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進行食道癌の治療戦略

来院したときにすでに肺や気管支との交通があって
根治切除が難しい、というときに

抗がん剤、放射線を行う、

というのが標準的な治療法ですが

先に食道バイパス手術をしてから

食べることをまず確保して、抗がん剤、放射線をやる、

というような戦略もまたありまして。

手術、抗がん剤、放射線をどう組み合わせるかは
人それぞれです。

個々の状況でなにがベストかを考えながら治療が進みます。


バイパスやりました。

放射線抗がん剤終わりました。

幸い、放射線がよく効いて癌は小さくなったようです。



さて、ここでも選択肢が3つあります。


1)癌が治ったように見えるくらい小さくなっている、
しかも食べられているのでしばらく何もしない

2)抗がん剤がよく効いていたから抗がん剤を継続する

3)がんが消えたかわからないが、今なら根治切除が
できるかも、、という可能性にかけて残った食道を
取りに行く


さて、ケン三郎の施設はどれを勧めるでしょう?


手術があまり得意でない、腫瘍内科が
経過を見ている、なら2)だとおもいますが


CRになったように見える=半分は再発する


こともわかっていますので、

3)の食道切除を勧めています。


問題はきれいに癌をとりきれるか、というところ。

ここで癌がのこってしまうと、あとにはもう有効な
治療が抗がん剤しかのこってないわけですので

明らかに取り残しそう、、、な場合は手術を勧めません

1)の経過観察もなくはないのですが


放射線でたたかれてそれでも残った癌は
強力な反撃をしてくることがあります


ゆえに、チャンスはそうない、とおもって
放射線治療の後遺症がないことを確認できたら

よく相談して、治療方針をたてましょう
by kenzaburou41 | 2012-08-26 00:59 | サルベージ手術 | Comments(0)
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