術後に集中治療室に入った患者さんの
多くは
「うるさくて眠れやしない
チューブにつなげられて生きた心地がしなかった
もう2度と行きたくない
大暴れしたらしいけど覚えていない」
と日常から急に非日常的な
環境に置かれて「せん妄」を引き起こす事があります。
認知症患者のせん妄や睡眠障害にたいして
光を使った治療が有用であることが報告されて
おり
厚生労働省の委託研究で作成された書籍「睡眠障害の対応と治療ガイドライン」( 睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会、じほう)によると、「睡眠障害の原因の1つに生体リズムの乱れがあるが、これは概日リズム睡眠障害の患者だけに限らない。生体リズムの同調因子は多数あるが、光が最も強力である。 」と明記されています。また、高照度光療法は1980年代から知られており、1990年代以降は認知症の方の昼夜逆転・せん妄にも効果を発揮することが多くの文献により報告されています。
これを食道癌の術後急性期にも
応用しようという試みが
集中治療部で行われております。
大型の人工照明を朝7時半から9時半までの
2時間にわたり目の前で約5000ルクスの照度条件で
抜管後から3日間実施。
すると光を与えた方が術後3日目の
せん妄のレベルが有意に低かった、
と報告されてまして
患者さんが「朝起きて夜は寝る」
というリズムを作れない、睡眠の回復が
遅れるかたは術後の身体的回復にも
時間がかかり、より重篤になるという
報告もあります
朝はまぶしい日の光でめざめる
そんな当たり前の環境を整備して
あげることが重要なのだ。
ぽちっとな