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毎週表拡

ここんとこ毎週のように表層拡大型食道癌の
紹介があって、

「治療をどうするか、悩ましいですね」

検査も広域をスキャンしなきゃいけないし

「どうしてこないだ内視鏡やったのに
また内視鏡なんですか?あれじゃダメなんですか」

ダメじゃないんですけども。

「私は手術や放射線はうけるつもり
ないですから、とにかく急いで取ってもらえません?
内視鏡で」

ごもっとも、我々の診断なんて
食道癌の多様性からして完璧に推測する
ことなど困難。

血管一つで深達度うんぬんなんてわかる
わけがない

そう思っていても、実際は
明らかにESDの適応がないのに
ESDを勧めたり

最初から手術をしたけど実際は手術
しなくてすんだ

という残念な結果を極力避けたいから

診断をきっちりしましょうということで。

全周部分が5cmもあると
ホントに全周とって大丈夫なんだろうか

よく「こんなに筒のようにとれました」
って写真を出してる先生がいるけど
食道屋さんは高度狭窄でつらいおもいを
何度もしてるので、
あんなこと怖くてできない。

「大丈夫なんですよ」と主張するなら
その先生に全部紹介して狭窄後の
フォロウも全部してほしいくらい
全周切除はできれば回避したい。


とはいえ、患者さんの願いは切実で
手術しなくて済むならその方が助かる

その気持ちはよくわかるわけで

毎週、表拡の食道癌はきつい、、、

けれどもやりがいはあるのです。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-03-20 00:04 | 表層拡大型食道癌 | Comments(0)
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