食道癌の手術が安全に行えるようになった
とはいえ、手術合併症で死亡することもあり
その最も頻度の多いのが呼吸器合併症で
近年、我が国ではこの術後合併症を減らすための
「温存治療」が行われている
「気管支動脈の温存」
=右気管支動脈は奇静脈弓背側にぴったり接して
走行するため、これを損傷しないように
注意して奇静脈弓を切離する
奇静脈弓の両端を持ち上げるようにして
背面を剥離していくと右気管支動脈を
確認できる
右気管支動脈は下行大動脈から起始したあと
第3肋間動脈を分岐し、走行を腹側に転じて
右気管支へ向かう
分岐した直後で第3肋間動脈を切離し、気管支動脈を
遊離しやすくする
「迷走神経肺枝」の温存
肺血管外水分量の調節や咳嗽反射に関与すると
考えられており、温存に努める
迷走神経本巻から右主気管支に向かって肺枝が分岐
するため、分岐後に迷走神経を切離してこれを温存する
切離した神経の断端を鉗子で把持し、これを
腹側手前に引き上げると郭清すべき気管分岐部のリンパ節が
出現する
こうした取り組みが本当に合併症を減らせるかについては
明らかな証拠がないが、
やってみる価値はありそう、と書いてある。
勉強勉強。
ぽちっとな