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バレット食道進行癌の特徴

バレット食道癌、うちで60例の経験(1985-2015)

30年間で60例だから、年間2例。

そもそも昔はバレット、という認識もそれほどなかったであろう
ので最近急に増えたという印象はまったくないけど

それでも接合部癌は増えている、という。

外科のセッションではこの食道胃接合部癌の主題が
組まれるし。

話題性もあって、術式をどうするか?

っていうのが議論のところ。


とはいえ、バレット食道はもともと、食道だったところが
胃に置き換わったので、食道屋さんとしては
そら食道のもんでっせ、的な発想で治療を行うのが
一般的で

いやいや胃の粘膜に置き換わったから胃の方針に
したがってもらいまっせという胃の先生は少ない。

患者さんとしては1つの病気なので
「治る確率が高い治療法」を当然ながら
お勧めするべき。

しかしいろいろ調べてみますと。

粘膜癌27例に転移は1例のみ(DMM)

粘膜下層癌24例中3例(全例sm2以深)

ここでもsm1を200μとするか500μとするかが
一つの議題であり

食道の200をとるか

胃の500をとるか。

これも最近胃の500に押され傾向で、多施設での
検討でも500でいいんじゃないかという結果も。

「500μ以下」「tub1-2,pap]「脈管陰性」
ではケン三郎の施設28病変に転移なし。

しかしひとたび深くなると、これが
結構なリンパ節転移が起きるのが特徴で。

進行癌で手術した9例中、5例が転移個数10個以上。
4~8個が4例で1~3個はなんと0.

頸部~上縦隔にも転移があったのが5例もあり。

バレット食道癌の術式というと

「バレット食道を全部取る」ように設定されるのが一般的なので、
高い位置までバレットが伸びている症例では3領域郭清を含む、
つまりは扁平上皮癌に準じての治療がどうも必要そう。

では術前治療をやりますか、というとそこまでの
話にはおそらくはなっておらず

またこれからの課題といえば課題で。

いろいろ勉強不足

がんばらねば。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2016-12-04 23:39 | バレット食道 | Comments(0)
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