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CNT

切除不能、もしくはそれに近い進行食道癌で口から栄養がとれない>

ケモラジ開始

で重要なことは適切な方法で栄養状態の改善を図る事が大事でございます。

この場合胃瘻をつくったり、鼻から管をいれて腸管に栄養をながす
「経腸栄養」


点滴から栄養を加える中心静脈栄養(TPN)

が重要な役割を担います。

経腸栄養が治療期間中の副作用を減らした、
治療期間中の濃く格筋量の減少を防いだ、、
など、栄養介入による有効性が報告されています。

Miyata H et al . Clin Nut 31:330-6, 2012
Tanaka Y et al, Support Care Cancer 24:933-41, 2016
Miyata H et al. Nutrition 33:204-10, 2017
Ishikawa T et al. Oncol Rep 36:1093-1100, 2016

ここで重要なのは管理栄養士さんをふくめた、チーム医療が
合併症をへらすのに貢献するってことで

今この患者さんになにがいい栄養管理か、を経時的に評価し
適切な指導をする

経口、経腸、経静脈の3つのルートがあり、そのすべてを上手く使うこと
が必要

この中心静脈栄養+少量の経口摂取+経腸栄養で、腸管粘膜の萎縮を防ぐ
概念をCombined Nutritional Therapy (CNT)とよびます。

Omura K et al. Ann Surg 232:112-8,2000
Ohta K et al. Am J Surg 185:79-85, 2003


静脈栄養と経腸栄養をうま~くつかいこなす
ってのが大事で

中心静脈栄養が総投与エネルギーの60%以上ならば中心静脈栄養、
それ未満なら補完的中心静脈栄養(supplemental parenteral nutrition)と呼び

治療がうまくいくにいくにしたがって経腸>経口への移行

つまりは「口から物が食べられる」状態へむかうことが
精神的にも安定が得られる


ってことでして


朝からお勉強 おしまい



by kenzaburou41 | 2020-05-04 08:28 | 臨床栄養 | Comments(0)
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