食道癌の手術をして
リンパ節転移がたくさんあった、8個以上あった、
頸、胸、腹の3領域に転移があった
反回神経に浸潤していて神経も合併切除した
こういう場合はかなりの確率で癌が体内に残っている
可能性がたかく、
医者の中では「この方は抗がん剤を追加したほうがよさそう」
「きれいにとりれたか不安があるから放射線もやろう」
と次の作戦を考えますが、
患者さんにとっては、まず、手術後の大きくかわった体の
作りにとても慣れることができない、
というギャップとの戦いが始まります。
入院中は、だれしもが、食事をとるにも恐る恐る
でゆっくり一口飲みこむにも慎重にはじめますが
退院するころにバクバク手術前の元気だったころに
戻れる方はまずいらっしゃいません。
「食道をどれくらい切ったんでしょう、胃がどれくらい
残っていますか、胃がそのう血大きくなりますか?」
胃の大部分がのこっていても細い管になって
頸まで引き伸ばされるので、一度に食べられる量は
もとの半分と考えましょう
肝心なことは「早く元に戻そう」として
一度に早く食べ過ぎる方がいらっしゃいます。
術後1年くらいたったときが要注意。
「もう1年経ったし、そろそろたくさん食べても大丈夫だろう」
これで失敗する方が時々いらっしゃいます。
胃は永遠に大きくなりません。
一度にたくさん食べれば、容量オーバーでパンクします
頭と体が一致するまで3年はかかります。
できることは
出来るだけ早く、自分の一度に食べられる限界を知ること
そしてその限界を一生守ること
食べられるものと食べられないものを自分で
研究して自分の生活スタイルを築くこと
です。
胃に負担をかけない、胃をいたわる、
そういう意味で歯は重要です。
歯でよくかんで、胃に送り出す
あせらず。人と比べない。
そしてマイペースを貫く
まずはよく噛むことからはじめましょう