いやーがんばった

来年は厄年、体にきをつけてがんばろうっと。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-28 19:52 | ひとり言 | Comments(0)

心タンポナーデ

心タンポナーデとは
心臓と心外膜の間に水が溜まり
心臓が圧迫されて心不全が進行する
ことをいい

放置すれば死にいたる怖い病態です


ケン三郎の長年の食道癌術後管理で1回だけ
それを経験したことがあります


手術のときに癌が心のうに浸潤していたので
心のうを合併切除したのですが

その夜、いつもは血圧がさがったら
輸液の負荷や昇圧剤で対応すれば
血圧があがる

いつものパターンかあ、と当直していて

昇圧剤をちょっと調整して
さあ寝よう、とおもった午前2時。


ところが何をやっても血圧がさがる。

おかしいな、、ドレーンからも出血はない、


術中麻酔科がちゃんと輸液も入れているし
大出血したわけでもない

なぜ??


血液検査にだしても貧血もないし


心筋梗塞の所見もない


なのに血圧が下がる  うーん、、、

当直中頭をひねって考えても
原因がよくわからない、、


そうこうしているうちに血圧がでなくなり
徐脈になってあれよあれよと心停止

え、、えええっつ


心マ!


胸骨後再建直後の心マ、だれもやりたくないけど
こればかりは、、、と対応し
なんとかその場は復活


循環器内科にその心マのあとに
来てもらって、原因を診てもらったけど
よくわからない

うーん、、なぜ??


胃管壊死にしても直後にこんな状態にはならないし

結局CT取ろうってことになり
状態が落ち着いたところで撮影すると

心のう水がたくさんたまっている


心のうを合併切除した穴。

どうもその開いたところから胸水が流れ込んで
出てこなくなり心臓が圧迫されてしまった?

そんなこともあるのかと。

結局緊急再手術で、回復しましたが

理由がわからない合併症ほど怖いものはありません


「想定内」の引き出しをふやし

何が起きてもその引き出しを開けるようにしておかねば。


心のうは合併切除するなら大きくあける

これが現在の対策です。
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by kenzaburou41 | 2012-12-27 08:29 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

直ちに否定しなければならない合併症

術後の合併症のうち、状態の悪化がみられたり
悪化が危惧される発熱などがあったにも関わらず
原因がよくわからないときどうするか?

放置してしまうと取り返しのつかない
生命にかかわるような合併症を早く
みつける必要があり、それに応じた
対策をこうじる必要があります


縫合不全、とくに胸腔内吻合で縫合不全が
生じた場合は致死的な状況=膿胸から
敗血症に陥る可能性。

ドレーンを入れる、膿みを外に出す、
といった処置を出来るだけ早く行う必要があります

熱がでる=カテーテルの感染もまた気付かないと
怖い合併症です。速やかに疑わしい場合は抜きましょう

MRSA肺炎、腸炎=これも朝元気だった人が
急に夕方にはショック状態になるという怖い
感染症です。

心不全=肺梗塞、心筋梗塞、心タンポナーデ
これらは起きる確率は非常に低いのですが
0ではない、確率の低い合併症をいかに
あたまの片隅におけるか?

今何が起きていて、これから起きる最悪の結果
はなにかを常に考えて、先回りして手を打つ。

合併症はなるべくなら0に近い
方がいいのですが

いろいろな合併症を経験して
克服してまた医師は強くなる。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-27 00:36 | 術後管理 | Comments(0)

通過障害

食道に入った食べ物は
食道の蠕動運動によって
胃の方へ落ちて行きます。

食道の蠕動は一次蠕動と2次蠕動があり

一次蠕動は延髄の嚥下中枢を介して発生し食道を
上部から下部にむかって順次収縮させる

この蠕動波は上部において急速に新講師、下部食道
では比較的緩やかに進行する

二次蠕動は食道内に残された食塊にたいして
局所的に起きる蠕動で一次蠕動が
飲みこみとして感じられるのに対し
2次蠕動は無意識に進行する


食道に入って胃に到達するまで
8〜20秒程度といわれている!

大食い、早食いの時って食道って
どうなってるんやろうか?

思えば、生きている限り食べ物が
通って行くわけで

そりゃあ年とって何回も何回も蠕動
していれば、表面が影響うけるのも
分かる話で

「食道をいたわらねば」


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-27 00:11 | 食道の解剖 | Comments(0)

働き盛りにがん検診を

これから高齢化社会をむかえ

医療費をどうやっておさえるか

若い人に負担をおしつけるだけでなく

高齢者にもそれなりに負担を考えてもらわねば
なりません

「検診をうけないやつは減給だ、健康管理をしっかりせよ」

企業がこうしたことを始めるのに
病院が何で考え付かなかったんだろうかと
恥ずかしくなります。


いまのがん検診、健康にきをつかう人が毎年検査をうけていて

そうじゃない人は一回も受けたことがない


乳がん、子宮がんに手厚い補助があるのは
若い女性、お母さん世代をまず助けよう

これもわかります


その次はお年寄りや子供を大事にしよう


これもわかります


つぎは、働き盛りの中高年男性。

酒やたばこが原因だったら自業自得だ

そうかもしれませんが


とうに平均寿命をこえた方が毎年検査を
うけるよりは

一度も検査を受けたことのないという働き盛り、
自営業、主婦の方

とくにこれから癌年齢になる60歳


「還暦になったら検診を」


うけない人はペナルティ   
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by kenzaburou41 | 2012-12-24 14:26 | がん患者学 | Comments(0)

検診を受けないとボーナスカット

コンビニエンスストア大手のローソンが、健康診断を受けない社員の賞与を15%減額する異例の制度を、来年度から導入することが23日分かった。直属の上司も10%カットする。多忙を理由に健診を受けず、健康を害して仕事を続けられなくなるケースを減らすのが狙いだ。

 企業の医療費負担の軽減にもつなげたい考えだ。2013年度中に健診か、人間ドックを受けなかった社員とその上司について、14年度の賞与を減額する。

 会社の健診を仕事の都合で受けられない場合も、会社の費用負担で別の日に受診できるため、どんなに忙しい職場でも健診を受けることは可能とみている


↑ すばらしい

病院もそうしなくては。。。
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by kenzaburou41 | 2012-12-24 09:27 | がん患者学 | Comments(0)

B3血管

b0180148_18181126.jpg


B3は高度に拡張した異常血管の
ことをさし

B2の3倍以上の径(60マイクロメートル)を有する

腫瘍が大きくなればそれを栄養するには
太い血管が必要で


sm2以深をさすとされております
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by kenzaburou41 | 2012-12-23 18:22 | 拡大内視鏡 | Comments(0)

食道表在癌の拡大内視鏡分類

本分類は扁平上皮癌が疑われる領域性のある病変(通常観察または画像強調観察にて境界の終える病変)を対象とした。

境界病変(主として扁平上皮内腫瘍だが一部に炎症や癌が含まれることがある)で見られる血管をTYPE A

癌でみられる血管をTYPE B
とし、TYPE BをB1,B2,B3に亜分類した。

亜分類の目的は深達度診断であり、T1aEP, LPMのSCCに見られる所見がTYPEB1

T1a-MM, SM1がTYPE B2, SM2以深が TYPE B3におおむね該当するように分類した


TYPE A 乳頭内血管の変化を認めないか軽微なもの

TYPE B 血管形態の変化が高度なもの

B1 拡張、蛇行、口径不同、形状不均一のすべてを示す
ループ様の異常血管

B2 ループ形成に乏しい異常血管
ドット、らせん、いとくず状などのループ様形態を呈し、
血管径が20−30μmのもの)
:多重状、不整樹枝状などのループを形成しない異常血管


B3 高度に拡張した不整な血管:B2血管の3倍以上で
血管径が60μmを超える不整な血管

付記1)不規則で細かい(網状:reticular:R)を認めることがあり
低分化SCC,INFc,特殊な組織型を示す食道癌が多いのでRと付記する。

付記2)Brownish areaを構成する血管と血管の間の色調
(inter-Vascular-background coloration)血管間背景粘膜色調
と称する



以上が拡大分類の定義。

今日の議題。

なぜイクラ血管はこの分類からはずされたのか?

ard3, ard4の扱いは?

B2血管の深達度はB2を構成している血管の領域の
ひろさによるのか、それとも血管の太さによるのか?

ループがほどけたような血管の
取り扱いは?

視力検査のCみたいな血管
スピロヘータ様血管


などが議論になりました。


若者や、海外にもわかるような
わかりやすい分類の確立に
むけての第一歩です


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2012-12-22 22:39 | 拡大内視鏡 | Comments(0)