今年3月に食道がんを告白していた作詞家で直木賞作家のなかにし礼氏(74)が、がんを克服し、10月1日からテレビ朝日「ワイド!スクランブル」(月~金曜前11・25)のコメンテーターに復帰することが9日、分かった。生出演した3月5日の同番組で、休養し治療に専念することを明かしていた。闘病前と変わらず、月曜日に週1回登場する。
お茶の間に衝撃を与えた食道がん生告白から半年。なかにし氏は番組側が降板扱いとはせず、復帰を待っていたコメンテーター席に戻る。関係者は本紙に「8月23日にがんが完全に消滅したという結果を聞いたそうです」と明かした。がんの進行の程度をなかにし氏は「初期の段階よりもちょっと進んでいる」としていただけに、その後が心配されていた。
なかにし氏は27歳と54歳の時に心筋梗塞を患っているため、手術に不安があった。今年7月に発売した著書「人生の教科書」(ワニブックス)では「現在の日本における“切らずに治すがん治療”の全知全能にかけてみようと決心した」と告白。関係者によると、放射線治療の一種「陽子線治療」を見つけ、その治療効果で克服したという。
「ワイド!スクランブル」では01年11月からレギュラー。文化や芸能のほか、事件や政治について鋭いながら温かい気持ちをうかがわせるコメントが好評だった。闘病に入る前、復帰について「新しい試練として、何とか克服できて元気な自分に戻ったら」と語っていただけに、多くの視聴者から温かく迎えられそうだ。
これまでに、北原ミレイ(64)の「石狩挽歌」(75年)、細川たかし(62)の「北酒場」(82年)、故石原裕次郎さんの「わが人生に悔いなし」(87年)など多数のヒット曲で人生を描いてきたなかにし氏。今後の活動がますます楽しみとなる。