食道がんの手術においてもっともきになるのは術前の呼吸機能。
患者さんがヘビースモーカーならば最低でも1ヶ月、
余裕があれば2ヶ月くらい禁煙してもらってから手術、という施設もある
くらい
禁煙が守れない患者さんの手術は要注意。
こちらも「もしかしたら手術の合併症で死んでしまったら申し訳ない」
と思いながらも手術をして、術後管理をしているわけなので
患者さん自身もきちんと禁煙を守り、手術に備えて万全の準備を整えて欲しく。
しかし中には、高齢で、肺機能も悪く
ちょっとこの患者さん手術に耐えられるかな
と危惧する症例もございます。
「高齢だし、手術無理だし、ケモラジをまず選択しました」
これはよくある選択ですが
しかしながらケモラジで100%治るならまだしも
完全になおる=3割しかないわけで
そうするとあとの7割はどうするか
「手術は絶対うけたくない」なら抗がん剤をつづけるだし
転移がなくて局所だけのこってる、なら今注目のPDTや浅いものならESDもある
しかしながらすでに転移もあって、、となればそのあとに
サルベージ手術が想定されるわけで。
呼吸機能悪い+ケモラジ後+サルベージ
こりゃ相当条件悪い。
だったら最初から手術をしたほうがまだまし
と考えて
じゃあ、手術なら術式の工夫で負担を軽くできないか?
と思いを巡らし
郭清をやや手控えて
出血が少なく、かつ負担の軽い方法での手術を提供し。
呼吸はしばらく、器械の補助をするために気管開窓をおく。
こうして「手術VSケモラジ」ではなく
手術の中で、患者さんの背景に合わせて手術のやり方を工夫するという選択。
あると思います!