食道癌で孔があくという状況は,すごく癌が進行していて
患者さんに聞くと「症状はあったけど怖くて病院にいかなかった」
方が大半。
「そのうち治ると思ってたら悪化した、自分は癌にならないと
おもっていた、自分は健康で一度も病気にかかったことがない」
こうした考えは危険な発想で、
癌の治療はなにより早期発見、早期治療が重要で
患者さんが診断された時点でおおよそあと5年生きられるかどうか
が推測されます。
食道の周りにある臓器=気管、左気管支、右気管支、肺、大動脈、心臓
すべて重要臓器に取り囲まれていて
「外科の花形は心臓外科だ」と心臓外科医はいいますが
なんのなんの、食道外科もこれまた、いろんな知識を総動員しなきゃ
難敵の食道癌とは闘えず
それぞれ重要臓器に癌が浸潤したときはそれをどうにか
コントールするすべをみつけなくてはなりません
気管と気管支に交通ができると
「食物」ルートと「気道」がつながるので,一気に肺に汚い
ものが流れ込み、肺炎が必発、という状態になります。
これを阻止する方法としては
食道にステントという筒をいれる
もう一つは気管・気管支に筒を入れる
ですが、食道癌で気管支まで狭くなる、というのは相当進んだ
状況ですので、一般的にはまず食道にステントを入れる
ことがおおいです。
その入れたステントですが、、狭くなった食道をぱ~んと
拡げますので,今度は気管や気管支が圧迫されて
狭くなり、息ができなくなる、こまった、、、
というところで今度は気管・気管支ステントの出番、、
ということになります。
気道と食道が分離できればいいわけですので
食道バイパス手術もまた一つの手法であり
食べる道が確保されたら、根治的な抗がん剤+放射線で
いよいよ本丸を倒しに向かう、
しかし、長い長い道のりです。
精神的にもつらい日が続きますので
「治療開始から緩和ケア」
で不安を和らげる治療が平行して行われます。
ものすごく放射線が効くかたもいますし。
あきらめずに根気よく
医者があきらめたら,患者さんはどうなる。
ぽちっとな