食道の専門家なら
だれしも、食道粘膜全周とったら高度狭窄がおき
何度も何度も拡張を続け、食道が残ったとはいえ
生活の質は低下し、通院を続ける
あるいは、転移のリスクがあるのに狭くて
放射線を当てられず、再発して亡くなった
などの痛い思いを何度か経験しているので
全周切除はやっちゃまずい
というのが常識だった
全周切除OKって先生は、そうとうの達人か
「俺ならこんなに切除しますよ、すごいでしょ
でも拡張は部下に任せてます、切除したらsm2だった症例も
結構ありました、まあご希望ですから」
ってその適応を十分に検討したのか、が問われる状況
でも、これなら内視鏡で治るかも、
どうみてもフラットでm1-2、拡大B1
転移はない、
こんな患者さんを内視鏡で治せたらと
だれしも思うし
患者さんだって手術して癌を克服しても
外科医に感謝しない、手術にまわった、症状もないのに
と
なるべく内視鏡で切ってほしいと懇願する
胃のESDはある程度マージンをとって切除しても
狭窄を心配するのは1%くらいだから、マークぎりぎりで
切除ってことがない
でもこれを食道でやられると、高率に狭くなる。
なんでこんなに正常粘膜とったんだろ
わざと狭窄つくってんじゃね?
っておもう検体が提示されることもある。
しかし、正常粘膜をいっぱいとって、いっぱい苦労
した分、狭窄へどうやって対応したらいいか
という治療法が確立されつつあり
食道専門家なら絶対そんなにとらない、
病変ぎりぎりで切除する
ってことをやらなくても、大丈夫になりつつある
こうして苦労して、いい方法が確立されたら、
「ほら全周とっても大丈夫だったでしょ?」
となり
全周とっちゃいかん!と怒ってた古い人は排除される
むかしm1m2癌にEMRなんてとんでもない
と内視鏡医は外科医に睨まれたという
しかし今は、浅いものは内視鏡で治ることが常識になってる
時代時代でいい治療は残り
よくない治療はすたれていく
アンテナ貼って、いい治療がないか
勉強しなきゃ