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進行をあらわす言葉

「食道癌」が見つかりました。

以前も今も「癌」という言葉に
ショックをうける患者さんはすくなくなく

医療人はそれに比べて、「癌」と日々戦っている
わけで、「あなたの病気は食道癌です」

という言葉も、日常的に使っている言葉です。


しかしながら「どれくらい進んでいるのか」

を示す言葉はいくつかあって

我々がつかっている言葉と、患者さんやご家族が
受け取る印象、ニュアンスが正確に伝わっているか?

というのは時々心配でして。


「大きい」「広い」「深い」

いずれも癌の大きさを示す言葉で
大きいほど、広いほど、深いほど
進行しています


食道はちくわのような筒状の臓器です


ちくわの内側から癌細胞が増殖すると
ちくわの肉のほうに、内から外へと
大きくなっていきます。


我々は、その壁を断面で切り取っていくと、
上から下のほうへ深く潜っていく

この深さの程度が深いほど、周りに転移しやすくなる
ことがわかっていますので

深さの度合いを示す言葉が必要になります。


これを「深達度」(しんたつど)と呼びます。


がんが進行しているかは、おもにこの深さのレベルが
筋肉の層まで到達してるかによって決まります。

大きいもの=深い

と考えてよいです


「どーなんですか、大きいんですか?」

「大きいです、内視鏡では切除できません」

という場合は筋肉の層まですでに癌が到達してる
ことを意味します。


しかしながら例外があって、深さは浅いけども
浅く広く広がっていくタイプの癌もあります


5cmを超えるものを
「表層拡大型食道癌」(ひょうそうかくだいがたしょくどうがん)
と呼んでいます


「どーなんですか、大きいんですか?」

「大きいといえば大きい、
大きいというより広いです」

なんのことかさっぱり?ではないでしょうか


浅く広く広がっていくので

大きいか小さいかでは大きい

広いか広くないかでは広い

でも深いかというと深くはない

よって、この病気は「広い病気です」
と言われた場合は、「内視鏡治療のチャンスがあるかもしれない」

と考えましょう



言葉のもつ意味は大きいと
つくづくかんじています。

正確につたえなくては。。。
by kenzaburou41 | 2012-08-05 22:14 | ひとり言 | Comments(0)
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