人気ブログランキング |

緊急化学療法

今日は日本胸部外科学会で
第11回の食道困難症例検討会。

いつも常連の、とある大学から演題発表があり

毎回毎回よくこんなひどい症例を、、もとい
大変な症例を経験しているなあ
と勉強させていただける機会。

気管浸潤食道がん。

なんでこんなことになるまでほっておいたんだ?気付くだろしかし?

と思いつつ患者さんは「心配だから毎年検診うけるタイプ」と
「身の危険を感じるまで検査を受けないタイプ」
いろいろでございます。

後者のほうでは、食道癌が気管に浸潤したり、左気管支、気管、大動脈といった場所に
浸潤し 気道系の問題、あるいは 血管系の問題を一つづつクリアせねばなりません。

外来受診

CT見てぎょっとして

即入院

気道閉塞、窒息の危険

ってことでICUに入室。

気管ステント、挿管などの緊急処置も当然検討されるものの

「緊急抗がん剤治療」をICUに入ってすぐ開始

今一番たよりになる抗がん剤

窒息で死ぬくらいなら抗がん剤を一か八かで急いで投与

っつう素晴らしい選択と。

ちょっと遅れてから放射線治療開始。

すごくよく効いてくれて、今度は逆に心配になるのが
気管の底がぬける心配。

危惧したとおりに
放射線治療中に気管と食道が交通したものの

そこは食道バイパス術、胃ろうをおいて逃げて

食事をとれることは確保しながら

放射線治療を完遂。

癌に対する治療と、食事をとれることの両立をうまくやりつつ
患者さんの回復をまつ。

最後にPETで癌が残っているかもしれない
という結果がでて

いよいよ本丸の右開胸食道切除。

再建はもう終わってるんで、とりあえず癌がいようがいまいが
飯はくえるし、後は食道とるだけだから

化学放射線治療>サルベージ手術+再建よりも安心安全。

しかもそのときには気管と食道を剥がすときには十分
気管に穴が空くことを想定して筋皮弁で覆って
起きたら困るものをすべてチェックしつつ
手術の程度、を加減する。

経験のある施設が治療すると、おおこれは大変な症例じゃないか
と思ったものも

いやいやこんなの何度もいやな思いしてますし

どの段階で何をするのがいいか分かってますから

的な「全然治療困難じゃなく」思わせてしまう見事な治療。

「食道癌治療、困難に見せない大賞」

でございました。

また来年、この会に参加しようっと。
















by kenzaburou41 | 2018-10-05 22:49 | 抗がん剤治療 | Comments(0)
<< 頸部食道癌の治療戦略 保険点数 >>