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咽頭胃管吻合

下咽頭癌が中咽頭(舌根、後壁)および喉頭蓋舌面、
さらに頸部食道に伸展し、食道には全周性に表在癌が
腹部食道までひろがる病変。

頸胸境界部にリンパ節転移疑い

なる状況での術式。

CeUtの症例では必要に応じて胸骨縦切開
にて反回神経周囲(106rec),
胸部上部食道傍リンパ節(105)

CePhの症例は咽頭周囲103
外側咽頭後リンパ節(ルビエール)
=軟口蓋の高さで、後咽頭隙内の
内頸動脈の内側に位置する

これらの郭清が必要

最近はCRTがよく効くので
昔ほど咽喉頭食摘が
少なくなりましたと耳鼻科の先生。

「胸骨縦切」=胸板の骨を縦に
わって、癌がよく転移する106rec
をみるには
たしかに視野がめちゃめちゃよくて
手術はやりやすい

が、その分、体の負担は大きくなる

ので。

頸とお腹から両方から覗き込むように
して切除し

下からは指で左主気管支を触れる

上からは大動脈弓を覗き込める

そのくらいまでは、郭清できる。

縦隔鏡があればもっといいのかもしれない
けども。。

「食道抜去」
見えない所は用手的に、食道の周りを指
で剥離していくが
最後の気管支動脈の当たりでブラインド
操作になる

ストリッピングのようにして食道断端を
引き抜いて、最後に残った部分を引っ張りながら
直視下で剥離する

動脈が根元から引っこ抜けた場合
は止血が非常に難しい

止血のためにはしばりしろを
残して切れた方がまだいいので
必ず食道ぎりぎりで剥離する

「咽頭胃管吻合」

胃管がとどくためには「後縦隔ルート」
を用いる

胃壁の先端の血流は「胃壁内血流」

胃は小弯側から入ってくる血管
カラスの足?のところを切離ライン
として切り上げる

できるだけ大網を付けて大弯側からの
血流を確保する?

吻合は「手縫い吻合」になり

咽頭側が大きく、胃管側が小さい
吻合口となるので、縫うときに
咽頭側を縫い縮めるように
調整する

胃管壊死、縫合不全、
長期の絶食の可能性、
周術期の免疫防御機構
退院後の補食

のために小腸瘻を置く

手術時間、なんだかんだいって9時間。

うまくいきますよう。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2012-09-19 07:38 | 手術メモ | Comments(1)
Commented by くるみ at 2012-09-19 18:50 x
食道の手術って本当に大。大手術なんですね・・と改めて思いました。そんな大手術をして今。普通の生活が出来る事はすごい事、主治医の先生を始め手術にかかわっていただいた皆さんに感謝しないといけないんですね!!
ちなみに私は10時間以上かかりました。
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