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レゴラフェニブ

難治性進行食道胃癌に対して経口マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブが有効である可能性が明らかとなった。オーストラリア、ニュージーランド、韓国、カナダで行われた無作為化二重盲検プラセボ対象フェーズ2試験INTEGRATEの、最終全生存期間(OS)解析とサブグループ解析の結果示されたもの。5月28日から6月2日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で、オーストラリアRoyal North Shore HospitalのNick Pavlakis氏によって発表された。

 INTEGRATE試験は、28日を1サイクルとして、1日目から21日目まで毎日レゴラフェニブ160mg投与と支持療法を受ける群(レゴラフェニブ群)と、プラセボ投与と支持療法を受ける群(プラセボ群)に、患者を2対1に割り付けて行われた。投薬は病勢進行または高度な副作用が発現するまで行われた。プラセボ群の患者は増悪後、レゴラフェニブの投与が許容されていた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は奏効率、2カ月時点の臨床利益率、全生存期間(OS)、安全性、QOLだった。

 対象患者はファーストライン、セカンドライン治療に抵抗性の再発または転移を有する食道胃癌患者だった。

 最終解析は2014年12月31日までのデータで行われた。観察期間中央値は74週(95%信頼区間:63-84)。試験には2012年11月から2014年2月までに152人が登録され、147人(レゴラフェニブ群97人、プラセボ群50人)が評価可能だった。女性が29人(レゴラフェニブ群19人、プラセボ群100人)、原発部位は胃食道接合部は56人(レゴラフェニブ群37人、プラセボ群19人)だった。前治療レジメン数は1が62人(レゴラフェニブ群41人、プラセボ群21人)、2が85人(レゴラフェニブ群56人、プラセボ群29人)。オーストラリア/ニュージーランド/カナダが93人(レゴラフェニブ群62人、プラセボ群31人)、韓国が54人(レゴラフェニブ群35人、プラセボ群19人)だった。

 投薬期間中央値はレゴラフェニブ群が8週(95%信頼区間:6-9)、プラセボ群が4週(同:3.9-4.3)だった。レゴラフェニブの用量強度中央値は150mg/d(韓国130mg/d、オーストラリア、ニュージーランド、カナダが160mg/d)だった。プラセボ群の29人は増悪後、レゴラフェニブの投与を受けた。

 PFS中央値はレゴラフェニブ群が2.6カ月、プラセボ群が0.9カ月で、ハザード比0.40(95%信頼区間:0.28-0.59)、p<0.0001で有意にレゴラフェニブ群が長かった。一方、OS中央値はレゴラフェニブ群が5.8カ月、プラセボ群が4.5カ月で、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.51-1.08)、p=0.11でレゴラフェニブ群が良い傾向があった。奏効率はレゴラフェニブ群が3%、プラセボ群が2%、2カ月時点の臨床利益率はレゴラフェニブ群が45%、プラセボ群が18%だった。

 事前に規定されていた解析の結果、PFSのハザード比は韓国が0.12、その他の地域が0.61で、p=0.0009で差があったが、前治療のライン数、好中球/リンパ球比(NLR)、原発部位、腹膜転移の有無、転移部位数、VEGF-A量ではPFSに差がなかった。



有意差があったとはいうものの。。。
by kenzaburou41 | 2015-06-06 00:02 | 抗がん剤治療 | Comments(0)
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