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術後経過観察update3

4)体重が増えない
胃管再建例では1回の食事量は術前の半分が普通です.術後数年しても増えません。胃は永久に大きくなることはありません。無理にたくさん食べるとたちまち下痢したり(ところてん方式),喉から落ちていかないで逆流する.→体に必須のタンパク質に富む副食を主とし,主食(炭水化物)は副(おまけ)と考える.
 毎食事どきには副食を摂って,間食として炭水化物の多い物(おにぎり,煎餅,スナック菓子,饅頭など)を摂る。熱いもの(常識の範囲で)や辛いものは食道炎を悪化させる
ことや、新しく咽頭癌ができたりする増悪因子になるので、なるべく控える。
間食は必須ですが,夜食は禁止。在宅経腸栄養を術後3カ月程度継続する。(これも個人差があり、食べられる方は1-2ヶ月でやめる方もいらっしゃいます。昼はお仕事して
夜間滴下しながら寝て朝終了するというのでOKです。必ずしもきっちりやる必要はありません。1日2パックが目標ですが食事が取れたら減らしたり、食べられなければ増やしたり,自己調節してかまいません。食が細いと感じたらふやし、逆に食べられていれば一日おきとか間隔をあけてもかまいません。体重は最も簡便かつ包括的な全身状態の指標です.毎週一回条件を決めて測定する(起床時)。術後患者の体重は標準体重より少ないのが普通で,-10%程度までなら許容範囲でしょう.術後3カ月までは減少し,その後安定しますが,増加に転じるには2年以上かかります.その間前述のように再発や肺炎などの合併症があればたちまち減少します.従って減少し続けなければOKということです.体重を増やしたいからといって無理に食事を増加させれば,かえってダンピングを誘発し,逆効果となります。

5)食事がつかえる
食事を少し摂ってからつかえるのか,一口目からつかえるのか?によって対応が異なります。→後者は吻合部狭窄(食道とつないだ胃のつなぎ目が狭い)症状なので外来を速やかに受診し、内視鏡で拡張してもらう。前者は再建臓器の容量不足が原因なので,つかえ始める量を会得させ,つかえたら15分ほど食事を待って再度食べ始めるようにする。 
再建胃管は底に小さな穴のあいた一輪挿しであり,術前の胃袋は丸い花瓶であるというイメージを持つとよい。
 胃の出口の蠕動能の回復が遅いと食事量が増加しにくく,貯留感が持続する。
吻合部の大きさはせいぜい15-20mmくらいです。これ以上のものは吻合部を通りませんので、突っかかったような状態になり、非常に苦しいようです。食べ物が詰まって物が通らない場合は、救急外来を受診し、内視鏡で異物を除去します。これまで詰まったものの代表として 焼肉(とくにホルモンなど)・イカのさしみ・ナス・お餅・こんにゃくなどがあります.食べてはいけない事はありませんが、良く刻んで食べるようにしましょう。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-12-28 17:10 | 手術後のアフターケア | Comments(0)
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