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切除不能食道癌に対する食道内挿管法

気管食道学会の学会誌をパラパラっと読んでたら

ケン三郎が入局した時の教授が亡くなった時のお悔みの文章が
掲載されてて。

食道外科の手術では世界的な名医だったのだけども

学位論文は1964年。
なんと「切除不能食道癌に対する食道内挿管法の検討」
つまり、今でいうステント治療の始まりくらいの話で
学位を取得されてて。

その翌年に女子医大、
20年後にケン三郎の病院へ主任教授としていらしてて。

これがケン三郎が高校に入学するくらいの話。

食道内挿管法が開発された時は
手術も合併症が多くて、食道癌の患者さんには
おそらく何をしても悲惨な時代。


「食道内挿管の適応について」

1)食道癌で明らかに切除不能
2)プアリスク
3)開胸して切除不能の場合
4)手術を希望せずに放射線を希望するもの

と結構広い範囲で食道内挿管法が適応になってたことがわかる。

当時は食道に内視鏡を入れることでも「穿孔の心配がある」
ので、事前に撮影した食道造影を見ながら慎重に食道鏡を進めること

なんて書いてある。

さらには
食道内挿管がうまく行って放射線治療を受けていたら突然吐血して2日後に
亡くなった、解剖できなかったので最後まで原因がよくわからなかった

とも書いてある

時代時代で治療法が変遷していくのだけれど

こうして過去を振り返るとまた
当時の先生方の苦労がしのばれて。。

患者さんもご家族も大変だったろうなあ

合掌。




by kenzaburou41 | 2018-10-10 00:24 | 食道がん治療の歴史 | Comments(0)
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