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10年前

10年前はというとちょうど、
食道癌に対する抗がん剤と放射線が脚光を浴びて

「手術とケモラジ、どっちを選ぶ?」

がシンポジウムの議題にあがり

「もう食道癌に手術するなんて意味が無い」

とまで言われた時代。

その後に,切除可能食道癌への治療成績が
明らかとなって、だんだんケモラジは下火
となり

そうはいっても、手術を希望しない
患者さんがある程度いるわけなので、
いかにケモラジの成績を手術に近づけるか、

ご苦労があって,今度の食道学会でも

「占拠部位によって照射野を狭くする」

「放射線はなるべく続けて行う」

「再発したら手術もしくはESDで速やかに
救済する」

など、丁寧に経過を追う事によって
手術と遜色ない成績が得られた、という。

でも手術とケモラジ+手術の成績が同じだったら

ケモラジする意味あんまりなくない?

と当然思うわけで

相当ケモラジになれた施設でかつ
サルベージ手術をたくさん経験している
施設で、かつ、条件がすごくいい人の集団

という縛りの中での成績なので

一般的にこれを勧められるか、というと
またそれは別の問題。

食道癌の治療は、そうはいっても個別の事情
で,選べる治療が限られることは
よくあること。

いろんなことにアンテナを張って
よりよい治療法の確立、

今日より明日がいい治療を提供できますように。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-06-21 00:10 | 放射線治療 | Comments(0)
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