術後外来マニュアル 2020
①「逆流」への対策
食後の逆流では必発であり,誤嚥性肺炎の原因となるばかりか,高齢者では窒息死の原因となる.
食道胃管再建術の致命的欠点であり,他臓器癌(頭頚部>胃>肺,大腸,前立腺)と並んで高齢者の他病死の主因である.
→食後は1時間以上起座位を保ち、その後は横になってもいいが、逆流するのでなるべくうつぶせは避ける、
上半身を起して寝る。
就寝前の食事は厳禁.
夜食代わりに術後早期の場合は経腸栄養を応用する.
再建臓器が頚部まで達していること,食道が極端に短いことをよく理解させ,
さらにどんなにうまく手術しても生来の(神様の作ってくれた)噴門機能は再建できない。
(胃温存、回結腸再建の場合は逆流を予防できるが、げっぷがでにくい)
食直後の逆流は食物そのものよりも胃液中の粘液(比重が小さい)が戻ってくると訴える事が多い.
夜間の逆流は胆汁(苦くてヒリヒリする)と胃液(酸っぱい)の混じった
刺激の強い液体が咽頭にもどってきて,覚醒する人も多い.
明らかな逆流や誤嚥の自覚がなくても夜間には必ず逆流は起こっています.
→臥床時には必ず頭高位とする.リクライニングつきのベッドを買ってもらう(ベッドのレンタルの補助あり?、
受けられるサービスは積極的に受ける)
ベッドがない場合は座布団を2枚くらいひいて、寝る。旅行先でも同じ.死ぬまで一生続させる.
逆流で覚醒したら,よくうがいと咳をして,その後水を飲んで数分間座位をとったのち就寝する。
毎日起床時と就寝前にはよくうがいをして,同時に意識して痰を喀出させる.
食事のあとで咳させると胸腔内圧があがって逆流するので食事前に咳を促す。
「食道がん術後にこんなサービスが受けられますよ」とご存知のかた
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ぽちっとな