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頭頸部表在癌の治療適応

本日品川の高輪プリンスで開かれてる
JDDWに参加発表してまいりました。

この準備のために、日夜データを調べる事限りなく

ブログの更新もおろそかに。

頭頸部表在がん内視鏡治療の長期経過
ってことで食道がんの患者さんが次に罹患する
可能性がもっとも高い頭頸部がん、肺がん。

これらを早くみつけて早く治療すれば治りますか?

という命題。

答えはYESで

実に頭頸部表在がん(明らかな転移がないもの)
の治療成績は非常に良好でして

上皮内がんは、内視鏡治療だけで治ります。

では上皮下浸潤がんどこまでなおるか?

人によっちゃあ上皮下浸潤がんは相対適応です
なんていう方もおりますが

なんのなんの。

頭頸部表在がんは食道がんより組み易しで。

我々の施設でこれまで250例390病変に治療

うち2年以上経過が終えた
上皮下浸潤がん74例中転移再発11例。

転移症例の特徴は病変の厚みが1MMを超えるもの
は半数が再発。

病型は0−1がほとんど。

脈管陽性(LY+またはV+)だと半分以上は再発する

がしかし、追加治療どうすんの?が定まってない。

脈管陽性で厚み1.5MM以上は要注意で
いちおう効くかと思ってTS1を2年間続けたものの
やめてからしばらくして出てきた、というのが
TS1飲んだ5例中4例が再発。

ただ再発発見時期が延びただけで
結局化学療法では治らない

ということが判明し

「いまでは出てきそうな症例は密な経過観察を
やってます」

再発発見法はまず頸部にしこりがでてわかることが
ほとんどなので患者さんは朝起きたら
頸にこりこりがないかを触ってみること。

通院中の外来では必ず先生に頸触ってもらうこと。

頸でふれることのできないルビエールリンパ節
に転移が起きるケースもあるので必ずCTも
どこかで撮影すること

どちらかというと耳鼻科よりも消化器の内視鏡が
性能がいいので、のどのまわりは消化器内視鏡をもちいて
再発がないかをチェックすること。

咽喉頭をくまなく観察するのは拡大内視鏡よりも
画質のいい経鼻内視鏡が最強で。

とくに舌根が見落としやすいのでケン三郎先生が
開発した中咽頭反転法をハイリスク例には行うこと。

頸のこりこりは、食道外科医も診察しているが
耳鼻科医の触診にはかなわないので
かならず耳鼻科医にこりこりがないかを
みてもらうこと。

頸に再発した11例中10例が現在のところ、
声も残せてかつ再再発もないという状況。

食道だったらそうはいかないけども
咽頭表在がんは出てきてからでも十分対応
できそうな印象〜

内視鏡治療のすぐ後に照射をするという意見もあるが。

今のところ、こまめに再発チェックして
頸部にでてきたらリンパ節郭清

病理で節外浸潤や複数個のリンパ節転移があったり
したものはいよいよ放射線をあてる

という方針でよさそう

というような結論になりました〜

今一番こまってるのが
同時性の食道/下咽頭がんの対応。

10月31日鹿児島城山ホテルにて17時より
講演が決定しました〜

鹿児島のみなさん、お楽しみに

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2015-10-08 22:29 | 他臓器重複癌 | Comments(0)
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