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バレットさん

「バレット食道」って何?

時々、食道が専門じゃない医師だと

「パレット食道」と間違えて記載したりする
バレット食道

PaではなくBarrett's esophagus


これがなんと、人の名前。

イギリスの胸部外科医、Norman Rupert Barrettさん
(オーストラリア出身)が
1950年に書いた症例報告
「食道の慢性消化性潰瘍と食道炎」をBr J Surgに
報告。

そもそも、最初は食道の扁平上皮が胃の円柱上皮に置き換わった
とは思ってなかったらしい

もともと先天的に食道が短いひとで胃粘膜がつり上がった状態、と
おもってたらしく

いやいやよく調べたらそういう症例もこないだみたぞ
あれこれもそうだ、、、って言い出して

でもそればっかりやってたわけじゃなく
1953年にはアカラシアの論文、
1954年にはヘルニアの論文
さらには肺気腫の治療なんてのも書いているし
1955年に肋骨の原発性腫瘍、大動脈弁の手術
1956年には下咽頭、食道の穿孔について
なんてのも書いてる。

何者?

食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わったんじゃね??
って言うのが1957年。

バレットさんは1903年生まれですよ

奥さんはひとつ年上の姉さん女房でエリザベスっていうんですよ

彼が28の時に結婚してるんですよ
それからめっちゃ論文書いてて

1950年だと47歳!

ゲッ、俺の年にちかいやんか〜

でいよいよ「円柱上皮に置き換わった食道」つうのが54歳!

The lower esophagus lined by columnar epithelium

Surgery 1957, 41:881−894ですよ

知りたいのは、これがなんで「バレットさんの食道」になったのか

おいおい、あれ、だれだっけ、
バレット先生が前発表してた、、あのほら、、

潰瘍があってそれが治ると、円柱上皮にかわって。。。
えっと

円柱上皮に食道粘膜が置き換わった食道だよ

めんどくさいなあ

いっそ「バレットさんの食道」でいいんじゃね?

って決まったかどうかは別として

そのバレット食道から発生するがんが1990年ころから
急増するなんて〜

いまやその辺の健康オタクのおっさんまで

「バレット食道っていわれたんですけど
がんになるんですか?放置してていいんですか?」

というほど有名に。

1979年になくなったってことは
ケン三郎が生まれた時にはまだご存命だった

それくらい、新しい疾患概念で。

ひとの名前がついてる疾患名ってそうないでしょう

いやあ、後世に名を残すなんて。。。すごいっしょ。

さあこの週末で「バレット食道」の依頼原稿を仕上げるぞ〜っ

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2016-04-16 00:28 | バレット食道 | Comments(1)
Commented at 2016-04-16 06:29 x
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