昨日7月最後の講演に行ったきたんですわ
いつもの経鼻の話ではなくて
食道がんの内視鏡治療の話ですわ
つい最近食道の世界では
腫瘍に親和性のある光感受性物質を
投与し、そこにレーザーをあてて光化学反応で
腫瘍を死滅させるPDTという治療があり、
そのなかで「レザフィリン」が肺がん、脳腫瘍につづき
食道がんにも保険適応になったんですわ
先の食道学会でもその治験のことが発表され
ケモラジ後の局所再発にかなり高い治療成績
が得られた(T1では100%、T2では57%)
ってことで
これまでAPCか、むりやりESDか、
あるいはサルベージ手術か、という選択に
PDTが入ってくるんですわ
「先生、ではAPCとESDとどう使い分けてるんですか」
APCはだれがみてもごく浅いEPがんにおもに使ってます
でももともとがSMより深いもの、だれがみても厚みのある
ものはESDで取りに行きます
この場合リンパ管もつぶれているとかんがえているので
筋層浸潤がなさそうであればSM2−3でもESDをトライして
います
サルベージ手術したことのある食道外科医なら
わかりますけど、放射線治療後の食道ってかっちかち
に周囲組織も硬くなってて、内視鏡で筋層かじっても
大穴はあかないと思います
問題はがんがどういう形で浸潤してるか?
で、筋層にもパラパラ染み込んでるもの
これはESDでは治らないわけで、限界もあります。
また、そういう危険なESDはだれもやりたく
ないわけです。
安全性を重視しながらサルベージ手術をやれば
いいわけで
でもやっぱり手術はうけたくない
食道を温存したい
っていう患者さんは一定の頻度でいらっしゃいますし
あるいはもう遠隔転移もでて、手術しても
治らない、でも食事は続けたいというひと。
そういう患者さんにはPDTはこれから
需要がありそうで。
治ることを目指す治療と
食べることを目指す治療。
食道がんはまだまだやることがたくさんあるぜよ〜
ぽちっとな