頸部食道癌は、食道癌の中では頻度が少ない
のですが、内視鏡では食道に入ってすぐなので
入るときに見ないで通り過ぎる
抜く時もゆっくり抜かないと簡単に
見おとす所です
胃の観察が終わるとよく、内視鏡に
付いているサスリストさんが
「はいもうすぐ終わりですよ〜」
と声かけしますが
「いらん事言うな」な話で、
頸部食道を見る場合は胃から戻ってきて
じっくり観察する必要があります
一般的に早期発見が難しいので
進行癌で見つかることも多く
よってリンパ節転移もあって。
簡単に周囲臓器、とくに気管、甲状腺
などに浸潤しやすい
けれども転移している範囲は頸部にとどまっている
ことが多いので根治手術に回ることが多い
手術は口側が食道入口部にかからないものは
のどを残す手術が可能ですが、腫瘍が胸部食道に
伸展しているもの、下にもたくさん多発病変があるもの
などは頸,胸、腹までの食道を全部切除する
そうでなければ、頸部食道だけを切除し、
お腹から小腸の一部を持ってきて
それを栄養する動脈と静脈を近くを走っている
血管にそれぞれつなぎます。
ここで形成外科医が顕微鏡をつかって
うまーく血管を目にも見えない糸を
操って縫合しますと、腸に血流が
行き、消化管としてつながる、という
ことになります。
喉頭を残す手術と喉頭,咽頭、まで切除する
手術
なるべく機能は残したい、でも
癌をとりきならいわけにはいかない
ので喉頭を残せるかどうかの評価が必要
です。
経鼻でValsalva法をつかって
口側にはがんが来てないぞ
ってことを良く見ておくと
参考になりますが
実際は手術のときに、「迅速病理診断」と
いって、口側のはじっこを顕微鏡でみてもらって
癌がいませんよ、と手術中に確認する
(ガイドライングレードB)、
すくなくとも粘膜面にいない事を確認する
のにヨード染色を行って、どこで切るのがよいか、
のどを残せるか?を判断します。
ぽちっとな