気管食道科学会の今月号に
癌研の先生方の
「食道扁平上皮癌における壁内転移の意義」
日気食会報70;225-230、2019
の原著論文が掲載されておりまして。
壁内転移っつーと、予後不良
とはいったものの
840例の手術例のうち壁内転移ありの44例とそうでない例を比較してみました。
44例のうち、術前に内視鏡で壁内転移を指摘できた例は27例と6割しかなく。
意外と内視鏡だけでわからないんですね、、
壁内転移例は壁内転移がないやつよりも癌の進行度が有意にすすんでいて
リンパ管、静脈侵襲が高度で転移リンパ節個数も有意に多い
かつ
根治切除できた率が有意に低かった(壁内転移あり75% VS なし 92.2% P<0.01)
当然予後もわるく
5年全生存率 転移あり:18.2% 壁内転移なし:62.5%
疾患特異的生存率 25.5% 73.5%
と有意に予後不良。
1980年以降、壁内転移例の予後は不良といわれ
5%、10%以下、11,9%、10%以下、0%、9%と
いずれも予後は悪く。この時代は今と違って、術前治療が入ってないものばかり。
術前治療が半分くらいはいってようやくこの単施設のデータで18.2%。
手術だけじゃあ戦えないんで「手術しても成績悪いですよ」
という考えもあるかもしれないし
化学療法が奏功したものだけ手術する、という考えもあるかも。
抗がん剤、手術、放射線 + α のなにかしら、、でしょうか
勉強になりました~