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次回のテーマ

第76回食道色素研究会 2017.1.13(金)-14(土)

主題:日本食道学会拡大内視鏡分類「B2血管」を再考する

井上・有馬分類をもとに日本食道学会から食道専門医だけでなく,一般内視鏡医も簡便に使用できることを目的とし,日本食道学会拡大内視鏡分類が作成され約4年が経過した.
現在この分類を用いた深達度正診率等に関して多施設共同前向き研究が進行中である.論文や学会・研究会等での単施設による報告では,B1血管の正診率は90%を越えるものの,ループ形成に乏しい異常血管と定義され,深達度MM/SM1に相当するB2血管での正診率はB1血管に比べ約60%程度と低い.
 自施設におけるdataではB2血管による誤診の多くは,病理学的深達度がpSM2であった.大腸癌深達度診断におけるInvasive patternを参考にB2血管の領域性に着目し,この領域性をいかにSM2癌へ結びつけることが可能かを検討したところ,約10㎜以上の長軸径の場合にSM2の可能性が有意に高い結果に辿り着いた.
そこで,第76回食道色素研究会では,各施設でB2血管と診断した症例をもとに,B2血管を呈した領域の長軸径と深達度診断の相関を多数例で検討したい.特にB2血管を呈した部位を含めた近傍領域において深達度がpSM2であったUnderdiagnosis症例が重要と考える.
B2血管の長軸径の測定は(最後に具体例を提示),NBI観察でのB2血管領域と新鮮切除標本や固定切除標本との対比に基づき,B2血管領域の最大長径を計測し,その病理組織学的評価を行う.各施設からは,このdataをもとに深達度MM/SM1とSM2におけるB2血管の長径の違いがあるのか,あるのならばどのくらいの長軸径ならばSM2を考慮すべきかについて検討いただき発表いただきたい.さらに各施設からはB2血管症例の長軸径とその病理学的深達度をアンケート用紙に記入いただき,代表世話人はこれらのretrospectiveなdataを集計し,食道学会拡大内視鏡分類に亜分類として組み入れたい.




次回はB2血管に迫ります。ご準備お願いします!
by kenzaburou41 | 2016-08-20 13:32 | 食道色素研究会 | Comments(0)
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