人気ブログランキング | 話題のタグを見る

胃癌を見落とさないために

ケン三郎と富山で共演したのは、とあるがんハイボリュームセンター
の若き胃癌のスペシャリスト

これまでたくさんの論文執筆や教科書を書いてて、さらには
胃癌の勉強会メーリングリストをもち、症例を配信しているという
匠中の匠 平成11年卒といいますからわたしよりも4つ若いけど

さらには最近はあのAIでもご活躍。

まあよく、これだけの内視鏡画像をお持ちで、、という濃密な
かつわかりやすい講演でございました。

食道癌は酒の病気である程度、なりやすい人ってのはわかってますが

胃癌は感染症、なのでどういう人がなる、というものなく

ピロリ感染>胃癌
というのが大きな発がんのルートでございます。

ですので、まずはピロリに感染していない胃と、今感染している真っ最中の胃と、除菌した後の胃と
どういう状態か、というのを内視鏡で確認し

そこから内視鏡をじっくり観察していく、という行程でございます。

いやいやその前に準備が大事でございます。

機器の確認、スコープがちゃんと接続されているか、送気送水ボタン、
アングルがちゃんとかかるか、上下左右のチャンネルに異常はないか、
さらには画像強調、色彩強調の設定はどうか、ちゃんと送気ができない
まま観察を行って

胃が全然広がって無くて「あなたはスキルス胃癌かもしれない」といって
紹介されてくるのが年に1例くらいあって、検査してみるとなんもない。

う~ん、機器をまずちゃんと動作するか指さし確認しましょう

さらには前処置。ガスコン水にプロナーゼ、粘液をよく洗うにはウオータープリーズ
うちは内視鏡の部屋全室にこの洗う機器を置いています、さっすが~

鎮痙剤ブスコパンにグルカゴン いりません
ミンクリア。前庭部が収縮してひだのうらを観察しにくいことがあります
でもそういう方は3人に1人です。ミンクリアを前庭部大わんにまくとそれが全体に
広がって見やすくなります。ミンクリアは使用禁忌がない、という利点もございます。

そして検査には当然気合い、この内視鏡は検査医にとっては大勢の中の1人
だけど患者さんにとっては1分の1.一期一会の気持ちをもってスコープを握りましょう

その病院では若い先生方が年間、早期癌をどれくらい見つけたかを
競い合い、忘年会でその結果が公表され、1位は金一封
びりっけつはハズキルーペが贈られるといいます

競うことで、見落としを防ぎ,次につなげていく、これも大きな教育法
かもしれません。

画像強調 便利な世の中になりました。

NBIだとAモード Bモード
Aは荒いところを強調します
Bは細かいところを強調するモードです。

よって白色光は A5を
NBIはB8を用います この設定もきちんと確認しましょう

しかし網羅的に観察しなくては見落としが起こります。

見落としやすい場所
噴門小わん スコープに隠れることがありますのでぐるりと回して観察しましょう
体下部後壁 接線になります。アングルを使って正面にみる努力をしましょう
体部大わん 十分送気していないとひだとひだの間に簡単に隠れますので十分送気しましょう
前庭部大わん 収縮のやまを超えたところを見落とすことがあります、注意しましょう

胃癌をみつけるには胃癌の特徴をしることが重要

つづく・・メモメモ




by kenzaburou41 | 2018-12-22 14:07 | 講演録 | Comments(0)
<< 早期食道癌診断勉強会 特別講演 富山講演 >>