食道癌の進行度4期
発見された時点ですでに肺や肝臓、そのほか食道とは遠いところに
転移がある
そういう場合、がんが全身に広がっている
ということですので
手術で全部それを取り除く治療を選んだとしても
痛い思いをする割には成績が伴わない
癌を治すよりもいかにうまく共存するか
が基本になります。
よって選択肢としては抗がん剤治療
を選択し
できるだけ長い距離を走れるように
アクセルを踏んで、ブレーキを踏んで
という道を進みます。
手術や放射線治療と違って、薬の量と種類と
投与方法、施設間でそう違いがあるわけではありませんので
もちろん経験のある施設がいいのですが
「全国一手術をしている施設」
「全国一放射線治療している施設」
の必要はなく
「家から通える」
が大事な要素になります。
というのも、抗がん剤治療
身を削る治療で、一番心配な有害事象は、抗がん剤を打つことで
細菌と戦う好中球が減り、感染症を起こしやすくなること
よってこまめに外来に通って採血でその減り具合をチェックする
必要があり、
場合によっては毎日通院してもらって採血の結果を調べる
こともあります
またいえで高い熱が出たりした場合に
家から遠い病院でいくら名医がいるとはいえ
2時間かけてそこまで通院してまで
いく必要はなく
行ったり来たりだけで、しかも予約外だから
何時間も待たされて
「通院だけでぐったり」
かえって調子が狂う可能性もあります。
もしも遠隔転移がある食道がん、と診断されたのなら
あくまで、家から近くて、しかも経験もそれなりにある
地域の中核病院
で見てもらう方が有益だと思います。