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技師認定制度

胃癌X線診断を生業とする放射線技師さん

それを教育する制度が日本には古くから
根付いていまして

早期胃癌をそれは見事な絵で描出する
仕事人のかたがたくさんいらっしゃいます

我々も放射線の技師さんの協力なしに
この業界では生きて行けませんし
いつも無理をお願いして検査を入れてもらったり
助けてもらっているのですが

教育の面では、すでにバリウムから内視鏡
にシフトしているような所があって

だんだん、せっかくいい写真がとってある
けど、それを読影できる医師が減っている
ようにも思います。

講演のなかで、「この方はふりかえってみると
3年前から食道にどうも異常があった、少なくとも
1年前には異常が技師さんにはわかっていた
ようですけど、それを読影する医師が異常なし
と判定したようです」

我々も小さな異常は最初のうちは分からず
大きくなってから気付く、あとから振り返ると
よくみればわかる、というのは少なからず
経験しますし

100%診断できるわけではない

でもなるべく見落としを減らしたい
と考えているわけで

きれいなバリウム造影でその道の達人が
食道癌を描出
している写真を見ながら

うーん、やっぱりm1m2の癌はバリウムでは特徴が
捕らえにくい、どうみても内視鏡のほうが
アドバンテージがあると実感。なにより
その道の達人じゃなくても,簡単に診断できる。

僕らより上の「バリウムで診断をしていた時代」
の先生はX線診断に明るい

僕らは、バリウムの教育はうけたけども
自らはバリウムを使う事は少なくなって
内視鏡にシフトして、
もう自分ではおそらく検診の読影の仕事は
できないだろうという世代。

今の若い世代はもう内視鏡一本、覚えるのなら
拡大、超音波という先生もいるだろうし
自分じゃバリウムやりません,技師さんに
お任せしています、というのもあるだろうと
思います。

でも、そんだけ認定制度を作って、診断に
長けた技師さんがいて、さらに専門技師を養成する
システムを作っていて

「技師さんが診断できたのに医師はチェック
してくれなかった」

んだったら、患者さんはなんのために
わざわざバリウム検査をうけたんだろ。

と思うわけで.


対策)
若い医師にX線診断をもっと教育??

認定医制度の充実?

技師さんの権限向上!

検診学会に参加して、
胃癌X線検診に携わる人が
たくさんいるので

バリウム検診は,日本が誇る歴史ある胃癌検診
システムでこれをすぐ辞めましょう
という話にはならないことがわかったのですが

食道屋さんからの立場から言って

「咽喉頭食道早期癌の描出は難しい」という現実を
ふまえると。

「リスクの高いひとには内視鏡を勧める」
といった住み分けをしたほうがよくなくない?



ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-06-11 07:37 | 診断の達人たち | Comments(0)
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