現在、食道がんの内視鏡的切除術では適応拡大が進んでいて、以前は手術が行われていた粘膜下層浅層(SM1)への浸潤がんも、内視鏡による切除を行う場合が多くなってきています。
しかしその際、切除後の病理検査で脈管侵襲がないかどうかをしっかり調べます。ここで脈管侵襲がなければ追加治療は行わずに経過観察となります。
もし、浸潤が深く、粘膜下層のSM2、SM3の部分までがんがもぐっていれば追加治療を行う必要があります。基本的には手術が行われます。
ご相談者は、追加治療が必要と伝えられ驚かれたかと思いますが、ミクロンの単位である早期食道がんを正確に診断するのは難しいこともあり、内視鏡で切除して、病理でしっかりと調べてみて診断することが多くあります。したがって、内視鏡による治療から手術が必要となったとしても必ずしも進行が早いというわけではなく、がんが予想より深く浸潤していたとしても、追加治療によって基本的には治ります。
手術と聞くと驚かれるかもしれませんが、治療成績は手術が5年生存率は100%、化学放射線治療となると70%となり、できるだけ手術をお勧めしています。
出た〜5年生存率100%!!
という感じですが、ステージⅠ食道癌でも手術の合併症で亡くなるリスクも僅かながらにありますので100%
というのは言い過ぎかと思われます。
ケモラジの成績も少なくとも数年はいい状態を維持しますのでそこまで手術と開きがあるか
というと疑問です。
外科医なら手術をおすすめ、内科医ならケモラジでもある程度根治が期待できる可能性がある、というのが
お答えかと思います。
ぽちっとな