食道癌の患者さんにValsalvaをやりたい
けどうまくできないのでやり方のコツを教えて下さい。
とのご相談
ありがとうございます。
まずは今まで習った経口内視鏡挿入法へのこだわりを断ち切り、
経鼻を進めていくという強い気持ち、
咽頭がんをみつけたるんだ、という気合いが大前提です。
①まず事前に患者さんによく説明する。
(あとで合図しますから大きく息をすって一気に吐いて(フーではなく、プーっ)
口を結んでできるだけ頬を膨らませ続けてください~)
このとき顔が真っ赤になるまで頸、肩にちからをいれるかたが
いますが、リラックスしてなるべく頬が膨らむように、
しかも口から空気が抜けないように
②鼻から挿入、中咽頭をなめるように観察。
口を大きく開け、ベロを外に大きくつきだし~
ここでエ~っと長く言わせているうちに素早くUターンして舌根~左右側壁を観察~
喉頭蓋谷へすべらせる
③右梨状陥凹でエー
④正中の喉頭でエー
⑤左梨状陥凹でエー
⑥ここで深くお辞儀する
⑦下顎を前に突き出す
この⑦のときに顎を右手で手前に引っ張る=じいさんだとこれだけで喉頭があがる
⑧いよいよバルサルバを指示
息をすって~頬をぷ~っ
といってるうちに入口部が展開します
10秒くらいでしょうか、この間にスコープを右、まんなか、左と
すべらせて観察
NBI経鼻でもこれだけ見えます。
2~3回やってもうまくいかない場合
⑥のふかくお辞儀にもどる
⑨お辞儀のまま頸を横にひねる(キリヤンの体位)
ここで頬をふくらませる
で終了です。
印象では検診希望の30代、40代の人は上がりにくく
下顎の小さい人もむずかしく
後は練習です、あまりこればかりにこだわると
患者さんもつらかった、、ということになりますので
酒飲み、辞めろといっても辞めない方、フラッシャー、
50-60代男性
声の低い酒飲みの女性
などに絞って検査をしてはいかがでしょう
午前中12人上部内視鏡するとして2人くらいはリスクの高い方がいて
その方には時間をかけて観察。
ピロリもいない、酒ものまない 方は短時間でメリハリをつけて
やるのが良いと思います。
ぽちっとな