呼吸訓練

手術前にやっておくべき事

「術後の肺炎が命にかかわる」

これは実際に食道の手術後の患者さんを
たくさん診てきた経験からすると

タバコを辞められなかった患者さんは
相当術後に苦労する

と思っていた方がいいとおもいます。

でもなかなか習慣というのは
変えられないもので、1−2本なら
いいだろう、と人間だれしも甘えが
生じるもの。

食道癌の手術は肺炎との戦い
でもあります。

手術前に、禁煙を守る事

歯垢や歯石を落とし、口腔内ケア
(一日歯磨き5回励行)をすること

「スーフル」「玉吸い」っていう
簡単な肺を鍛える道具を使って
呼吸の練習をしっかりしておく事

こうした術前からの準備が非常に
大事になります

たばこを辞められなかった患者さんの
術後の痰の量は半端なく多く

術後2−3日目に患者さんは
「まるで水の中で溺れているような
苦しさだった」と表現します

肺炎で酸素をしっかり取り込めない場合は
人工呼吸器をとりつけて呼吸の補助を
行う

長引けば、気管切開といってのどに
穴をあけて呼吸をする

そういった長期戦に突入する
ことも考えられます

ですから「手術を受ける」
と心に決めたなら

「癌に打ち勝つ」という気持ちを
もって、トレーニングに励みましょう

自らが癌を倒すという態度で
いなければいくら周りがサポート
しても戦えません

人生の一大勝負、ファイトです。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-13 22:50 | 手術前にやっておくべきこと | Comments(0)

想定外

12年前に食道癌で手術をうけて

もう食道癌は治りましたよ

といわれてしばらく通院しなかった患者さんが

頸のリンパ節が腫れてきて

調べたけどよくわからない

リンパ節の生検とったら扁平上皮癌。


どっから??

12年前の食道癌が再発??


しらべてみたら下咽頭癌だった

という患者さんを最近経験。


そうかとおもったら、食道癌で何度も何度も
内視鏡治療をうけてて

定期的に内視鏡検査をうけてた
患者さんが
いつのまにか耳鼻科に入院してる。


あれ?どうしたんだろう??


とおもったら同じく頸部リンパ節転移が先にみつかって
よくよくしらべたら、舌根部(中咽頭前壁)に
進行がんがみつかったという。


同じく食道癌、胃がん、口腔癌で治療歴があった
患者さんで
これもまた何度も何度も内視鏡でチェックしてたのに
今度はまた胃がんがみつかった

という患者さんをここ数か月で立て続けに経験。



食道癌になった人をどうやって
丁寧に見ていくか


癌になりやすい境遇があるのだから
せめて早くみつけて
大きな治療を受けずに済む段階で
対処したい。


全部はとてもカバーできませんが

専門医としてやるだけのことはやらねば。
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# by kenzaburou41 | 2012-12-13 11:56 | 他臓器重複癌 | Comments(0)

晩期毒性

食道癌 ステージⅠ
放射線治療を選択

でも局所に癌が残ったのでESDでとりました

その後は再発もなく経過していたのですが

治療から1年。

両側胸水、心のう水貯留、息切れ
で来院

呼吸器内科の先生が診てくださったのだけれども

「癌の再発じゃないでしょうか?」

と外科にまた戻ってきて。

うーん、、でも放射線の晩期毒性
だとよくあることだし、、

いろいろ調べてどうも
癌の再発ではなさそう、、

手術もARDSやら怖い合併症があるけど

放射線もまた100%安全とはいえない
治療です。


悪化しないよう注意して
みていかねば。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-12 00:53 | 放射線治療 | Comments(0)

高度狭窄を心配する

こないだ来た患者さんが
あんまり外来にたくさんは
通えそうもない高齢で余病もちの
方で。

たまたま受けた内視鏡で
二つの病変が並んでて
あわせると4分の3周の表在癌

深さはm1−2

内視鏡施行医が

「これをとると6分の5周の切除になり
高度狭窄になるから、狭窄への対応
がきっちりできる専門医への紹介が
のぞましい」

とコメントかいてあり。

そんでうちに紹介。

おっしゃる通りの病変で
ESDで一括切除したら、おそらく
何度か通院して拡張が必要だろうな

と予測。

でも治療の説明のときに患者さん自身が
これなくてご家族が来院。

「勘三郎さんのこともあるから
治療しなくても年だし、そう進行しない
んじゃないかって言ってて、
治療をうけるかどうか迷ってます」

とのこと。

ESDの説明してて狭窄がきたら拡げて
孔が開いたらいろいろ問題も起きます
うんぬん,,話しているうちに

患者さんの事を思い浮かべ。

確かに弱々しい患者さんだったし
孔があいたら大変だろうことも
想像できる

拡張にそうそう通えないようにも
思える。。。

うーん、、と迷った上で


「孔が開かずに、
狭くならない方法を
考えてみます」

一括切除の大事さはよくよく
分かっては、いるものの。

しかし中には特殊なケースも
あるし

もっとも負担が軽く、
かつ癌が治る方法を
考えねば。



ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-10 23:33 | Comments(0)

ヨードかけない、生検しない

食道癌内視鏡治療後

NBIがでてきて、ヨードをかけなくても
表在癌を拾い上げられるようになり

専門施設ではすでにヨードをかけない、
生検もしない、とのこと。

ケン三郎はそこまでの自信もないですし

ルーチンが経鼻内視鏡ですし

精密検査は内視鏡治療か手術かを
迷う症例に限定

若手内視鏡医がハイリスクをそうそうヨードを
かけずにいけるか?っていうと
多分むずかしいんじゃないかと。

何せ自分でうすうすヨードをかけると
見落としの多い事にびっくりしますので

私は生検もするし、ヨードもうすいのを
さらっとかけております。

今年は、咽頭も食道も
たくさん内視鏡治療やりました。

来年もがんばろっと。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-10 21:02 | 内視鏡治療 | Comments(0)

何もしないとどうなるか?

食道癌がみつかって何もしないと
どうなるか?

癌が進行して食事がとおらなくなり
いずれは死をむかえますが、
ある程度、時間的な余裕が
ありますので

「手術しないほうが
長生きしたであろう」ということ
が起こりえます。

手術をしない方法でどんな方法が
あるかというと、ステントという筒を
入れる方法

これが一番簡便で,治療時間もすくなくて
すみますが、癌を治す治療ではないので
最初からこの治療を希望される方は
少ないです。

治ることをめざすと現在、もっとも
信頼性の高い治療が
抗がん剤+手術

その次に抗がん剤+放射線治療
ということになります

いずれも、癌を治す強力な治療ですが
自分の体にも負担がかかる治療ですので
全く元通りの健康な体を取り戻す治療
ではありません

放射線治療、手術、抗がん剤

この3つをうまく組み合わせて
体の負担を最小限に治療を
組み立てる事が求められています

これまでの治療成績の比較から

以前より放射線治療が選択される
ことが少なくなっているかもしれません

外科医は最新の注意をはらって
手術の侵襲を減らす努力を
怠ってはならない状況ですし

ある特定の施設に多数の患者が
殺到すれば、その施設の扱える
限界を超えて,目がいきとどかなく
なる可能性もあります

ある特定の施設だけでなく
その周りにも同じような医療
レベルの治療ができる病院を
いくつか、というのが理想ですが

食道癌自体がそう多い病気ではないので

診断から治療、術後管理まで
すべてが充実した環境つくり、

それには病院内のいろんな
専門家を結集して治療にあたる
必要があります


でもやっぱり手術が
うまくいってこその
術後管理

期待にこたえねば。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-09 13:53 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

ABC検診で胃癌撲滅

ランチョンセミナーで河合隆教授の
ABC検診の話を聞いてきました。

横でBLIの特別講演があったんですけど
「今の経鼻内視鏡の最先端」
がどーしても聞きたくて。

日本人に多い胃癌は
ヘリコバクターピロリ感染症
が大きな原因で

ピロリのいないきれいな胃からは
ほとんど癌ができない

ピロリがいると
表層性胃炎から萎縮性胃炎になり
さらに腸上皮化生、胃癌が生じる

高度萎縮性胃炎、ピロリ+
の群を重点的に検査すれば胃癌を
効率よく拾い上げられる、

日本人の胃癌に罹患する人が11万人
でも死亡する人は5万人で

早期発見,早期治療で
「胃癌は撲滅できそうな癌」
として期待されています

胃癌の高リスク群をどうやって
ひろいあげるか、

この方法として
「ペプシノーゲン法」と「ピロリ」
を組み合わせたのがABC検診で

ペプシノーゲン法は
胃底腺領域から分泌されるPG1と
胃全体から分泌されるPG2の
血液中の比率から胃の萎縮の程度を
予想するというもの。

ペプシノーゲン法陽性が
PG1 70 ng/ml以下、PG1/Ⅱ比が3.0以下を
PG法陽性と判定し
PG1 30以下、Ⅰ/Ⅱ比が2.0以下はとくに
萎縮が強い群と予想される

萎縮がある、慢性炎症が続く
これを血液をとってみることで
胃の健康度がわかりますので

PGとピロリの有無で4つの
群ができます。

PG-、ピロリーをA群=1476人中胃癌0

PG-、ピロリ陽性をB群=2504人中胃癌5人(0.2%)

PG+、ピロリ陽性をC群=1368人中胃癌32人(2.34%)

PG+,ピロリーはD群といいますが、この群は
ほとんどいないのでABCの3つの群をとってABC検診
といいます。

最近はピロリの除菌によって
だいぶ感染者がへってきて
平均すると33%

年代別でも70代は70%と非常に高いのですが
50代37%、60代37%、40代20%
とだんだん減ってる

ヘリコバクターの除菌したひとと
しなかったひとで癌の発生率を比べると
3分のⅠに減るそうです

でもピロリを除菌したら絶対癌がでないか
とは言えない、

除菌をすることで、出てきた問題は
PG比がかわることだそうです。

除菌するとPGⅠもPGⅡも減るのですが
ⅠよりⅡがうんと減るので
Ⅰ/Ⅱの比は逆に上がってしまうという
現象がおき、「ABC検診」の評価が
影響をうけてしまう

現在この問題を「除菌後」としてE群
というふうに分けるのはどうか
と議論がすすんでいます。

除菌しても癌になる、では危険群を
どうやって見極めればいいか?

これは除菌前の群わけを重要視して
ください、最初の萎縮の程度、HPの
有無が重要で、もともとA群なら検査
続けなくてもいい、B群なら3年に1度
C群なら2年に1度は検査をうけましょう

とのことです。

大事なのは「除菌前」の状態は
どの状態だったかを知っておく事

ピロリ除菌の判定にはいろいろありますが
血中ピロリ抗体計測も

半年後に50%以下になっていれば
成功と判定しますが、

除菌が成功したかたは
治療後3ヶ月で
除菌前の30%くらい
減ってるそうです。

来年6月には慢性胃炎に対しても
ピロリ除菌が保険適応になる見込みだそうで
これをどんどん勧めるようになれば
胃癌がかなり減ることが期待されます

が、

除菌すれば胃癌にならないという
わけではない、から医師は除菌前の
ABCを調べておく必要がある

それによって定期検査をいつ行うか
をきめればいいとのことでした。

最後に経鼻内視鏡の話。

ようやくオリンパスからも
290Nという最新の経鼻内視鏡がでて
きまして、スクリーニングに耐えられるもの
が登場しました!

「経口高画質の内視鏡とくらべても
遜色ございません」

おーっ!やっときたか
オリンパス!

富士フィルムにもBLI
搭載の経鼻を一刻も早く
つくってもらわなきゃ

これで経口内視鏡スクリーニング
の時代は終わったな
と確信しまして

「フラッシャーに対する口腔咽喉頭食道癌検診」
「ABC検診による胃癌検診」を組み合わせて
経鼻内視鏡でやれば怖いものなしっ。


さあ、道はひらけたぞい。

謙虚にひろめなきゃ。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-09 10:39 | 学会奮闘記 | Comments(0)

ABC検診

胃がんにはピロリ菌感染が深くかかわっています。ピロリ菌感染のない人から胃がんが発生することはごくまれです。また、ピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が進むほど、胃がんが発生しやすくなります。胃粘膜の萎縮の程度は、胃から分泌されて消化酵素ペプシンのもとになるペプシノゲンという物質の血液中の濃度を測定することでわかり、基準値以下の人は、6~9倍胃がんになりやすいことがわかっています。
 胃がんリスク検診(ABC検診)とは、ピロリ菌感染の有無(血清ピロリ菌IgG抗体)と胃粘膜萎縮の程度(血清ペプシノゲン値)を測定し、被験者が胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dの4群に分類する新しい検診法です。血液による簡便な検体検査であり、特定検診(メタボ健診)などと同時に行なうこともできます。
 胃がんリスク検診(ABC検診)はがんそのものを見つける検査ではありません。胃がんになる危険度がきわめて低い、ピロリ菌の感染がなく胃粘膜が健康な人たち(A群)を精密検査の対象から除外し、ピロリ菌に感染(またはかつて感染)して胃粘膜に萎縮のある人たち(B~D群)には、胃がんの存在を確かめる精密検査(内視鏡検査等)を受けていただくものです。近年、ピロリ菌に感染していないA群の割合が増えており、多くのA群の人たちが内視鏡による精密検診を受けないで済む点が大きなメリットです。
 胃がんリスク検診(ABC検診)は、 浅香正博(北海道大学教授)が勧める「胃がん撲滅プロジェクト」の一環としての胃炎検診で、肝炎検診に準ずるものです。感染由来のがん対策は1次予防を中軸とすべきです。
三位一体の胃がん対策
 胃がんは、肝炎ウイルスによる肝臓がんやHPV(ヒトパピロ-マウイルス)による子宮頸がんと同様、ピロリ菌による感染由来のがんで、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生を3分の1に減らせます。私たちは、単に胃がんによる死亡者数(率)の減少を目指すだけではなく、除菌治療で胃がんの発生を予防し(1次予防)、精密検査で早期胃がんを発見し(2次予防)、内視鏡治療で完治させることを重視します。「胃がんリスク検診(ABC検診)により、胃がん発生の危険度がわかった人は専門医で内視鏡検査やピロリ菌除菌を行う。そして内視鏡検査で発見される早期胃がんに対しては、低侵襲の内視鏡治療を行う」ことこそが、ピロリ菌時代の理に適った胃がん対策であると考えます。
 消化器内視鏡はすでに全国に普及し、従事する医師の数も年々増加しています。また、日本ヘリコバクター学会は2009年度よりピロリ菌除菌に対する認定医制度を開始しました。私たちは、今こそ「胃がんリスク検診(ABC検診)」「ピロリ菌除菌」「消化器内視鏡」が三位一体となった胃炎・胃がん対策を強く推進すべきであると考えます。
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# by kenzaburou41 | 2012-12-09 09:54 | 学会奮闘記 | Comments(0)

内視鏡治療後の長期経過

食道癌は早くみつかれば治る病気だし

毎年リスクのない同じ人が
何度も何度も検査をうけるより

国民全員がある年齢で精密検査を
1回受けて

リスクの高い群と低い群にわけて
高い群だけこまめに

低い群はそれなりに

平均寿命を超えた
年寄りはお金のかかる検査は
しない,自費にする

ってやっていけば


若い働き盛りの人が
癌で苦しんでなくなることが
すくなくなり

手術や放射線や抗がん剤などの
つらいしんどい、命がけの治療を
せずに済むんじゃないだろうか?

年寄りがこれから増えるわけだし
湯水のように医療費を使って
いいわけがない

いろいろ思う所、あるわけで。

問題はその根拠を示さなきゃなんない。


「内視鏡治療後5年経ったら,経過観察を
打ち切ってよいか?」

と聞かれると、いやいや食道癌治療してなおった
人が、5年,10年たって頭頸部癌で
亡くなるってことを結構経験しているし

永続的に検査はしなきゃっ

でもいつまでやるの??

どれくらいの間隔で?

医療費ないんだけど。。。

と言われると、「費用対効果」が
重視される

明日は、今年最後の学会発表
「内視鏡治療後の長期経過」で。

いろいろな思いをぶつけてまいります。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-08 00:08 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

前を向く

合併症で患者さんがなくなると
ほんとに悲しい

うまくいくと信じて手術したのに

縫合不全、膿胸、MRSA肺炎、腸炎、胃管壊死、そしてARDS

起こしたくない合併症ととなりあわせ

ずいぶん昔よりは安全にできるように
なった食道の手術も

完全に死亡率を0にはできない

食道癌に たちむかった医師も患者さんもスタッフも
みんな頑張って一つの目標にむかっていたわけだし

外科医がここで、気落ちして、手術はやっぱり控えようとか

自信をうしなったり、周りからの目に耐えられなくなって
しまって病院をやめるとか、、

受けてきたであろうプレッシャーを考えると

いつか我々外科医、自分の身にもふりかかる
ことかもしれません。

これまでたくさんの人を救ってきたのだから

前を向いてがんばりましょう

ここでくじけず

明日のさらにいい医療をめざして。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-07 13:15 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

ARDS

来春こけら落としする歌舞伎座の舞台を踏むことなく57歳で旅立った歌舞伎役者、中村勘三郎さん。今年7月には食道がんの大手術を乗り越え、約4カ月にわたる壮絶な入院生活を送った。命を奪った急性呼吸窮迫(きゅうはく)症候群(ARDS)は現代医療でも退治できない“大悪党”だった。

 最後の舞台となった7月の「信州・まつもと大歌舞伎 天日坊」を演出した串田和美氏は、「お見舞いに行った時は、もう話ができない状態でした。今まで何度も奇跡を起こしてきた人だから、また奇跡が起きると信じる気持ちと覚悟する気持ちとの間で揺れ動いていました」とコメントした。

 7月27日に12時間に及ぶ食道がんの大手術を乗り越え、一度は病院内を歩けるほどに回復。再発予防のため抗がん剤治療を受けていたが、11月に肺炎を発症し、急速に呼吸不全に陥った。

 専門の治療を受けるために、二度も病院を転院しているが、家族は「考え得る最高の治療をしていただきました」としている。

 この急激な悪化こそARDSの特徴だ。杏林大学医学部付属病院呼吸器・甲状腺外科の呉屋朝幸教授が説明する。

 「原因はいろいろあるが、ARDSでは肺の酸素交換ができなくなり、人工呼吸器の補助があっても呼吸ができない状態になります。最終的には全部の肺機能が破壊され悪くなるときには1日でも急速に悪化します。ご本人も医療従事者も、どうしてこんなに急激に悪くなるのか理解できないほど症状が進行することがあるのです」

 勘三郎さんは、最終的に日本医科大学付属病院で治療を受けていた。経験豊富な医師も、肺の状態が悪化しそうになるのは予測可能だが、ARDSの治療そのものは難しいという。

 関係者によると、勘三郎さんの病室には人工呼吸器と人工肺が設置され、さまざまな管が体を貫いていた。

 「人工呼吸器は、気管にチューブを入れて、機械から酸素を肺に送り込みます。病院ではどこでも使用されている方法です。しかし、人工肺は、人工心肺装置のように、体外に血液を取り出して酸素をつけて体内に戻し、肺を全く使うことはありません。極めて特殊な場合に使用され、一時的に肺の機能の負担を軽減するか、あるいは、肺の機能がすでに低下した場合が想定されます」(呉屋教授)

 ARDSには治療薬があるにはあるが、急激に悪化する症状を食い止めることは容易ではない。

 ARDSの引き金となったのは、食道がんとみられている。

 「一般的にARDS発症の基盤になるのは肺炎で、食道がんの場合は放射線治療や抗がん剤治療の後です。炎症などで肺の酸素交換機能が低下し、結果として症状が悪化してしまう。まるで、肺の中で大規模破壊が起こるように、食い止めることは難しい」と呉屋教授はいう。

 勘三郎さんは当初、息子の勘九郎(31)と七之助(29)が出演する京都・南座公演に駆けつけることを励みとし、それが無理なら来年2月の博多座公演へ、と思いをつないできた。

 好江夫人がマスコミを通じて明かした経過報告には「来年4月の歌舞伎座柿(こけら)落としに出演することを、心の拠り所とし、癌晴って参りました」と綴られていた。「癌」が「晴れる」日を願って、正面から立ち向かい力尽きた。
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# by kenzaburou41 | 2012-12-07 07:33 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

癌晴る

歌舞伎俳優・十八代目中村勘三郎さん(本名、波野哲明=なみの・のりあき)が5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため都内の病院で亡くなったことが明らかになった。57歳。勘三郎さんは、今年6月に初期の食道がんであることを公表し、摘出手術を受けていた。その後、肺にも疾患が見つかり治療に専念していた。

 明るく元気なイメージのある勘三郎さんだが、近年は病魔との闘いの連続だった。2010年末には特発性両側性感音難聴を発症して休養を余儀なくされた。11年6月に復帰したものの、12年6月に受けた健康診断で、初期の食道がんであることが判明。同月18日に治療に専念することを発表した。7月27日にがん切除の手術を受け、治療を続けていたが、今度はARDS(急性呼吸促迫症候群)を発症。9月に転院して、ICUで治療していた。

 勘三郎さんは1955年に十七代目中村勘三郎の長男として生まれ、3歳のときに「昔噺桃太郎」の桃太郎で五代目中村勘九郎を襲名して初舞台を踏んだ。05年に十八代目の勘三郎を襲名するまで46年間勘九郎を名乗っていた



ご冥福をお祈り致します。
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# by kenzaburou41 | 2012-12-05 18:47 | 食道癌にかかった芸能人 | Comments(0)

264回早期食道癌診断勉強会

本日15時から

大手町の

経団連会館 402号室にて

第264回早期食道癌診断勉強会が行われます。


特別講演として

がんセンター東病院の矢野先生をお迎えして

「食道癌CRT後の遺残再発へのPDT」

をご講演賜ります。

また会終了後18時より 401号室で懇親会が
行われます。

参加費1000円、年会費3000円です。

どうぞみなさまふるってご参加ください。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-12-01 14:04 | 早期食道癌診断勉強会 | Comments(0)

下咽頭癌への咽喉頭手術

リンパ節転移のない下咽頭表在癌への
内視鏡治療は、長期的にも有用である

という報告がちらほらでてきており

その適応も食道癌へのEMRESDよりも
広くていいんじゃなかろうか
という流れになりつつあります。

これまでは放射線や抗がん剤

あるいは咽喉頭摘出して声をうしなう

という治療が行われてきましたが、

腫瘍は内腔から切除して、頸部リンパ節は別に
廓清する、

もしくは抗がん剤でまず小さくしてから治療を考える
などの方針を取る施設もあります。

さて、治療の規模を小さくすれば再発の危険も
高くなりますが、まだどれくらいの病気が内視鏡治療
だけで治るのかが十分に検討されていないので、
施設によってその方針もまちまちです、

声を失う治療をすれば癌は治るけど
実際はそれほど進んでいなかった、
とらずにすんだかもしれない
というのは避けなければなりません。

まだ多数例の集積が始まったばかりですので
「こういう状況なら内視鏡治療を勧めましょう」
「こういうのは手術を勧めましょう、放射線を
勧めましょう」という
ガイドラインもできていません。

もし声の温存の可能性を考えるなら

内視鏡治療もできる、手術もできる施設で
相談したほうがいいとおもいます。
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# by kenzaburou41 | 2012-11-30 15:21 | ELPSでのどを守る | Comments(0)

治療の順番

下咽頭癌で紹介された患者さん
の内視鏡をやったら

表層拡大型食道癌がみつかった

さらに早期胃がんまで見つかった

下咽頭癌を見つけたのに食道癌と胃がんは
見つからなかった

これも「後医は名医」ということがあって

後から見る医者は前の医者よりも条件が
いいわけなのでより詳しい検査ができる
から、その分みつかるわけで

決して前の医者が悪いというわけではない

さて、どの癌から治療するか?


ケナコルトの登場で表層拡大型食道癌の治療も
大きく変わりつつあり、昔は広すぎて内視鏡治療は
無理です、というものでも、浅く広いものに関しては
内視鏡治療をやる時代になりつつあります。


食道は粘膜筋板に到達してから10%の転移がありますから
まずは食道でしょうか?

同時に余裕があれば胃の早期がんの
内視鏡治療もおこない


下咽頭癌は、病気の厚さが1mmなければ
ほとんど内視鏡だけでよさそう、ただし
まだ多数例の検討はこれから

ってことで

急ぐ順番としては


食道、胃、下咽頭の順でしょうか


食道癌患者さんは、食道癌だけを治療
というよりも
そのほかの癌もケアしなくてはなりません

やっかいな病気ですが
それと戦ってるみなさんは
力強く、、


先日も内視鏡はおわって

「麻酔が効いているから1時間はお水飲まないでくださいね」
と患者さんに言ったら

「水はだめかあ、、、じゃあ酒はいいの?」

って聞いてる患者さんがいて


伝えた看護師さんも きょとん


酒と病気とうまくつきあうこと。

が重要のようです
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# by kenzaburou41 | 2012-11-28 21:04 | 他臓器重複癌 | Comments(0)

一つの臓器

食道,咽頭、口腔と名がついてますけど

名前をつけたのは私たちで

実際、口腔から咽頭、食道までは同じ扁平上皮で
できています。

お酒やタバコで障害をうける

癌の初期像がものすごく似ている

よって口から咽頭,食道までは
一連の関連のある臓器という
考え

食道癌ができたひとが下咽頭癌が出来るのは
よくあることですし

下咽頭癌ができたひとの食道に癌があるのも
よくあることです

「よくある」のを認識していない
医者が悪いわけで。

5年たっても10年経っても
毎年検査を受けましょう。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-27 23:57 | 他臓器重複癌 | Comments(0)

食道癌術後の下咽頭癌

食道癌手術,その後放射線化学療法を
してその後下咽頭癌がみつかった
とのご相談

ですが定期検査で見つかったということで
おそらくは早期のものと推測します

これまでは放射線治療が
標準的に行われてきましたが

嚥下能の低下,味覚がおちる
唾液がでなくなる、などの
後遺症が永続的に続く
という問題があります

下咽頭表在癌は早い段階で
みつかれば内視鏡的に切除する
ことで治ることが長期的にも
わかっています

地域によって耳鼻科医が主体で
治療する所、内視鏡医が主体で
治療する所まちまちです。

また食道癌で放射線を使ってしまった
場合、これがのどの周囲にあたっていると
下咽頭がんに放射線をあてることが
出来ません

進行具合によっても
できる治療が違いますが

まずはよく調べてもらって
方針を聞いた上で、
専門施設に相談しては
いかがでしょうか?
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# by kenzaburou41 | 2012-11-27 06:55 | ケン三郎に聞く質問コーナー | Comments(2)

高齢者の抗がん剤治療

「私のような高齢者の場合は癌は
それほど進まないんじゃないでしょうか?」

と患者さんが質問してきますが

食道癌患者の約半数は70歳以上です。

高齢になると糖尿病や肺気腫、心臓病、腎臓病
アルコール性肝障害、肝硬変

食道癌だけでなくいろいろな余病が
あり潜在的に臓器機能低下がありますので

若い人なら大丈夫という治療でも
障害が強くでる傾向にあります

ステージⅡ,Ⅲの食道癌
への化学放射線治療178例の
解析で71歳以上33名と
70歳以下の145名
を比べた所、CR率(治ったように見える)
率はともに63%と同等だったのに
対し、高齢者の生存期間中央値は
14.7ヶ月だったのに対し、
70歳以下は35、1ヶ月だったとのこと。

治療後に抗がん剤を追加で行っていない
率は高齢者で57%に上り、70歳以下の
17%と有意に差があったとのことで

つまりは高齢者では毒性が出る頻度が
多く、かつ治療を充分に行えないことで
生存期間も短い

ということで

「癌が進まない」どころか
「癌の進行を食い止める治療を
充分に行えない」

若者には強く行ける治療も
高齢者にはその毒性と
続けて行けそうかどうか?
をふまえて戦略を立てなくては
ならないようです。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-27 00:01 | 抗がん剤治療 | Comments(0)

我慢しない

がん治療の効果が得られず
痛みを訴える状況になったばあい

モルヒネの投与が行われます

日本ではモルヒネときくと
イコール死が近い
という先入観のある方が多く

欧米にくらべると先進国のなかでは
一人当たりの
使用量がうんと少ない
といわれています。

癌が進行してくると
様々な症状がでてきて

「痛いですか?」
と聞いても
「いえ,痛くはありません、背中に
なにか棒をいれているような感覚です」
「痛みというより吐き気がする、だるい、
眠れない,気持ちが優れない」

と、いろいろ。

女性だったら、同じような症状
をもった人に聞いて情報を共有
して周りを使って状況が好転する
ように対処するのですが

男性はもともと「痛い」
「苦しい」を口にするのを
かっこよく思わないので

我慢して言わない方も少なくありません

「痛くはありません」と言ったばかりの
患者さんの所に、本人に気付かれないように
戻ってみるとベッドの上で苦痛で
顔が歪んでいたり

「がんが進行していてそれが
体に変調を来している」ということを
認めたくない、という心理もある
のだろうと思います

「我慢しないでいいんですよ」
と伝えて

苦痛をとる専門の麻酔科医の
先生もいますので
頼りにしてはいかがでしょうか


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-22 00:25 | 緩和ケア | Comments(2)

帰国

無事帰国したんですわ

200人くらい入る会場が満席で
日本からきた僕らをものすごく
歓迎して頂いたんですわ

ケン三郎は
「早期咽頭癌,食道癌のスクリーニング」
でお話してきたんですわ

発表時間50分、通訳付き
だったけども結局熱意のあまり
話が脱線して時間を大幅にオーバー
して座長の先生から
ストップがかかったんですわ

中国では咽喉頭食道をよく見ようという
習慣はあまりないらしく、まずは
そこから話さなきゃと、話しているうちに
熱がこもって。。

食道癌、咽喉頭の発癌危険因子

中高齢の男性

飲酒

濃い酒をストレートで飲む習慣

アルコール依存症

喫煙

やせ

野菜不足

最近の研究で
「酒をのんでも赤くなりにくく
多量飲酒翌日に酒臭い体質」


も危険だということがわかって
きたんですわ

ここにいる方で、お酒を飲んですぐ赤くなる
体質の方は?

では若い頃コップ一杯のビールで
すぐ赤くなった方は?

だんだん飲めるようになった方は?

と講演会場を巻き込むほど
時間が超過していく

ああ、またやってしまった

でもそういう体験が心に
刻まれるはず

日本でも中国でもモンゴルでも
医療に国境はないんですわ


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-19 23:45 | 講演録 | Comments(0)

出発

上海に行って参ります

熱意が伝わりますように

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-16 08:49 | ひとり言 | Comments(1)

食道癌を見つける

食道癌を見つけるコツ

まず気合いを入れる

問診をしっかりとる

口腔内メラノーシス
咽頭メラノーシスがあったら
さらに気合いを入れる

食道に挿入する

入ったと思ったら少し引き抜いて
上切歯列だったら20cmから
観察始める

良く洗う

唾液を吸う

NBIやBLIがなければ尚更
1cmくらいづつ進める
つもりで観察する

一度立ち止まって、じーっと
食道を遠くから眺める

ざらざらしてたり、
血管がよく見えない症例
飲酒喫煙歴、フラッシャー
あると思って探す

大動脈弓、左主気管支の裏
影になってるところに癌は
隠れている

良く探す

Mtなら左側の水がたまる所が
死角になりやすい

Ltなら大動脈が蛇行している症例は
観察が難しい

前壁の心拍動があるところは撮影も
難しい

赤い所,白い所、黒い所

メラノーシスの周りに癌がいる

じーっと見て近づく、洗う、

SCJはよく息を吸って息を止める

バレット癌がないかも
もちろんみる

逆食炎に似た食道癌も時々ある


NBIやBLIがなければ
高リスク群の場合はヨードを
かける

ヨードは薄くてもいい

ピンク色に変化する不整形の
ヨード不染を生検する

もしくは精密検査に回す

もっとも見落としやすい
頸部食道は抜くときに
すこしづつ引き抜く

リスクの高い患者さんには
また来てもらう必要がある

苦しい検査をしない

中国でも伝わるだろうか?

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-15 23:03 | 学会奮闘記 | Comments(1)

効能

アルロイドGは1961年発売で
じつに50年が経過している

新しい薬がでるとすぐ既存の薬剤から
切り替えて行く経向があるにも
関わらずGERDの症状は100%
消失する、というものでもなく
NERD患者にその傾向が強い。

50年も発売され続けてると
いうことは
患者さんがその有効性をかなり
認識しているということになる

実に服用者の91%が有効で
80%がこれからも飲み続けたい
というアンケート調査がでている

適応)
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、びらん性胃炎
における止血および自覚症状の改善

逆流性食道炎における
自覚症状の改善

胃生検における出血時の止血

長く使われている、ということは
愛飲者がいるということで

主な副作用は下痢、便秘くらいで
重篤なものはない

アンケート調査によれば

飲んですぐ、あるいは数十分で
効果があり、

毎日飲んでるという人も8割
ちかくいる

一回に飲む量は30ml

症状が軽い場合や
短期間の服用する場合に
手頃

胸焼けだけでなく胃痛、
胃もたれなどにも効く

と書いてあった。

なんだかいい事ばかりだぞ。。。

ケン三郎も飲んでみようかしら



ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-14 23:51 | 逆流性食道炎 | Comments(2)

アルロイドG

胃食道逆流症(GERD)とは

胃液や胆汁、十二指腸液などの食道への逆流により
逆流性食道炎などの身体的合併症(
出血、狭窄、バレット食道、バレット腺癌)や

胸焼けを中心とした逆流関連症状により
健康な生活を障害するものをいう。

またGERDは原因不明の呼吸器症状
(咳嗽やぜんそく様症状)
ならびに咽喉頭症状(させい、喉頭炎、喉頭肉芽腫など)
の非特異的症状を来すことがあり


狭心症などの心疾患が否定されて原因が
分からないものはGERDを疑う必要がある。


年々GERDは増加傾向にあり

内視鏡初回受診者の42%に胸焼け症状、16%に
逆流性食道炎があった、という報告もある。

欧米ではさらに逆流性食道炎が多い

治療の第一はPPIを中心とした胃酸分泌抑制薬
だが


症状完全消失率は逆流性食道炎で55-84%
NERD(非びらん性逆流症)では弱く32-55%
と報告されている


さらに日本では胃癌で胃を切除した症例も多く
術後の逆流性食道炎、胸焼けにも遭遇し


PPI治療困難例には

1)H2ブロッカー併用

2)PPI高容量投与

3)PPI分割投与

4)アルロイドGなどの粘膜保護薬などを用いる



ふ~


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-14 09:08 | 逆流性食道炎 | Comments(0)

問診票の改訂

ストーカー取り締まり法

電話やファクシミリによるストーカー
行為は禁止しているがメールによる
行為は禁止していないので取り締まれない

んなバカな。。

時代に即して、変えて行かなければ
ならないことはたくさんありまして


今日,外勤先で内視鏡やったら

「体重がここ2−3ヶ月で急に減って
食事がつかえる感じがして、胸焼けもして」

「お酒飲むとすぐ顔が赤くなって」

「ここ3年検査は受けてない」

っていう60代後半の男性がいらして

「多分この人、食道癌だな」

ってピーンときて、内視鏡やったら
やっぱり食道癌。

どこの病院にいっても書いてある
事前の事情聴取の「問診票」

ブスコパンを打つか打たないかの
ための問診が幾つも書いてある。

まあ使う先生も未だいるだろうから
しょうがないなと思いつつ

絞り込みのための情報が少ない

酒を毎日飲んでるかとか
タバコをどれくらい吸ってるか
とか

すぐ顔が赤くなるかとか
若い頃コップ1杯のビールで
赤くなったかどうかとか

そーいうのを聞かないと。

全国に広めなきゃ。

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-11 00:24 | ひとり言 | Comments(0)

微調整

食道癌の手術にも
いくつかの方法があって

今後高齢化社会を迎え
食道癌患者さんは

食道癌+アルファ(心不全、糖尿病、肺気腫、肝硬変、頭頸部
癌や胃癌の既往、etc)の患者さんが増えてきます

癌専門病院のなかでも
うちは循環器内科がいないから
手術できません,他に行って下さい
と病院側の問題でリスクの高い患者さんは
治療しないという施設もあるし

その中で、大学病院はいわば
どんな条件が悪くても,出来る治療を
最大限提供する、ということになります

「こういう患者さんいるんだけど
どうしましょう」と同じ施設の
外科医の中でも
意見が分かれる事も

その根拠がデータだけでは
測れない「経験値」で

「◯◯機能がこれだけ悪いけど
あれだけ心配して手術して
今はピンピンしている
◯◯さんに比べれば
たいした事ないねえ」

と、厳しい患者さんを
手術して,乗り越えてきた
ものが大きければ、
このくらいまではこの手術ができそう

いや,この人にこの手術は危ないから
手術の規模を少し小さくしよう

という,外科医にしかわからない
さじ加減があります

やっぱり安全に
生きて帰ってこれる
ことはなるべく確保したいし

リスクの高い患者さんでも
「どうしましょう、手術か放射線かステントか?」
で悩むのではなく

外科医なら,手術で救えそうな患者さんに
対しては手術するかどうかより
術式を悩む

「どうしましょう、右開胸できそうですか?
、左開胸、非開胸食道抜去でもいいんでは?」
を考える

「右開胸」に決まったら、

皆、背筋を伸ばして、覚悟を決める

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-10 23:58 | 手術と放射線どっちを選ぶ? | Comments(0)

これからの癌治療

今日は,うちの病院に新しく
できた緩和ケアの教授の就任
パーティがあったんですわ

癌の治療、うまく行くケースもあれば
残念ながら最後,死を迎えるケースもある

日本では手術や放射線,抗がん剤
といった癌を懲らしめる治療は
最先端だけども

癌で亡くなる患者さんへのサポート
に関しては非常に遅れていて

専門病院も、治療の最後は
「ホスピス」を探して下さいとなる。

患者さんは「いやまだ、それは認めたくない」
となっていろいろ薬を試したり、
保険の効かない治療を高いお金を払って
受けてみたり。。

まだまだ最後を看取る「緩和ケアを専門にする医師」
は少なくて、

でも,癌治療においては
なくてはならない部門

いずれ死を迎える人をいかに
生活の質を保ちつつ誘導するか

「なるべく自宅で過ごしたい」

ならば、痛みを最低限、寝ている間は
苦痛なく眠れるようにしなきゃいけないし

できれば、家の中で動くくらいは
自由にできること

が最低限の疼痛管理です

「激痛で飲み薬が効かない」

時は、我慢せずに痛みをしっかりコントロール
してもらえるように
主治医に相談するほうがいいです

こうした痛みは個々の病状によっても
適切な量が違いますし

薬があう、あわないにも
個人差があります

飲み薬、貼り薬、皮下注射

それでもうまくいかなければ
麻酔科、ペインクリニック
を受診しましょう

持続硬膜外麻酔など
いろいろ相談に乗って下さいます


以前の書いたブログにいっぱい
記事を書き留めてたのに
一度に消去されたものだから

心折れてしばらく気持ちが
のらない日が続いたけれども

期待している患者さん
やご家族がいることを
ひしひしと感じて

後輩の緩和ケア屋さんに
詳しい資料を送ってもらう
ことにしました

食道癌どのステージの患者さんにも
対応できるように
全般的に詳しくならなきゃ。。。

学会が認めてる「◯◯専門医」

資格を取った瞬間から、内容を忘れてしまう
ようでは「専門医」ではありませんね

「緩和ケア」

これほど奥の深い分野もありません

たくさんのことを知らないと。


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-10 23:14 | 緩和ケア | Comments(3)

気管食道科学会

今日はお台場で気管食道科学会があって
発表してきたんですわ

経口内視鏡でいろいろ機能のついた
太いカメラで内視鏡をするのが
いいって 

多くの先生が経口内視鏡が
当たり前って信じきってるけど

広角で細径のカメラなら
こんだけ広い範囲を観察
できるし

b0180148_21395382.jpg


それでも画面上側の舌根部は
接線方向になって見えてない

中咽頭癌で重要なのは側壁と前壁
と言われていて

頭頸部癌悪性腫瘍全国登録
1988−2003年
でも側壁がダントツに多い
1132例
ついで前壁が435例
上壁(口蓋垂,軟口蓋)が355例。

我々消化器内視鏡を握るものが
よく診かける中咽頭後壁癌は
データ集計がない。

1mm癌が「ああ見えた見えた」

と思ったらその後ろに

もっとデカイ癌がいる可能性が
あるんですわ

今日は経鼻内視鏡での
中咽頭反転法を発表してきたんですわ

患者さんに大きく口を開けてもらい
ベロを大きく前に突き出して
エーッと発声させながら
鼻からいれた内視鏡を思い切り
アップアングルをかけると

b0180148_21395678.jpg


この視野になるんですわ

経口内視鏡を握ってる限りは
この領域は盲点です

「原発不明癌を探すなら
画質のいい経鼻内視鏡を」

と言い切ってきたんですわ

座長の先生に

「先生は食道外科医なのに
良く観察していて、我々耳鼻科医が
勉強させてもらってます」

というので

「いえ,この方法でいいのかどうか、
皆さんはどうやって診断されているのか
を逆に教えていただければ、、」

と答えたら

「この方法で充分ですよ」
とお褒めの言葉を頂いたんですわ

舌根部の表在癌、なかなか見つける
のが難しいですけど

100例、200例と続けて行くうちに
必ず見つかる気がします。

「幻の表在癌」

次の標的は「舌根部」です

ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-08 21:59 | 学会奮闘記 | Comments(0)

上海でValsalva

来週金曜日から上海に講演に
行くんですわ

日本と中国の友好関係

医療協力ということで

日本から6人
咽頭食道胃小腸大腸
それぞれの専門家が
講演するんだけれども

ケン三郎以外はそりゃあもう
有名どころの先生ばかりで
おしっこちびりそうなんですわ

たくさんの名医が他にいるなかで
ケン三郎が咽頭食道部門で
[NBI]を使ってない人代表
ということでどうやら選ばれた
んですわ

中国にはNBIも拡大もまだ普及して
ないから

ちょうどケン三郎が適任っ

ってことらしいんですわ

それでもこの大役を任された
ってことは名誉なことですわ

だからここ数日、そのための
スライド作りと

中国語の勉強に余念がないんですわ

食道癌が出来やすい国は
中央アジアから中国、日本と
「食道癌ベルト地帯」と言われていて

動物まで食道癌になるらしいんですわ

医療に国境はないんですわ

モンゴル,オランダ、中国

今年はいろんな所で
学会活動してきたんですわ

国境なき医師団にケン三郎
身の引きしまる思いですわ


中国の人たちと仲良くできるか
ちょっと不安だけども

それはそれ、これはこれ

日本人らしく
この難局に立ち向かうんですわ


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-05 23:11 | 学会奮闘記 | Comments(0)

PDTの適応

おそらく、放射線治療で縮小したけど
癌が完全に消えず残ってしまった

でも筋層に浸潤していて内視鏡でとると穴があくので
その適応がない

「深達度SM深部~MPでリンパ節転移がないもの」
で通過障害がないものが治療適応で通


食道が狭くなってものが通らない

という状況では適応にならない?

のではないでしょうか


「いや、うちはやってるよ」「大丈夫だよ」
その辺は今度専門家に聞いてみようとおもいます。


PDTやってうまくいけばいいけど

うまくいかなくてさらに残った場合のサルベージ手術
はPDTをあてないでやるサルベージ手術よりも
さらに難易度が高くなり、とても大変だから、

やるかどうかのメリット
デメリットを専門家に
よく相談しましょう


ぽちっとな
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# by kenzaburou41 | 2012-11-02 20:50 | 手術と放射線どっちを選ぶ? | Comments(0)