左開胸下部食道噴門側胃切除
おもに食道胃接合部、腹部食道、Ltの下半分くらいまで
上縦隔にはほとんど転移がなく、下縦隔から腹部の郭清を
しっかりした方がいい
という病気への術後対策。update 2013
1)逆流性食道炎
手術では食道の下3分の1程度,胃の3分の1程度を切除し、残った胃を細くして食道と吻合しています.(小腸をつり上げて吻合することもあります).本来備わっている食道~胃の逆流防止装置部分を切除していますので、食後にすぐ横になる,平らにして寝る,うつ伏せにして寝る、何かものを取ろうとして前かがみになるといった行為をすると消化液が食道に逆流し(酸っぱいものがのどまで上がってくる)逆流性食道炎を起こす危険があります。
食後の逆流は必発であり,誤嚥性肺炎の原因となるばかりか,高齢者では窒息死の原因となる.食道再建術の致命的欠点であり,他臓器癌(頭頚部>胃>肺,大腸,前立腺)と並んで高齢者の他病死の主因です.元々食道癌が出来たのも逆流が一つの要因の可能性があるため、今後も生活するうえで逆流に気を付ける必要があります。
逆流性食道炎の特効薬に強力に胃酸を抑える薬がありますので、術後は薬を飲んでいただき逆流に備えます。食後は1時間以上起座位を保ち、その後は横になってもいいが、逆流するのでなるべくうつぶせは避ける、上半身を起して寝る。就寝前の食事は厳禁.夜食代わりに経腸栄養を使いましょう.
食直後の逆流は食物そのものよりも胃液中の粘液(比重が小さい)が戻ってくると訴える事が多い.夜間の逆流は胆汁(苦くてヒリヒリする)と胃液(酸っぱい)の混じった刺激の強い液体が咽頭にもどってきて,覚醒する人も多い.明らかな逆流や誤嚥の自覚がなくても夜間には必ず逆流は起こっています.
→臥床時には必ず頭高位とする.座布団を2枚くらいひいて、寝る。旅行先でも同じ.死ぬまで一生続けましょう
逆流で覚醒したら,よくうがいと咳をして,その後水を飲んで数分間座位をとったのち就寝する。毎日起床時と就寝前にはよくうがいをして,同時に意識して痰を喀出させる.
食事のあとで咳をさせると胸腔内圧が上昇して逆流が起こるので,食事前がよい. 逆流予防策として油ものは出来るだけ昼間に食べる。(ポテトチップやコロッケ、とんかつ、天ぷらなどは夜食べない)夜食べながらジュースをガブガブ飲まない。夜のデザートはなるべく和菓子や果物にする、など。
ぽちっとな