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厄介

バレット食道癌はなぜ厄介か?

やっかいといえばやっかいな病気です。

早期で見つかったら場合は食道の扁平上皮癌と同様、粘膜癌ならESD
が行われ

それで大部分は治りますが

バレット食道癌の中にもたちのわるい、転移のしやすいものもありますので
その場合は追加治療で手術が必要になるものありますので、厄介①

あとは、癌がどこまで拡がってるかがわかりにくいという特徴があります。

短いバレット粘膜、SSBEの中にできた場合はSSBEごと切除すればいいのですが
正常の扁平上皮のしたに潜って発育するものもあるので、予定の切離ラインを
やや広めに設定する必要があるのと。

あとはなが~いバレットの中でできた場合は、いろんな精密検査をしても
「ここからここまでです」と言い切るのが難しいので
なるべく広ーく切除する必要があり、これが厄介②

全周ESDを積極的にやるところもありますけど、あとで狭くなるリスク
もあるので、やるときは拡張こみで治療にあたる必要があります。

もひとつ。追加治療で手術する場合に
食道と胃の境目に病気があるので、お腹の方向への転移と胸や頸に向かう
転移を気にしなくてはならず。食道の上の方に伸びてる場合は、
うえのほうまで手術する範囲をひろげなくてはならない

早期がんならそこまでしなくてもいいようにおもいますが
どこで切るか、どこを残すか、が症例毎に検討が必要、ということでも厄介③
でございます。

結局のところはまずとってみないとわかりませんので、
早く見つけていただいたのをよしとして
安心して治療をうけていただければよいのではないでしょうか





by kenzaburou41 | 2020-12-27 18:18 | バレット食道 | Comments(1)
Commented by shatsumin at 2021-01-03 22:09
厄介な部分をわかりやすく教えていただいて感謝です。
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