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壁内転移

食道癌の壁内転移
がある症例。

「こういうのはものすごく予後が悪いんです、
手術しちゃいけないんです」

と重鎮がおっしゃる。

いやいや確かにリンパ節転移ごりごり
で遠隔転移もありそう

うん、まず手術を、、

とはならなそう

「全身病」だからまずは強力な化学療法

アメリカでも
5FU系とCDDP系の組み合わせ もしくはドセタキセル
を加えた3剤。

選択されるのはまちまちで

D/F/オキサリプラチン

のディーフォックス DFOX
なんてレジメンもあるとか。

で、DCFも2コースくらいはよくきくけど
4コース、6コースとなってくるとだんだん
効き目が薄れてくる。

ここで治療をどーすっか。

「壁内転移があるから予後悪い」

は分かった上で、次の治療のセカンドライン、
放射線、手術といった選択肢。

一番よさそうなのは「癌が一番小さくなった段階で
強力なダメージを与えられる治療」

たとえば、ここで食事がとれなくなった、
若いしできるだけ家で過ごせる時間を作りたい、
であれば「予後がわるい」といっても手術は
ありだろうし

「手術しちゃいけない」とはいっても
他に有効な治療ありますか?な状況であれば
手術もありかも。

いやいやここは放射線で、、、
という立場の放射線科医も

「治療の目的を、食べられるようにすること、
手術後速やかにまた次の治療に移れるなら
手術してもらったほうがいいんじゃないか」

ということで

「治療後に再ステージングし、方針を考える」

は 食道癌には非常に重要であり

患者さんも癌を抱えたまま、一手を
どうするかを相談する。

10年前は手術VSケモラジで
どっちを選ぶ? 

「治療成績変わりない,手術意味ない」

なんてのが、はやって、
ケモラジに走った時代もありますが、

いまはお互いの治療のいい所をうまく
組みあわせて、、というのが常識。

「何がなんでも手術しちゃいかん」
みたいな空気は
今はかなり減って来てるように思います。

もちろん、手術がうまくいく
ことが大前提ですが、、


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-11-29 10:38 | 集学的治療法検討会 | Comments(0)
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