咽頭食道接合部癌のELPS+ESD

昨日の頭頸部表在癌研究会では

ELPSの限界、とも思えるような

下咽頭後壁~食道に約2cm表在性に半周程はいった病変の
内視鏡治療例を報告してきたんですわ

食道浸潤のある下咽頭癌はステージ的にはT3で

ガイドライン的には
咽喉食摘
もしくはケモラジの適応

頭頸部外科医が単独でおこなうTOVSにおいても
食道に少し入ったもの、はいけるけど、食道にかなり進展しているもの
にかんしては、鉗子が届かないので難しいとされていて

ここは頭頸部外科と内視鏡医のコラボ
が重要。

口からとるのが得意な頭頸部外科医と

食道の狭い管腔の中で自在に粘膜を穴が開かないように削れる内視鏡医

その協力で、この場面ではどっちが得か、を
判断しながら手術を進める必要があり

どっちもできるケン三郎の施設ならばこの局面を打開できるっ

また頸部食道がんが下咽頭に浸潤した場合も同様で、
食道外科医と、下咽頭粘膜切除ができる頭頸部外科、内視鏡医
とのコラボで今まで喉頭温存ができなかった患者の治療が実現する


下咽頭がんが頸部食道にかかった場合、頸部食道側に癌が
全周に2-3cm入っていなければ
ある程度トライできそうで。

そのコツ

1)まず食道側の粘膜切開をしっかりおく
これを怠ると後から切るのは難渋する

2)下咽頭側にもどり、全周切開をELPSまたはESD手技で行う

3)病変を把持し、ELPS手技で上皮下層を剥離。

4)食道入口部、輪状咽頭筋を意識して局注をくりかえしながら
これを下に落とすように剥離する

5)持つ病変が大きくなってきたときには2本の鉗子で病変を把持し
ESDで奥の上皮下層を剥離

6)すると輪状咽頭筋が下の図のように見えてまいります。
ここで層を間違えて下の方に行くと、出血が始まり
視野がとれなって、穿孔する危険も高まります。

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7)ここで我々はSTフードを装着し、得意の粘膜の下への
もぐりこみを図ります。
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8)すると管腔のせまい頸部食道であっという間に視野が展開でき、
剥離面がどんどん目の前にでてきて手術が進む進む

ここは頭頸部外科医より内視鏡医が「私にお任せください」と名乗り出るべき
ポイントです。これをいやまだまだ、、と無理に取りに行くと出血するわ、
視野はでないわで、、空気が重くなり

う~んじゃあまず手前を分割で取ろうか

なんて話になりますので、、、

9)できあがりはこんな感じで、だいたい2時間半くらいの手術でしたが
コツがわかったのでもし次回同じような方が紹介されたら
たぶん2時間くらいで切除できるでしょう。

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10)あとはケナコルトを浅めに打ちます。食道入口部が一番狭窄が心配ですので
ここは重点的に。そして可能ならステロイドの内服も併用したほうがいいでしょう。


11)こんなにとっても大丈夫?
一条正常粘膜を残しておけばある程度の狭窄は回避できます、水平断端を気にする
あまりに全周切除、、は私、やってません。

で、数カ月後にはきれいに上皮化されております

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もし、全国でこのような病変でお困りのかたがいらしたら
ご連絡ください~


先日も福岡から「ブログを見てきました」という方が、、、

ありがたや~
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by kenzaburou41 | 2017-07-02 17:41 | ELPSでのどを守る | Comments(0)
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